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第23話「ベイビースターダストⅠ」

挿絵(By みてみん)


201Ⅹ年7月3日、北海道で巨大なフェスが開催された。



 発起人は人気ロックバンドRYUーSAYのリュウヤと人気アイドルグループRiser☆sの壱星と噂されたが、本人らはそれを否定している。しかしそのフェスの反響は大きくて万人動員の複数会場イベントは瞬く間にチケット完売となった。運営も大手アイドル事務所から巨大音楽レーベルまで参入。



 しかしそのフェスが話題を掻っ攫うのは大きく言って1つの特徴があったからだ。3会場で設けられたそのフェスに出演するアーティストはテレビにでてくるようなアイドルは勿論、巷で売れているロックバンドもヒップホップ系の歌手も混在する形で組まれている。



 もっとも、3会場あるうちの2会場は巨大なステージだが、片方がアイドルを主体としたステージなのに対してもう片方はロックバンドなどのアーティストの出演を主体としている。



 ただそれもやや炎上を招く仕様が当時は為されていた。アイドルの出演が主体となっている「SUN HALL」の出演に佐藤美空の登場が組まれた。本人は特に何も言ってなかったが、元来の佐藤美空はシンガーソングライターであり、ロックバンドを含む自ら楽曲製作をしているアーティストが多く登場している「EARTH HALL」での出演が望ましいと意見するファンがSNSに溢れかえったのだ。



 さらに話題はこれだけに留まらない。「MOON HALL」という約300人規模の会場は「無名のアーティストにチャンスを与える」と謳って出演者募集をしておきながら、メジャーアーティストが何組も出演する事になってしまった。ヴィベックスからも3組の新人アーティストを輩出している。



「その抜け穴で俺らかい」

「文句を言っちゃいけないよ? これがいいキッカケになるかもしれないし」

「緑の妃もでてくるのねって話したらアズニャンは怒る?」

「別に。もう昔話や」

「ミヲタはさっきからスマホで何をしているの?」

「いやぁ~ちょっとビジネスを始めてね。ずっと更新しているの」

「ビジネス? 投資とかやめてよ? ただでさえ私ら貧乏なのに」

「いやいや、楽曲製作の受注よ。1曲20万で受けるって書いたけど、誰も発注してくれなくて」

「当たり前やろ(笑)高すぎるわ(笑)」

「でも、私らってメジャーアーティストだよね? そう思わない?」

「あ、そっか」



 唯の言葉に全員がハッとする。全国を周っていけたのも、その多くを出資してくれたヴィベックスがあったからこそ。ただ彼女達はそうだと実感する時がこれまでになかったのだ。そうこの日までは――




 来たる7月3日、その巨大会場各地はやはり大盛況に包まれた。



 テレビ中継が結ばれた「SUN HALL」の1発目はここにきて人気をかき集めているジストペリド。如月湊と葉月陽翔の元気な歌声と爽やかな挨拶がそのオープニングを飾った。そのまま本フェスで話題になってしまった佐藤美空から発起人疑惑が持ちかけられたRISER☆Sの壱星が何故かソロで登場する。



 その会場に途中までアイドル好きの美桜が観客席に入っていた。



 サンホールに負けないぐらいの大観衆に包まれた「EARTH HALL」の1発目はヴィベックスとの絡みでこのフェスの辞退をも囁かれていたLAST BULLETS。続いて世間を賑わせているBLACK ROSESが登場し、会場のボルテージは最高潮に達した。そしてRYUーSAYが演奏のみで登場した。



 この会場の大トリはあのBenzaiだ。



「最後までおりたかったけどなぁ」



 梓はそう呟いて会場をあとにする。



 盛況が心配されたMOON HALLの方もずっと満席が続く。特に所属芸能事務所との確執と独立が話題となった美咲は彼女のトレードマークである洋服を着たままの演歌を披露し、会場中の観客を感動させた。



 しかしこのフェス。誰も楽屋を使おうとしていなかった。多くのアーティストたちが車のなかで待機するなどしていたのだ。



「ももこさん、戻ってください!」

「ふざけんじゃないよぉ! 誰が扇風機1つついているだけの楽屋で過ごせって言うのぉ!」

「お願いします! 出番まであと少しですから!」



 その模様を目撃した人が多くいるという。



「あの」

「あ?」

「サイン貰っていいですか?」

「ふざけんじゃねぇ! どこのデブだ! お前!」

「噂に聞くままの御方ですね! またの機会に!」



 この瞬間が綺羅めくると歌ウ蟲ケラのミオタニアンの出会いだった。



 美桜はそのアイドル愛好家としての活動を続けており、人気アイドル絶頂だと謳われる綺羅めくるを愛してやまなかったが、それゆえに彼女の裏の顏すら把握していて驚かなかったという――



 4人が会場裏で揃ってもまだ時間があった。



「しかしまぁ楽屋が用意されているのに誰も楽屋を使わないなんて」

「怒っている演者さんが多いみたいね」

「せっかく色んなアーティストさんと交流できると思ったのになぁ」

「でも楽屋がエアコン完備されていたとして、交流なんてするか?」

「えっ? そりゃあそうなのじゃないの?」

「今の時代は誰もが心を閉ざす時代だよ? それがありありと見えない?」

「なんかユイマールは詩人やな」



 そこで諸伏が声をだす。



「そろそろ待機の番ですよ!」



 梓が「お~緊張するね! そや! こないだのライブでやったアレするか?」とメンバーに提案する。すぐに全員が頷いた。



 歌ウ蟲ケラは円陣を組んで掛け声をだしあった。



「「「「気合いだ! 気合いだ! 気合いだあああぁぁああぁあ!!」」」」



 そして歌ウ蟲ケラの出番となった――



∀・)歌手になろうフェスXデー2日目の投稿です♪♪♪本日はなんと3回の更新が為される3時間SPとなっております♪♪♪1時間後の更新をお楽しみに☆☆☆彡

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― 新着の感想 ―
[良い点] Σ(゜∀゜ノ)ノ きゃーーー!! 早速登場させていただきありがとうございます! _φ(・_・ふむふむ。 初回のこのネタいただきますね! めちゃくちゃリンクさせられそうです! [一言]…
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