〜一族連続殺人事件〜8 能力開花!
「これが目に入らぬかー!」
勇者が取り出したのは金属製でL字型の×2…まさかとは思うが…あれか?
「金属探知機〜!」
やっぱりかー!バカだ…こいつ
「おおっ!俺一回やってみたかってんなー、貸してや!」
「だめ!まず、あたしがやるの!」
勇者は金属探知機を両手に持ち、そこら辺をうろうろし始めた。
「あっれ〜?反応しない、何でだろ?」
「なあ〜俺にも貸せよ!」
ツナと俺はその光景をただ、ただ眺めていた。
しばらくして、出来ない事を悟ったのか2人共諦めた。
「雑用!今こそお前の力を使う時が来たニャ!」
また、猫が変な事を言う…
「こんな物で金属は見つけられないの!これはただの玩具。」
「道具マスターの一族なら、出来るはずだニャ!」
道具マスター?どっかで聞いたような気が…
「道具マスターって何?」
「ええええ〜!し、知らないのかニャ?」
「どっかで聞いた。」
「まあ、いいニャ…道具マスターとは一時的に、道具に不思議な力を持たせる能力の事ニャ。また、その逆に、力を持った道具の力を消す事も出来るニャ!分かったかニャ?」
「雑用、いや賢人よ!お前やったら出来る!」
何その無駄な信頼?
「出来ねーよ!やった事ないし。」
「今覚えろ!ガンバ」
「無理だろ!?これで出来なかったら恥ずいし!」
「大丈夫や、俺らは絶対…笑わねーから!」
「藤原…お前の携帯探してんだよぉ!!!笑ったら殺す…」
俺は勇者から金属探知機を受け取った。思ったより重い…
「まず、その対象となる道具に自分の力を流し込むニャ!」
「出来るかー!何言ってんの?もっと詳しく説明しろ。」
「ニャ?出来ないのかニャ?」
「やっばり所詮雑用やな。」
とりあえず、藤原の脛を蹴っ飛ばした。
「まず、手で持つ。次に力を流し込む、感覚としては道具とシンクロするニャ!」
「し、シンクロ?!シンクロってどうすんの?」
「自分の生命の鼓動と道具の声がどうとか…」
「意味不明だー!」
「生命の鼓動は心臓の鼓動、道具の声は道具の事を思えという事だニャ…多分」
「つまり、どうすんだ?」
「道具に意識を集中させ、自分の血液を道具に流し込む感覚だと思うニャ。」
俺は道具に意識を集中させる。気が付くと、周りの音が消えていた。そして…不思議な感覚だった。
「携帯電話らしき反応が3つある…」
「できたのかニャ?」
「わからない…けど吐きそう。」
「力を使った後は疲れるものニャ。」
「あの、岩の下に一つと、この鍾乳洞の突き当たりの…壁の向こう?」
「埋まっているのでしょうか?」
「掘る?」
「携帯あったー流石、賢人天才やな!」
俺は自分の携帯をさっきの要領で力を流し込み、鍾乳洞の中に光が溢れた。そして鍾乳洞の突き当たりまでくると、皆で調べ始めた…