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からくり紅万華鏡ー餌として売られた先で溺愛された結果、幽世の神様になりましたー  作者: 霞花怜(Ray)
第四章 幽世からの試練

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閑話休題 登場人物紹介②

 幽世の試練を終えて、やっと二人の目が混ざりました。

 蒼愛が蒼目に赤い瞳孔

 紅優が紅目に蒼い瞳孔です。

 完璧な状態の瑞穂ノ神と色彩の宝石になれました。良かったね。


 着ぐるみを着たもふもふの蒼愛に紅優と志那津がめちゃくちゃ喜ぶほんわかスタートだったのに、とんでもない話になりました。

 月詠見と日美子からのクリスマスプレゼントの内容は最初から決めていたので、書けて良かったです。残りのプレゼントのエピも書いていければと思います。パズルまだ終わってないしね。


 三章から新たに登場したキャラの紹介をしたいと思います。



【風ノ神 二ノ側仕:鎌鼬(かまいたち) 霧疾(きりと)

 現世出張から帰ってすぐ時空の穴から過去に行く羽目になったり、瑞穂国ができてから千年以上動かなかった時の回廊が動き出したり。管理者大活躍でした。

 時の回廊の管理者の霧疾さんは、使用からメンテまで何でもこなします。懐中時計は時の回路や時空の穴のリモコン的役割。

 現世出張帰りなので洋服でしたが、普段から繋ぎみたいな作業着でいることが多いです。効率重視のせっかちな性格なので洋服の方が動きやすくて好き。

 和服が多い瑞穂国では珍しい洋服愛好家です。正式な儀式なんかの時は和装します。

 髪とかも気にせず適当に後ろに流して縛ってる。見た目とかあんまり気にしないタイプ。番の緑玉の人間に「仕方のない」と言われながら世話されている。霧疾さんの番はかなり後にならないと出てこないなぁ。

 風ノ神の側仕に鎌鼬出したいなぁと思っていたので、出せて良かったです。やっぱり風の妖怪の代名詞は鎌鼬だよね。

 そういえば、霧疾さんは鎌鼬らしく武器も使います。両刃の大きく反った剣(刃)を使います。蛇々を誘き出すのにちょっと使ってましたね。



【瑞穂ノ神 一ノ側仕:白狼(はくろう) (しん)

 重症だったり敬語で話したりするシーンが多かったので真のキャラを書ききれなかった、残念。次の章で書いていければと思います。

 ザックバランな性格で、先入観なく自然に誰とでも打ち解けられる性格の真は、次章で大活躍です。人型で生活する場面が多い瑞穂の国の妖怪たちですが、真は最近まで現世にいた妖怪なので、狼姿でいることが多いです。人型になっても洋服が多い。




【水ノ神 一ノ側仕(側仕筆頭):(みつち) 縷々(るる)

 やっと出せました、縷々さん。

 結構早い段階でできていたのに出せなかったキャラです。

 神々の側仕のまとめ役。いろんな意味で、どちゃくそ強いです。お上品な笑みで物騒な発言をさらりとする綺麗なお姉さま。淤加美様を尊敬しているけど、ちゃんと叱ります。世話焼き気質。一見、ぼーっとしてそうな夜刀の面倒も見てあげるけど、ちゃんと働くように誘導して指導できるのが、縷々の強いことろ。「お腹が空いたなら、一緒に作りましょうね」って言って、教えながら自分で作らせる的な。飴と鞭の使い分けも絶妙です。

 井光さんの番。文字通り、竜と虎。蛟は小さな竜みたいな妖怪で、水を司ります。竜と同一視する考えもありますが、淤加美が龍神なので、差を付ける意味合いでこの物語では別物として書いてます。「晴女には狐が、雨女には蛟が憑いている」とかいう逸話もありますね。



【瑞穂ノ神 二ノ側仕:大猫(おおねこ) 井光(いひか)

 紅優が佐久夜の側仕で番だった頃からの先輩です。作者が大好物な執事キャラです。

 井光が引退したので吟呼が火産霊の一ノ側仕になり、縷々が側仕筆頭を引き継ぎました。

 佐久夜に代わって神の務めを紅蓮が頑張っている時、井光は佐久夜の一ノ側仕として紅蓮を支えてくれました。

 もしかしたら一番長く身近で、紅→紅蓮→紅→紅優を知っている妖怪かもしれません。だからこそ、紅優は井光が怖くて、同じくらい頼りにもしています。

 紅蓮と佐久夜に対しては、井光も後悔があると思うので、今後は前以上に紅優と蒼愛を支えてくれるはず。

 井光が蒼愛に勉強を教えてあげると、風ノ宮に行く必要がなくなるので、志那津には恨まれることでしょう。

 元ネタは日本書紀に出てくる、後の吉野の:首部(おびと)の祖で「井光」という名の生き物。人間として描かれている割に尻尾があったり足が一本だったり、姿の描写が人間離れしているんですよね。山奥で生きていた狩猟民族はまだ縄文の風貌をしていただろうから、弥生系(渡来人の血が混じった)の神武天皇には稀有な生き物に映ったのかなと思う。

 大猫は、山で目撃される大きな猫の妖怪で井光ではないけど、紀州の山奥なんかでも発見されているので、それ繋がりで。



【火ノ神:佐久夜(さくや)

 本当はもっとヤンデレにしようと思っていましたが(元ネタの木花佐久夜姫も中々ヤベェキャラだしね)、過去のキャラが執着しすぎると紅優が時の回廊を出られなくなるので、ソコソコにしました。

 まぁまぁいい感じのキャラになってくれて良かったなと思います。

 綺麗に咲かせた花を燃やさないとメッセージが再生されない仕組みは、佐久夜っぽくて気に入っています。

 花を燃やそうって、普通は考えないし。仮に紅蓮が庵の花畑に気が付いても佐久夜が大事に育てた花を見付けたら、燃やさないよね……。

 気付いていて敢えてそういう仕組みにしたのか、天然なのか。どっちでもありそうな性格の佐久夜様なので、あえて明言はしませんが。今のところは読者の皆様のご想像にお任せします。



大蛇(おろち)の一族の長:八俣(やまた)(……?)】

 時の回廊で蒼愛が見た八俣っぽい男は、グレイがかった白く長い髪で赤い目をした大男です。不気味な笑みと不思議な引力で蒼愛を抱き寄せる感覚は、怖かったろうと思う。

 そんな奴に突然、心当たりなく求愛されたら、それはまぁ、怖いよね。防犯ブザー鳴らすよね。蒼愛の判断と月詠見の表現は正しい。

 蒼愛と紅優の会話の中で、八俣は一度も自分の名を自分から名乗ってはいません。

 八俣の容姿を知らない蒼愛と紅優が何故、一目見て相手を八俣と判断したのか。種明かしは次の章で。




【Special Thanks.伊吹(いぶき)保輔(やすすけ)

 蒼愛が理研で一緒だった仲間の一人。芯の名前を考えてあげたのは保輔です。

 蒼愛が大好きだった『四人の魔法使い』という本を書いたのも保輔です。

『四人の魔法使い』については、保輔サイドの執筆エピソードがあるんだけど、からくりで書く機会があるだろうか……。とりあえず「保輔一人で書いた訳じゃない」とだけ、書いておきます。

 伊吹保輔は、作者の別作品『仄暗い灯が迷子の二人を包むまで』(日本神話系現代ファンタジーBL)Ⅲ章から登場のキャラです。

 仄暗の中でも保輔は「物語は読むのも書くのも好き」というエピが出てきます。

 魂の色が見えるのは「直霊(なおひ)術」という特殊な霊能の使い手だからで、仄暗では肝になる設定です。

 蒼愛と会って話したらどうなるかなって思っていたけど、思った以上に蒼愛の方が成長してました。保輔はまだまだ成長過程。良かったら見守ってあげてください。

 同じ設定の同じ世界線で書いてるので、からくりと仄暗のクロスオーバー、いつか書きたい。




【次章の予告】

 次の章で、ついに蒼愛と紅優が大蛇の領土に踏み込みます。

 やっと、やっとです。

 大蛇の領土には何があるのか。

 幽世が何度も伝える大きな問題とは何なのか。

 淤加美の探し物は、本当は何なのか。

 伽耶乃は元に戻れるのか。

 蒼愛が最初に聞いた、時の回廊から聞こえてきた声の主の正体とは。

 時の回廊で会った八俣は本当に八俣なのか……。


 張った伏線を全部回収して終われるように頑張ります。……何話くらいかかるかな(笑)。

 忘れちゃってる伏線もあるんだけどね。そういうのが見つかったら、続編を書こう。

 からくり紅万華鏡、次が最終章です。

 蒼愛と紅優の絆、二人を取り巻く神々や妖怪たちの活躍をご堪能ください。

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