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<R15> 15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

超短編<蹶起(けっき)>

作者:はつ
 並び行くその隊列は、無数の幽鬼の群れのようだった。
 教会の腐敗、領主の搾取、上げればきりのない様々な要因が、幽鬼の群れを突き動かす原動力であると言えばわかるかもしれない。

 その面々は、土気色の肌を、灰色や黒色の煤で汚れた顔面に、二つの白い眼がギラギラと浮かび恩讐の炎を瞳にたたえている。
 その集団の中心には、黒衣の騎士がいた。
 黒衣の騎士は、幽鬼の群れをべる王の如く風格を醸し出し、静かに、そして厳かに語り出した。

「教会を焼け、城を焼け、町を焼け、都市を焼け。搾取するだけ搾取する、糞ったれシャイセどもを突き殺せ。」

 黒衣の騎士は、伸びきった無精ひげを風になでさせながら、自身を囲む幽鬼の群れと燃え盛る大きな松明と(たいまつ)と化した都市を視界に収めながら訥々と語る。

 手にするのは幅広で長さ80センチメートルほどの大剣。
 大剣には、誰の物とも知れない真新しい深紅の血液が付着し、滴り落ちるそれが比較的新しいものであると告げていた。
 黒衣の騎士の足元には、すでに人の形を成していない・・・・・・・・・・肉塊が、鴉や小蠅に食い散らかされ始めている。
 スッと、騎士は大剣を持つ手を上空高くへと向けて上げ、口を開いた。

「そうだ、神なんていない…………
 苦しむ我らが懇願し、泣き叫び、糞尿を血と一緒に垂れ流した時も、神は救い給わなかった。
 神よと救いを求めた女子供を犯し、殺した夜盗どもに慈悲のある天罰を向けてくださらなかった。
 神の御心のためだと搾取し、その全てを賄賂につぎ込んだ神官どもに天罰を加えてくださらなかった。
 今、この状況を見ろ。神が殺さなかった領主を、今、この俺が殺した。
 町を、都市を、城さえも焼こうとしているではないか。」

 騎士が頭上に掲げた剣を、勢いよく足元に転がる肉塊へ突き刺すと、肉塊に群がる小蠅や鴉が一斉に飛び立ち、騎士の眼前に黒いカーテンを作り出す。

「これは、復讐なんてものじゃない。
 そうだ、これは我らの窮状きゅうじょうを、世に生きる全ての者に告げるための大きな狼煙のろしだ。」

 黒衣の騎士の金色に輝く瞳の奥には、はっきりと、そして確実に炎が灯されている。
 その炎は、都市を焼き尽くす業火となりうるのであろうか。それとも、その業火を持て余し、その身さえも灰と朽ち果てるのか。
 現時点では、誰にもわからない。

「諸君、槍を構えよ。構えたまま前進せよ。
 立ちふさがる者は突き殺せ。
 我らとともにせんとする者にはパンを与えよ。たがわんとする者には血を以て応待せよ。
 前進フォーヴェルツ前進フォーヴェルツだ!」

「「「喊声フラー万歳ハイル万歳ハイル
 我らと共にする者にはパンを!違わんとする者には血を!」」」

 黒衣の騎士が口を閉じ、きびすを返すと幽鬼の群れから上がる声が大きくなる。

 すでに、復讐という名の矢は放たれた。
 後は堕ちる・・・まで、目標に向かって飛翔するのみ。
 神よ照覧在れキューリエライス
どんなもんだったでしょうか。
こんな雰囲気が作者は好きなのですが…………
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