美しき神と嘘の見破り
この世界(天界のみ)の鳳凰はカラスぐらいのノリで居ます
「すまなかったね、蘿劉少し下界の視察に行っていたんだ。」
青島はとても爽やかに嘘がつける面の皮が極厚タイプだったので自分の事を待っていてくれた蘿劉にもサラッと嘘をついた。
「嘘吐け」
だが蘿劉は青島とほぼ同時期に生まれ、更に今までずっと一緒にいたので直に嘘はバレてしまった。
昔、蘿劉は青島がくれて保存の術を掛け飾っておいた大切な草冠が無くなったことが有ったがその時も青島が蘿劉に今までの感謝をと言って蘿劉の神殿で掃除をしていた時に誤って保存の術を割ってしまい。そのまま草冠が枯れ、そのまま別に大切なものでもないだろうと思い、草冠を自分の神殿の植物の肥料に変えて蘿劉には鳳凰が勝手に盗って行ってしまって取り返そうとしたが無理だった。と嘘をついた時があったのだ。
蘿劉は自分の大切な草冠を取って行った鳳凰に怒り狂い、物探しの神に頼んで草冠を探してもらったが、探した結果水晶に移されたのは自分の為に掃除をしてその後、蘿劉の為に苦手な鳳凰を追いかけてでも草冠を取り返そうとして泣きながら自分の神殿に帰って行った筈の青島が楽しそうに蘿劉の大切な大切な草冠を千切っては土に混ぜ込んでる姿だった。
その時から蘿劉は青島の言葉は本当の事だったとしても疑いまくった結果、瞬時に青島の嘘を見抜く力を身に着けたのだった。
しかしそんな事を露程も知らぬ青島は
「何で君には直に嘘がばれてしまうんだろうね?私のこの顔を見て信じない者は殆ど居ないと言うのに」
と後ろから後光が見えるほどの顔で言ってのけた。
それに対して今まで青島の後ろで静かに控えていた鎖緑玉は
「確かに青島様は美しいです。普段は黒曜石の様に黒く美しいのに光に透かすと翡翠の様な輝く髪の毛、春の菜の花の様に瑞々しい黄色の目、桃の様にふっくらとした桃色の唇、冬の湖の様に美しく透き通った肌、どれを取っても貴方様に敵う者は居ないでしょうが、がですよ!嘘をつくときは三割増し美しくなるのです。なので私も蘿劉様も嘘をついてるかどうかがわかるんですよ!残念でしたね!」
とまるで ドヤァ! とでも効果音の付きそうな顔で青島の顔面を褒めてくれた。
どうせならこの顔を良く見せてやろう。と青島が鎖緑玉に顔をずいっと近づけ、にじり寄る
「その辺にしてやれ」
あと少しで鼻がくっ付いてしまうという所で青島と鎖緑玉の顔の間に手が挟まれてしまった。
「ひどいじゃないか、私の顔をあんなに褒めるってことは私の顔が好きって事だろう?だから顔を良く見せてやろうとしただけじゃないか?」
「酷いのはどっちだよ、緑玉の顔見て見ろよコレならまだ電愚瑠の神殿に入っちまった鳳凰の顔の方がいくらかましだぞ」
紅蘿劉の言う通り鎖緑玉は歯をむき出して途轍もなく変な顔をしていた。
その後ろを見てみると先ほどの青島の極上の笑みを割と至近距離で浴びていた召使いの
少女たちが今笑いかけられたのは私たちだと言い争い侍女頭の蒼白礼に頭を叩かれ気絶して神殿の外に放り投げられていた。
「あーあー、お前も罪作りだな、あんなに召使いたちを誑し込んで何してぇんだよ」
紅蘿劉に呆れられた青島は再び極上の笑みを浮かべ
「この顔をした方が皆いう事を聞いて扱いやすいんだよ」
と言ってのけた。
その言葉に紅蘿劉俺には手におえないと手を挙げて鎖緑玉に目くばせした。
それを見た鎖緑玉は茶器を一式持って来て茶碗の片方を紅蘿劉に渡し
「お互い大変ですね」
「だな」
と二人で言葉を交わして一気に茶を酒の如く煽った。
両方と先に知り合っていた筈の青島は蚊帳の外であったが二人が疲れている一番の理由は自分、と理解していたので大人しく邪魔者は退散しようとゆっくりと神殿から出ようとした時、後ろから
「おい、テメェ逃げんなよ、サッサと仕事しろ」
「逃げないで仕事してもらっても宜しいでしょうか?青島様?」
と声を掛けられると同時に肩に手を置かれそのまま再び神殿の中に引きずられた。
「イヤだ!イヤだ!私が居なくたって皆で片付けられるだろう!?なのになんで何時も私にいつも仕事をさせるんだい!?こんなのだったら神じゃなく人間の方がマシだ!」
と無様に泣きながら連れて行かれたが、召使いたちは嗚呼、また何時もの茶番か。と無視をして私達は何も聞いてないし見ていないを貫き通した。
「お前、人望無いんだな…」
と蘿劉にまで同情される始末だった。
「悔しい、皆私が拾って育ててきた子たちなのに…誰に似たんだ。」
「ハイハイ、そんなこと言う前に仕事しますよ~」
「イヤだ、イヤだ!!!」