おい、なんで未経験者なのに1番バッターなんだ?
うぅぅ・・・出来たら毎日投稿したいです><。
上級学校にいたるまで、アイスマンはずっと【運動部】に所属したことがありませんでした。そのため野球をするという発想自体が実はアイスマンの頭にはありませんでした。
ある休日、アイスマンは食料の買い出しに市場まで来ていました。
「む?」
変なものを踏んだ感触があります。
『やばい!犬の落とし物か?』
ヒヤリとしながら、足元を見ると単なる紙屑でした。
『よかった~』
神様に感謝しながら紙屑を拾い、広げてみてみると、
【軟式野球チームメンバー募集!スタメン確実!】
と、書いてありました。
アイスマンは父親とキャッチボールくらいしかしたことはありませんでしたが、
『物は試しだな』
と思い、当時は恐ろしく通信料の高い携帯電話で問い合わせてみると、
「本当ですよ!今ならお好きな打順を選べますよ!ただ条件が・・・」
ほうほう・・・本当なのだと確信を持った理由が条件に出された銀貨60枚という高額な初年度年会費でした。
あまり野球に詳しくないアイスマンでしたが、上級学校の野球部員の多くが3年間ずっと試合に出られないという現実は知っていました。
「うーむ」
確実にライパチ君、つまるところ下手なので守備位置はライトで打順は8番目、くらいは覚悟していたのですが、本当なら意外といい条件かもしれません。ただ、安月給のアイスマンにとって銀貨60枚はかなりの金額なのもまた事実でした。
『騙されても、まぁ仕方ないか・・・』
ある種の開き直りとともに約束の日時に駅馬車をのりついで、指定された喫茶店に行きました。
「お待ちしておりました。どうぞ・・・」
椅子をすすめられ着席した後、
「軟式野球チームの【グリーンズ】の代表兼監督のホッパーと申します」
意外なほど丁寧で、あきらかに体育系ではなく事務系といった感じの30代半ばの方でした。わたくしことアイスマンは若干21歳でして、なんだか心細いです。
「ほうほう・・・」
一番気になっていた銀貨60枚の内訳は、25枚がユニフォーム代など、5枚が連盟登録料、30枚が年間運営費に充てられるそうです。去年の内訳をみせてもらうと確かに妥当な費用でした。
ただ、連盟とは何ぞや?とたずねると、どうも半分公的な機関らしく、一番大変なグランド手配の他、対戦相手の確保、審判の確保、1か月以上前から予定がわかるなどメリットは大きいそうです。ちなみにグリーンズは一番下位のC級リーグ所属だそうです。
「あ、一つだけ準備してほしいものが・・・」
「なんでしょう?」
「えっと、スパイクってわかります?」
どうやら色々な道具は貸し出せるそうですが、スパイクだけはサイズがあるので用意してほしいそうです。
「どんなやつがいいのですか?」
と尋ねると、
「黒色だったらなんでも結構です」
なんだか連盟に参加するとなるとユニフォームのマークの大きさから、スパイクの色にいたるまで規定があるそうです。
「あと、すみませんが未経験者ということですので守備位置はライトになりますが、打順や背番号のご希望はありますか?」
・・・少し考え、
「背番号は6番、打順は1番で・・・」
当然、お金を払うのだから強気勝負です!・・・が、
「わかりました」
「はい?」
あまりにもアッサリ承諾されたので疑問に思ったことを伝えると、
「銀貨35枚を払ってくださる方6名の正会員で運営費用を全部賄いますので・・・」
どうもなんだか選手というよりスポンサーって感じですね、凄く納得です。希望は入金の早いもの順だそうです。
簡易の契約書にサインをして、銀貨60枚を収めると用意していたとおもわれる領収書まで頂きました。
「すいませんが、ちょっとついてきてください」
「はぁ・・・」
気のない返事をしてしまったなと反省しつつ、喫茶店を出てついていくと周囲は高級住宅地が続きます、
「えっと次から指定の時間にここまで来てください。あとはこちらで送迎しますので」
「はぁ・・・」
また気のない返事をしてしまいながら頷くと、
「では、駅までおくりますね」
といわれ、
「お構いなく」
と返事をします。おくってもらうと地理を覚えないからです。あとあんまり年上の人におくってもらうのも気が引けます。
「では、気をつけて帰ってくださいね」
と、ホッパーさんは目の前の家に入っていきました。
「ぶっ…家デカ!」
さすが高級住宅地の一軒家といってしまえばそこまでですが、
「ぶっ…駅近!」
3分も歩かないうちに左手に駅が見えました。
どうもホッパーさんは資産家のようですね・・・。
帰りの駅馬車で脳裏にあるのは高いであろう地価と大きい家の資産価値で、野球のことなどすっかり頭にないアイスマンでした。
自分が若いころの昔と違って、今のサッカー日本代表はめちゃくちゃ上手ですね。
ちょっと感動!