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【間もなく15000PV!ありがとうございます!】破滅の夜に溺れた悪役令嬢は、母になっても溺愛されます!  作者: 愛龍


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22/22

エピローグ

 夕陽が沈み、王都の外れを抜ける馬車の中は、橙から薄紫へと移り変わる柔らかな光に包まれていた。

 道の起伏に合わせて、車輪が静かに揺れる。


 ランティスは膝の上で眠る小さな息子―セリスの頭を、優しく撫でていた。

 寝息は穏やかで、その胸の中で小さな世界が静かに呼吸しているようだった。


「……よく頑張ったな。」

 囁くように言い、ランティスは指先でセリスの髪を整える。

 少年はわずかに身を動かし父の膝に頭を寄せた。


 窓の外には、修復を終えた神殿の塔が遠くに見える。その姿はもう、闇ではなく“祈り”の光を宿していた。


 隣に座るアイリスが静かに微笑む。

 ランティスは彼女の指先を取り、言葉を紡ぐ。


「アイリス……」


 ゆっくりと彼女の名を呼び、深い青の瞳が細められる。

「……愛してる。」


 その声は、低く、温かく優しかった。

 アイリスの頬が淡く染まり、視線が絡む。

 そして、ランティスはそっと彼女の唇に触れた。


 短い、けれど確かな口づけ。

 それは“今、生きている”という確信。


 唇を離すと、彼は微笑みを浮かべた。

「ずっと……君と物語を紡ぎたい。」


 馬車の外では花が夜風に揺れ、遠くで虫の音が響く。


 その音に包まれながら、アイリスは静かに目を閉じた。


「……私もです、ランティス様。」


 貴方となら永遠さえ信じられる。


 こうして、二人の作られた“断罪の物語”は終わる。

 この先紡がれるのは自ら作り出す愛の物語……

断罪令嬢の逆転ラブストーリー完結です。ご愛読ありがとう御座いました。

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