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【間もなく15000PV!ありがとうございます!】破滅の夜に溺れた悪役令嬢は、母になっても溺愛されます!  作者: 愛龍


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 アストゥリア王国全土に、得体の知れぬ“脈動”が走った。


 まるで大地の下で、何か巨大な心臓が鼓動を始めたかのように。


 公爵邸の執務室で、書類に目を通していたランティスは、ふとペンを止めた。


 背筋を冷たいものが走る。


 一瞬で太陽の光が消えた……


「……この気配は……まさか。」


 立ち上がった瞬間彼の瞳の奥に暗い波動が映る。


 魔界の“瘴気”。


 伝承でしか知らなかったが彼の持つ火の魔力が警告音を鳴らす。


 ――同じ頃。


 王城のラウンジ。

 マリアは皇太子リュオネストと少し遅めの朝食を共にしていた。


「……っ!?」

 マリアはナイフとフォークを握る手を止める。心臓が締めつけられるような、息苦しい気配。

 リュオネストも同時に顔を上げた。

 その蒼い瞳が、遠く――神殿の方角を射抜く。


「魔の気……。まさか、封印が……?」

「陛下……何が……」

「わからない。だが――嫌な予感がする。」


 鎧の音を響かせ、駆け込んできたのは第一騎士団長、エルヴィンだった。


「――ご報告いたします!」

 息を切らしながら、彼は跪く。

「神殿に、魔界の門が……現れました! 封印が破られ、魔獣が出てこようとしております!」


 空気が凍りつく。

 リュオネストの表情が一瞬で厳しくなり、マリアは口元を押さえた。

 信じたくない現実が、音を立てて崩れていく。


「……そんな……。神殿で……?」

 エルヴィンは顔を伏せた。

「はい……そして聖女リンカ様のお姿が……どこにも……」


 ――“聖女が消えた”。

 その言葉が響いた瞬間、世界が暗転するような感覚が皆の胸を貫いた。



 その頃ランティスは、屋敷の窓越しに遠くの空を見上げる。

 神殿の方角に、黒い光柱が立ち上っていた。


「……やはり、始まってしまったか。」


 聖女が魔界の扉を開き

 悪役令嬢が光の加護を受ける――


 


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