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【11000PV超!!ありがとうございます!】破滅の夜に溺れた悪役令嬢は、母になっても溺愛されます!  作者: 愛龍


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プロローグ

公爵家の若き当主の私室には、夜の静寂が重く沈んでいた。

蝋燭の炎が揺れ、壁に長い影を落とす。アイリス・ウィンディアは掌に握った指輪を見つめ、胸の奥でざわめく感情を押さえようとした。


「ランティス……」

名前を口に出すだけで、心臓が高鳴る。震える手を握り締め、指先に力を込める。


扉が静かに開き、黒髪のランティス・ブルーヴァルドが姿を現した。深い青の瞳が揺るぎなく自分を捉え、息を飲むほどに近い距離で立っている。


その存在感に、アイリスは思わず息を呑む。全身の血が熱くなるのを感じ、頬が自然と赤く染まる。


「………アイリス」

吐息に混ざったその声が、耳元で震える。熱を帯びた低音が体の奥にまで響き、アイリスの胸を揺さぶった。


ランティスはゆっくり歩み寄り、迷うことなく彼女の腰に手を回す。

その手の温もりが、触れた瞬間、全身を震わせ心臓が跳ねる。


「……っ」

思わず目を閉じた瞬間、唇が重なった。

短く、しかし濃厚な口づけ。熱が伝わり、体の奥底から蕩けるような感覚が走る。腕に抱きしめられランティスの体温と存在が密着する。


「君を……感じたい」


目を開けると、彼の深い瞳が自分を捕らえて離さない。アイリスの理性は淡く崩れていく。


この人の腕の中にいると、恐怖も不安も忘れる。

心の奥底に隠している感情が、溢れ出す。


「……ランティス……」

唇を重ね、抱きしめられたまま、アイリスは自分がどれほど彼を求めているか思い知る……


世界のすべてが遠くなるような、濃密な熱。触れるたび、吐息が絡み、心が震える。


夜はまだ深く、蝋燭の炎だけが二人を包む。

ランティスがゆっくりとアイリスの首筋に口づけを落とす。吐息、肌が互いを求め合う―すべてが、この瞬間だけの永遠となった。


運命の脚本も、ゲームの筋書きも、何も関係ない。

ただ、ここにある温もりだけが現実………


そして終わり…………

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