第一話*夏生と夏緒
こんにちは。第一作品なのでまだまだ手薄です。
2人の名前が微妙に似てる!って思った人はこの後も
是非呼んで見てくださいね(^0−)ノ
白い病室にひとつのベッド。
窓からは木漏れ日が差し込みベッドを優しく包み込む。
ベッドには少女が1人たたずんでいた……
部屋の中央には白いグランドピアノが置かれている。
脇には過敏が机の上においてあり、向日葵が3本挿してあった。
「なっちゃん」
懐かしい声が少女のあたまを過ぎる。目の前には軽くウェーブのかかった髪形の
小柄の女の子。でも、頭で考えられない。
「久しぶりだね。何年ぶりかな〜留学したのが5年前だから
5年ぶりだ。なっちゃんが入院してるって聞いたからビックリしちゃった」
(5年前?5年前に留学……?)
ふと少女の脳裏をよぎったのは5年前の映像…
「夏緒?」
「覚えててくれたんだぁ♪そだよ夏緒でぇす☆
つい昨日ピアノ留学から戻ってきたの。思ったより帰るのが遅れたから
忘れちゃったらショックだったの」
「そっか…また学園に戻ってくるんでしょ?瑠依は元気?」
「…………私はもう戻れないと思う。」
「何で?」
少女は悲しそうに夏緒に告げる。
「もう私あと半年も生きられないの。声帯をとればよくて1年半だって
でも、私は歌うことをやめたくない!だから…ヒック…夏緒には…私の分もっ
幸せに…ヒック…なって…ほしいの」
もう涙目になりながら話し続ける。手は震えていてまともに話せていなかったが
夏緒は真剣に聞き取ろうとする。
「そんな弱気にならないでよ。まだ半年もあるんでしょ?頑張ろうよ!ね?夏生」
「そう…だね。私…頑張るから!」
にこっと夏生は微笑んだ。それにつられて夏緒も。
「あと半年…頑張るから!」
「頑張って。いい事企画しておいてあげる。お楽しみに待ってて」
「???うん。わかった。」
そういって夏緒は病室を出て行った。
夏生はベッドから降り、ピアノのいすに座る。
ポーン…と音を響かせたあと弾き始めたのは『華麗なる大円舞曲』
静かな病院を綺麗な旋律が流れていく。
「夏生ちゃん。検温ですよ〜♪」
看護婦が来たときには夏生はベッドではなくピアノに寄りかかって寝ていた。
くすっと看護婦は笑い、夏生の肩にタオルケットをかける。
手早く検温を済ませ病室を出て行った。
「夏生!ビッグニュース!ビッグニュース!って…寝てるのか。
じゃぁメモを残してくか。転入手続きもあるしな」
―――――風の旋律はどこまでも流れ続ける。
終わりのない…ピアノの旋律のように
***主人公***
Name 御園 夏生♀
説明 14歳。ピアノと歌が得意な中学2年生。
夏緒とは親友。原因不明の病気で余命半年を
宣告された。
Name 桐沢 夏緒♀
説明 14歳。つい昨日までピアノ留学をしていたくらいの
ピアノっ子。以外と男の子っぽい。