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幕間

 気が付くと自分の部屋のベッドの上だった。昨日、とんでもない量の睡眠薬を飲んだはずなのに身体はなんともない。むしろぐっすり眠れたせいか、今までにないぐらい身体が軽い。

 カーテンの外が明るくなっていることに気が付き、枕もとの携帯に手を伸ばす。とっくに寝過ごしていた事と、おびただしい会社からの着信に慌てて跳ね起きた。

 スーツだけ身に着け顔を洗っただけで家を飛び出す。もちろん化粧する余裕もないし、寝ぐせもそのままだ。


 タイムカードを押すのもそこそこに出社。

 私に気づいた課長が凄い勢いで怒鳴ってきた。


「重役出勤とはいい度胸じゃないか!お前がしでかしたことで、昨日は大変だったんだぞ」


「はい!本当に申し訳ないです!まずはご迷惑をおかけしたお客様にお詫びの連絡をします!!」


「ああ、それは必要ないぞ。きのうあの人が各方面に手配して飛行機の出発までに全員に甘茶を提供できたから。予定が狂ったお詫びだって珍しい手土産も渡していたから客にかえって喜ばれたよ」


 びっくりした。本当に先輩なんとかしちゃったんだ。てっきり泣きじゃくる私を慰めるために気休め言ってるだけだと思っていたのに。


「甘茶ってそんなに簡単に用意できるものなんですか?」


 小馬鹿にしたようにこちらを見る課長。


「そんな訳ないだろ。スーパーに売っているのを見たことあんのかよ。あの人はああ見えてこの業界長くてな。色んなところに熱狂的な崇拝者がいるんだよ。大手の土産屋の専務とか、バス会社のボンボン社長とか。それを知っていたから、前の会社を定年退職したあの人を引き抜いたんだ。こんなロートルは引退したほうがいいんじゃないか、って渋っていたのを無理やりな」


 昨日、死を考えていたほどの失敗がとっくに決着がついた後だと知り茫然とした。


「その……今まですまなかったな。あの人に怒られたよ。新人をフォローするのは我々年長者の義務です!君は今まで1度も仕事で他人に迷惑をかけたり、尻拭いをしてもらったことがないんですか!って。今回の事も彼女からの質問を聞く君の態度が悪かったのが問題なんです!仕事はチームワークで行うものです。そのためにはお互いを尊重しあう気持ちが大事なんです!!ってとにかく説教が止まらなくてな」


 いつも自信満々の課長を叱りつける先輩……全く想像が出来ない。


「……でも……この年で怒ってもらえるのはありがたいな。言われないと自分ではなかなか気づけないからな……」


 自嘲する課長。私にはいたずらを怒られて反省しているガキ大将に見えた。


 課長と先輩の知らなかった裏の顔を知ってしまった。落ち着かない気持ちのまま自分のデスクに行くと、その上に一通の封筒が置いてあった。


 封を開けると達筆な先輩の筆跡で文章が綴られていた。


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