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飛べない言葉。

作者: 泉末広
掲載日:2019/11/28

胸を満たす重い廃棄物。

受け皿は一杯で、崩れ落ちそうに軋んでいる。

何処か、棄てる場所はないですか。

誰か、棄てる方法知りませんか。

何故か、棄てることはできないような気がする。

誰か、棄てる方法を知りませんか。

ギシギシと床は鳴る。

足の底を引っ掻いて、ここに来るなと鳴いている。

ギギギと体が啼いている。

骨の隧道で反響させて、ここを出ろと啼いている。

しどろもどろの泣き言は、嘘偽りの戯言になるようだ。

だから、できないって言ってるのに。

だから、分からないって言ってるのに。

だから、助けてって言いたいのに。

飛べない言葉は、永遠に黒ずくめのノートに張り付いたまま。

救いの看板を掲げる者さえ、振り向くことはない。

赦しの看板を掲げる者さえ、寄り添うことはない。

存在しない。

存在してない。

言葉が喜びを目の前に存在させる。

悲しみを、苦しみを、虚しさを、悦びを存在させる。

言葉の取引で個の存在が証明される。

だから、できないって言ってるつもりなのに。

だから、分からないって言ってるつもりなのに。

だから、助けてって言ってるつもりなのに。

飛べない言葉は、白いノートには記されない。

しどろもどろの命乞いでは、存在の証明は認められない。




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