アルヴァース誕生
『アルヴァース初期設定を受理しました。世界を構築します。しばらくお待ちください。』
それからしばらく待った。
突然!
真っ白な空間から、世界が創造された。
視界に世界が広がる。俺は俯瞰でその世界が見える!その光景に俺は思わす声をあげた。
「す、すげぇ!」
ビデオを早送りしたと表現すればいいのだろうか。
最初は海しかなかった所から、ドンドン陸がせり上がってくる。火山の噴火を繰り返しながら。空も灰色の雲が覆っていたが、陸が出来上がってくるにつれ、青空が見えるようになってきた。陸には草木が育まれていく。
しばらくその光景に魅了され、陸地を見ると生物らしきものが見えた。
凝視していたら、ズームされる様にその生物に近づく。
「なんじゃこりゃ?」
爬虫類か両生類か判断のつかない生物だった。カエルの様なトカゲの様なやつだ。
また、しばらく様子見ていると、飛んでる生物がいた。虫か?と思いさっきの様に凝視する。
「なんじゃこりゃ?」
またも、同じセリフが飛び出した。
昆虫っぽくない。むしろ哺乳類?
ネズミに羽が生えた感じだろうか。
生態系がわからず混乱する。
辺りを見回して見ると色んな生物が誕生していた。
と言っても、まだ大型生物はいない。
精々犬や猫くらいの大きさの生物だ。
ただし、犬や猫ではない。何かわからない。
恐らく進化の途中段階だからだろう。
これからが楽しみだ。
……。
…………。
しばらく眺めていた。
生物が進化していく姿は、正直感動した。
学校では、あまり生物に興味はなかったが。
夢ながらいいものを観れた。感謝。
何時間経ったかわからないが、一向に眠くもならないし、腹も減らない。目も覚める様子もない。
どうしたものかと疑問を抱きながらも、景色の移り変わりを堪能していると、漸く大型生物や人類っぽい生物が誕生した。
その間にも何度か天変地異が起こり、生物が何度か絶滅の危機に瀕していたが、大丈夫だった様だ。
設定で種族を多くしていたからか、地球ではお目にかかれない生物が予想どおり誕生していた。
エルフ擬き。ドワーフ擬き。妖精擬き。竜人擬き。獣人擬き等々。擬きを付けているのは呼び名が当然決まってないからだ。
その他所謂魔物と呼んでも良さそうな生物もいた。
「いいね。この世界。気に入った」
こうしてアルヴァースと呼ばれる世界が誕生した。
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あれ?俺は何処に立ってるんだ?