~アイスマンはバットを買ってみる、の巻~
まだまだ暑いですね(´@ω@`;)
コタツから手を伸ばすと、机の上にチラシの感覚がありますね。
アイスマンは祖母の家に居候する、大きくなってもおばあちゃん子です。
当然、祖母がとっている新聞のチラシです。
『今日は豚肉が安いのか・・・』
アイスマンは自称食通です。おいしそうな食材には目を奪われます、もちろん安月給ですからコストパフォーマンスが命ですが・・・。
『ん?優勝セール!?』
もう一枚のチラシはスポーツ店のものでした。どうやらどこかのプロ野球チームが優勝したそうです。プロ野球など当時は興味がないアイスマンでしたが、バットの安売りには目を輝かせました。
『マイ・バット・欲しい!!』
早速お出かけします。るんるん~♪
優勝セールとは名ばかりで、在庫処分一掃セールなんですが、当時のアイスマンにはわかるはずもありません。
『カッコエエ!!』
アイスマンこと、私が手に取ったバットは銀色に光り青色の文字に彩られたバットでした。材質は超々ジュラルミン、戦闘魔動機の材料ですね・・・いらない知識はありますね、自虐妄想にとらわれながら値札を見ます、
『特価!銀貨185枚!』
何が特価なのかわかりませんでしたが、気に入りました。なんだか打てそうなバットです。
「ん?これは何です?」
気になって店員さんに尋ねたバットは木製でした。
「あ、昔の有名選手のバットをモチーフにしております、在庫は現品限りとなります」
最後の一本かぁ・・・少し悩みましたが、銀貨70枚ということなので、これも買ってみました。
「木製は湿気に弱いので気を付けてくださいね」
へ?結構取り扱いが難しいバットなのですね・・・大丈夫かな?
帰路につくと、市場から帰ってきた祖母とバッタリあいました。
「なにそれ?」
おばあちゃんは木のバットに興味津々です。なんだか有名選手のモデルのバットらしいと告げると、
「それは、大事にとっときなさい」
『へ?』っと、思いましたが、おばあちゃん曰く、
「むかし有名だった選手のバットだね、知らんかね?」
祖母はちいさいころ、今は亡くなった曽祖父によく野球場に連れていかれたそうです。なんだかハイカラな趣味の曽祖父だったのですね・・・。
「ほれ・・・どうせお金ないのじゃろう?」
祖母は代金の銀貨70枚を私にくれると、買ってきた豚肉や野菜をテーブルに並べました。今晩はご馳走のようです、はい。
代金をもらったからには、木製バットは飾っとかないと、おばあちゃんに悪いです。なんだか気になったので、ホッパーさんに聞いてみましょう。
ホッパーさんは電話に出るなり、
「ああ、とても有名な選手だね・・・」
ホッパーさんは、『そんなことも知らないの?』といわんばかりの口調で説明してくれました。
どうやら銀色のバットは『ミドルバランス』という分類だそうで、木製の方のバットはとても沢山のヒットを打った方のバットで『カウンターバランス』という分類だそうです。
「あ~、・・・」
ホッパーさんに木製バットが使えない旨を話すと、安いはずだから、金属製の『カウンターバランス』のバットを買ってみては?と提案されました。
電話をおいて暫し考えましたが、『やすいはず』と言われたので、もう一回スポーツ店を訪ねることにしました。
「え?これですか?打ってもあんまり飛びませんよ?」
店員さんは、軟式野球では『カウンターバランス』は人気がないことを説明してくれました。しかしながら、ホッパーさんのおすすめなので買うことにします。お代は銀貨70枚と安いですね。
家に帰ると、おばあちゃんが
「そっちの方がアイスマンには似合うよ!」
んー、おばあちゃんは『カウンターバランス』推しですね。資本を出してくれた人の意見は大切にしないといけませんね。
アイスマンはその晩、気に入った『ミドルバランス』のバットと、あまり打球が飛ばないらしいけど祖母の推しである『カウンターバランス』のバットを買ったことを忘れ、おばあちゃんのお料理に舌鼓を打った後、ぐっすりといい気分で眠りにつきました。
読んでくださる方がいらっしゃるらしく感謝感激です><。
ありがとうございます。。。orz