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第2話「山田美桜」

 山田美桜は中学2年生まで高身長ながらも太ってはなくて、スタイリッシュな容姿をしたモデルのような女の子だった。彼女はそれこそ小学校低学年の時から父親の影響を受けてギターを弾き続けているギタリストでもある。




 しかしバンドというバンドを組んだ事はこれまでになかった。



 その彼女が中学生になり、同級生でバンド活動に励む男子とクラスを共にする機会を持った。勿論、お互いにロックが趣味で身近にある生活。会話は弾むのは自然の理だと言えばそうである。そして感彼女がいつしか彼に恋慕うようになるのも自然だったのかもしれない。



 2人はいつしか男女の関係になったが、間もなくして彼が他の女子とも遊んでいることを耳に挟むようになる。学年が変わっても彼と交際している認識が彼女にはあったのだが、彼にはなかった。



 それは3年生の春、放課後に彼が教室に残っていると聞いて教室に向かう。



 そこで彼女は目にした。



 彼が自分と仲悪い女子と唇を重ねているのを――



 コレはそもそも彼女の心をへし折る為の工作であった事を後で知る。



 自分と仲が悪かった女子はその人脈を使って彼とキスしている教室まで美桜を呼び寄せる作戦を企てていたのだ。



 その女子はキーボディストとしての腕前を持っている女子でもあり、そのまま彼のバンドに参入したという。



 コレに激しく憤った美桜だったが、何もなす術はなかった。彼のバンドは卒業まえに教師陣を含め周囲からちやほやされだすようになる。美桜はギターを弾く事をやめて、学校にも半月近く行くのをやめた――



 しかし両親をはじめ、担任教師や味方になってくれる数少ない友人の励ましもあり、永年不登校は何とか避けられるように。しかし過食に過食を重ね、あっという間に周囲が驚く肥満体型となってしまった――



 高校は本人の意向で女子校に進学することとした。



 彼女が進刻高校に入学する頃になって憎たらしい例のカップルが別れたと聞く。なんでも彼のほうが別の女子に現を抜かしたとか。「ざまあみろ」と内心で思ったには思ったが、それで肥満となった彼女が痩せるワケでもない。



「もう一度、もう一度挑戦しようかな……」



 彼女は埃被ったギターに触れた。



 小冊子に書かれていた「軽音部 部員数 4名」の文字に心がどこか踊る。




 そしてその軽音部が活動する第2音楽室を訪ねると、全く自分が想像していた光景と違う光景が広がっていた。



 今はたった一人の部活動なのだろうか? でも一人の女子が入部を口にする。ここで自分が黙ってはいけないと思えた。



「わ、わ、私も入部希望しまっしゅ!」



 緊張のせいか声が裏返ってしまった。しかし彼女は何の後悔もなかったという。




 長髪のベーシストは3人をじっと見て溜息をつく。



「僕で終わらんのか。たいぎぃなぁ。ホントたいぎぃなぁ」

「僕?」

「そこに反応する? いや、そこがどうこうじゃなくてさ、この4月でこの部は廃部になるの。そういうことを書いてなかった?」

「部員数4名って書いてあったけど……」

「それは先輩が卒業するまでの部員数。いまはもう廃部寸前の廃墟や。分かった? 気持ちは嬉しいけど、僕はもうやる気もでないのよ?」

「でも、今ベースを弾いていたじゃないですか?」

「これは僕の趣味よ? これは辞めたりせんわい」

「じゃあ部活もやめなくていいじゃないですか!」

「え?」



 美桜が僕と名乗る女子の手をぎゅっととる。



「ここにいる3人が入部したら、また4人ですよ! 先輩!」



 唯は隣にいる律の目をみた。やはりというべきか彼女も目を輝かせていた。



「私はやろうと思うけど? 律はどうする?」

「面白そう! ウンタン、やってみるよ!」




 のちに世間を揺るがす「歌ウ蟲ケラ」の面々はこうして出会った。



 アズニャンこと伊藤梓を除くメンバー3人はその時を回顧して同じようにこう話している。「この面子ならきっと何かできてしまえそうだと感じた」と――



∀・)ここまで読んで頂き誠にありがとうございます♪本日の更新はここまで♪これより基本的に毎週土曜日23時更新~でやっていきたいと思います♪♪♪個人的には結構楽しんで書いていけそうな感触があります(笑)また来週(笑)

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― 新着の感想 ―
[良い点] けいおんのオマージュネタを含めつつ、 作者様の独自性がところどころで合間見られますね。 >たいぎぃ 広島弁で疲れた、面倒くさいですよね? 久しぶりにこの言葉を聞いた。 それはさておき、…
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