表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された伯爵令嬢が、王女の侍女になって王宮の食事改革を始めました  作者: 絵宮 芳緒
第ニ章 王宮侍女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/9

第一話 食べられない王女

「侍女として――私の側に来ませんか?」


王女の言葉に、リディアは一瞬だけ目を見開いた。


だがすぐに表情を整える。


王女の申し出。

それは名誉であり、同時に大きな責任でもある。


リディアは静かに一礼した。


「……光栄にございます」


王女の瞳が、わずかに輝く。


「では、決まりですね」


それから数日後――


リディア・フォン・アルヴェルンは、第二王女アリアナ殿下の侍女として王宮に上がることとなった。




王女の部屋は、静かな光に包まれていた。


大きな窓から柔らかな陽光が差し込み、白いカーテンがゆっくりと揺れている。


室内には、昼食のための小さな食卓が用意されていた。


銀の食器。

温かなスープ。

焼きたてのパン。


香りのよい料理が、いくつも並んでいる。


けれど――

アリアナ王女は、その料理を前にして小さく困ったように笑った。


「……ごめんなさい」


王女はスプーンを置く。


「やっぱり、あまり食べられないの」


その声に、侍女たちの空気が少しだけ沈む。


「殿下、もう少しだけでも……」


一人の侍女が心配そうに言った。

だが王女は首を横に振る。


「美味しそうなのに……」


「でも、すぐにお腹がいっぱいになってしまうの」


そう言って、申し訳なさそうに視線を落とした。


その様子を、リディアは静かに見つめていた。


(……なるほど)


食卓に並ぶ料理へと視線を移す。


王宮の料理は豪華だ。

バターを使った肉料理。 甘い菓子。

濃厚なソース。


けれど――


(胃に重い料理が多い)


そして、ふと王女の手元に目がいく。

白く細い指先。


(……冷たい)


(手が、冷えている)


リディアの胸の奥で、ひとつの考えが浮かんだ。


(もし――)


(食事を少し変えれば)


(この方は、もっと食べられるのでは……?)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ