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四季

作者: 芋姫

「日本には”四季”があってイイデスネ。」


窓の外にしんしんと降る雪を見ながら、うちにホームステイに来ている留学生のロバートが言った。


しかし、それに対して複雑な面持ちで僕はボソリとつぶやく。


「・・・・いや、近年はそうでもねえよ。」 


「?」とロバートは首をかしげたが、それは事実でもあった。


彼が日本に来たときはたまたま”春”に当たる週であった。


昨今の日本は異常気象が積み重なり、ついに”1週間ごと”に季節が変わるようになってしまったのだ。


ちなみに今は4月なのだが、ロバートが来たのは今月の頭。その時は『春』の気候だった。


ぽかぽか陽気で心地いい。まさに暦どおり。


しかし、次の週はいきなり『夏』。どこからともなくミンミンと蝉の声が聞こえてくるのであった・・・


かと思えばいきなり『秋』。いつのまにか紅葉。やや肌寒くもある。・・そして、あれよあれよという間に今週から『冬』に突入した。週の初めからいきなり雪がしんしんと降り始めるのであった。


彼が来てそろそろ1カ月。ロバートは雪を見た事がないらしく、キャッキャとそれはもう大はしゃぎであった。


今さら水を差すようなことも言えまいよ・・。


”日本は四季の移ろいが美しい” というのも今は昔。いまや、「衣替え」などという日本古来の伝統はもはや存在しないのである。


もはや激しい寒暖差との戦いで、情緒も何もあったもんじゃない。


「積もりそうデスネ♪」とうきうきのロバートに僕は苦笑いしながらうなずくほかなかった。







ところで、ロバートはどこの国の人なんだろう? 自分で書いておきながら・・・。

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