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アルヴァース・クリエイト 〜異世界適当創世記〜  作者: 神在月
1章 転生・成長・再会
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記憶復活

アルヴ暦211年3月

シアルグラス城内


ーレグス sideー

「あの日から2ヶ月か……。」


 レグスは領主としての執務を終え、シンが3歳の儀式を行った際に起こった現象の事を思い出していた。


 光り輝く聖堂。シンとルーシアが一緒に光っていたように見えた。そしてあの能力。全てが異常だった。数値は兎も角シン達のスキルだ。

 〔全言語理解2〕〔全魔法適正☆〕〔成長速度上昇2〕こんなスキルは見た事がない。全言語という事は、この世界の言葉は全て理解できるという事か。これだけでも恐ろしいのに全魔法適正とは……。しかも☆という事はマスタースキル。3歳にして全ての魔法習得の器という事か。しかもシンだけでなく、ルーシアにも同じスキルがあった。レベルも全く同じ……。


 そして2人共さらにユニークスキルを2つ持っていた。シンのはどちらもスキル名や内容はわからなかったが、ルーシアの持っていた1つだけ名前の出ていた〔ポイントオペレーター〕だ。名前から想像するに、ポイントを操作できるスキルだろう。ポイントを操作なんて、人が出来ていいのか⁉︎神だけの能力じゃないのか?


 そして神の加護……。


 やはりこう考えると、シンもルーシアも神の意思で産まれて来たように思えてならない。

 だとして、俺に何か出来るのか?


 しかし、それでもシンは私の子だ。立派に育てて見せる。育ててから何か使命があるのであればそれはシンに判断させようと思う。


 今はただあの2人が豊に育ってくれる事を祈ろう。




ーシン sideー


 シンは城内を散歩していた。

 3歳児の為当然メイドが付いているが。


「サーシャ、かくれんぼしよ?」


「かくれんぼですか?駄目ですよ。シン様から目を離すなと申し付けられてますから」


「むぅ……つまんない。じゃあけんじゅちゅのおけいこして‼︎」


「イヤイヤ、シン様はまだ3歳ですよ。もう少し大きくなられてからにしましょう」


「みるだけでもだめ?」


 シンは純粋ピュアな目で見つめている!

 サーシャは、ときめいた!


「み、見るだけですよ。では、訓練所に一緒に行きましょう」


「やったぁ!サーシャありがとう!」


 サーシャは満面の笑みを周りに振撒きながら、シンと手を繋いで歩いていく。

 サーシャ18歳独身。この世界ではそろそろ結婚を考えてもいい年齢だ。レグスやソナからも結婚相手を探すと話を持ちかけた事もあるが断っている。原因はシンが産まれてからシン専属の教育メイドに任命された事にある。任命当初はそうでもなかったが、シンを見ているうちに、成人男性に興味を持たなくなった。今ではシンの側にいるだけで幸せだった。



 訓練所。ここでは、辺境伯に仕える兵士が日々訓練を行っている。現在も数多くの兵士が訓練していた。

 剣術、槍術、斧術、弓術そして魔術。

 各区画に別れており、シンとサーシャは順番に見ていく事にした。



 剣術区画

 木剣を使い、2人1組で模擬戦を実践している者が大多数を占める。脇の方で素振りをしている者もいる。若く見えるのでまだ入ったばかりの新人であろう。



「うわぁ!かっこいいなぁ」


 目をキラキラさせながら、訓練を見るシン。

 サーシャもそんなシンの様子を見てニヤつく。涎がキラリと光る。



「おらーオメェら緩い訓練してんじゃねぇ。シン様が見に来られてるんだ!気張りやがれー!」


「おぉーっ‼︎」


 突然みんな張り切って訓練をし始める。

 実はシンが見てるからではなく、その横にいるサーシャが見ているからだ。男臭い訓練所に女性が入ってくる事など滅多にないのだ。しかもサーシャは、かなりの美人。本人はシンにぞっこんなので、あまり兵士達に興味はないのだが、シンを見る時の笑顔が兵士達を勘違いさせているのだ。



 そんな時に事件が起きた。

 張り切って組み打ちをしていた兵士の木剣が、大きく弾かれシン達の方へ回転しながら飛んで来た。木剣といえど当たりどころによっては大ケガをするのは当然だ。気づいたサーシャはシンを飛んでくる木剣から守るようにシンを突き飛ばした。


「シン様‼︎危ない!」


 ドンっ!と大きな音がして、兵士達も異変に気づいた。


 突き飛ばされたシンは、ゴロゴロと転がり壁に頭をぶつけて蹲っている。案外木剣で打たれたのと同じくらいの痛さであったが、それは誰も気づいていない。


 サーシャは、シンを庇った際に木剣を左肩に受けて、気絶している。


「た、大変だ。骨折しているかもしれん。直ぐにサーシャさんを治癒師の所にお連れするんだ!」


 みんなシンよりサーシャを心配していた。まぁ木剣はシンに当たってはいないので仕方ないといえばそれまでだが。



 蹲っているシンが、頭を摩りながら、目を見開いた。


「いっつー。ん?お?ここどこだ?」


 遂にシンの記憶が蘇った瞬間であった。


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