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844話 思わぬ新大陸解放にゾンビ化する運営の場合


「ああぁぁ……」

「あああぁぁぁ……」

「うあああああああぁぁぁぁ!」

「おおおあぁぁぁぁぁ!」


「……ダメだ。ゾンビの真似事をしていても、事態は変わらん」

「……いっそゾンビになりたいっす」

「ゾンビはいいよなぁ。会社も仕事もないもんなぁ」

「きっと残業もないっす」


「でも俺たちは残業だ! 細かい調整とか、新大陸のムービー公開とか、色々あり過ぎる……」

「……今日、視たいアニメあったんすけど」

「後で配信で見りゃいいじゃんか」

「リアタイするのが真のファンというものでしょうが!」


「はいはい。早く帰るためにも、調整を頑張ろうな?」

「憐れみの目! 絶対に帰れないって確信してるじゃないっすか!」

「というか、ログアウトして会社で見ればいいだろ」

「これも全部、白銀さんが白銀さんしてるせいっす! もうちょっとゆっくりとゲームを楽しんでもいいんじゃないっすかね? 主任もそう思うっすよね! ね?」


「……うるせぇ」

「力がないうるせぇっすね」

「だって、新大陸見つかっちゃったんだぞ? しかも、予想してなかった方! 早過ぎるぅぅぅぅぅぅぅ!」

「まさか、浮遊大陸が先とは思わなかったっすねぇ」


「絶対に白の大陸が先だと思ってたんだ。白銀さんが船の建造までこぎつけちゃってたし。もう覚悟決めてたんだ」

「早耳猫も一枚噛んで、もう完成待ったなしだったっすもんねぇ」

「北は複数のプレイヤーやクランで協力できるから、白銀さんの人脈ならどうにかなっちまうのは分かってたが……」

「少人数でも、時間をかければいずれ突破可能にしてましたしね」


「だが、南はなぁ……。白銀さんが天望樹をウロチョロしてるって聞いた時から、嫌な予感してたんだよなぁ」

「でも、ボスを突破するとは思わないじゃないっすか」

「白銀さんのレベルじゃ、奇跡5回くらい起きなきゃ勝てないボスのはずだったんだがな」

「なんかレベル爆上がりして、エリートテイマーになってましたねぇ」


「それだって、適正レベルではないんだけどな……」

「でも、実際突破されちゃったっす。氷獄熊に続いて、2ヶ所目っすよ?」

「あーもピンポイントに、アイテムとスキルをゲットされちゃったらなぁ」

「チェーンクエスト攻略からの、天望樹の実のジュース飲んで、緑の達人ゲットって……」


「どうしたらここまでピンポイントに、攻略を楽にするアイテムとスキルを手に入れられんだ? 白銀さんを拝むやつらの気持ちがちょっと分かったぜ」

「緑の達人とか、天望樹専用スキルって感じじゃないっすか? 現状、あそこ以上に効果を発揮する場所ないですし」

「まあ、現環境だと今後は普通の強化スキルくらいで落ち着くから、あまり気にせずとも済みそうか?」

「そうだといいっすね?」


「まあ、その時が来るまでは気にせずにおこう」

「後回しっす」

「……い、一度、緑の達人をしっかり調整し直しとこうかな」

「それがいいっす」


「はぁ……。浮遊大陸でどんなやらかしをするか、想像するだけで胃がっ!」

「最後の種子発着場の使用条件、もっと厳しくすればよかったんじゃないっすか? NPCからの好感度と貢献度、精霊系の神精ポイントの合算でしたっけ?」

「それやったら、白銀さん以外に条件クリアできるプレイヤーいなくなるだろ。現状でも、50人いないのに」

「その人たちもほとんど生産職ですもんね」


「生産職の方が、NPC好感度稼ぎやすいから仕方がない。神精ポイントも神棚とか設置すれば稼げるし」

「白銀さんは生産職じゃないっすけどね」

「……そう言えばそうだったな。でもあの人、生産系のexスキルゲットしたんだけど? しかも2つも」

「ヤバいっす」


「白銀さんだからなぁ」

「香辛料栽培exと花木栽培exっす。白銀さんの畑には大量にあるっす」

「絶対何かあるよなぁ!」

「ないわけないっす」


「白銀さんに、東と西まで攻略されちまうようなことないよな……?」

「主任! フラグっす! 言葉に出しちゃいけないっすよ!」

「す、すまねぇ」

「でも真面目な話、東はマズいかもしれないっす」


「東は、溶岩地帯を攻略した後、そこから先に進むためのドワーフ特製溶岩船への乗船許可証、だったな?」

「はい。ドワーフの長老衆に生産物を認めてもらうか、長老衆がランダムに指定した素材を複数採取してくるかで、許可証がもらえますね」

「白銀さんなら普通に生産物を気に入られそうだ」

「というか、exスキルで育てた素材類だけでも認められる可能性あるっす。希少性とかも加味されるはずなんで……」


「逆に、西は白銀さんが突破するのはしばらく無理そうか?」

「あっちは、単純な戦闘力が重要っすから。ウェーブバトルからのボス戦っすよ」

「戦闘職用の試練だからな」

「テイマーは戦闘職っす」


「そうだったな。まあ、救済アイテムの存在はもうバレちまってるし、白銀さんなら見つけちゃいそうな気もするがな」

「うわー、絶対あり得るっす」

「もう発見されちまった永久氷河と天望樹の実は仕方ないとして、まだ見つかってない東と西の救済アイテム少しナーフ必要か?」

「……それすると突破者が減って、北と南の新大陸にプレイヤーが偏ることになるんじゃないっすかね?」


「そうだよなぁ。バランス崩れるよなぁ」

「っす」

「というか白銀さん、地味に従魔自由度上昇手に入れたんだよなぁ!」

「……せっかく話題にしないようにしてたのに!」


「あれって、上昇率どんなもんだった?」

「まあ、あまり自由度上げていないプレイヤーさんが、実感できる程度には?」

「白銀さんの場合?」

「自由×自由は無限大的な?」


「ああああああああ! 自由度周りの細かい調整無駄になったなぁ! 一足飛びに超自由になっちゃったし!」

「来年の今頃くらいに到達する人が何人かいるかもくらいの自由度に……!」

「白銀さんちのモンスの自由度が上がれば上がるほど、生産関係でやらかしが……!」

「ですねぇ」


「あと自由度上昇効果があるのって、なんだったっけ?」

「えーっと、ランダムスクロールでそれ系のスキルを入手するか、施設やオブジェクトで自由度上昇効果のあるものを設置するか……ですかね? まあ、入手難易度メチャクチャ高いっすけど」

「何度そう見積もって、覆されてきたか!」

「主任! またフラグっす!」


少々体調不良なので、次回は6/27更新とさせてください。

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― 新着の感想 ―
笑いすぎて涙出ましたw
無限大な自由の後のやるせない世の中じゃ そうさねこみみ
人生において ゲーム運営に対してこれ程に同情し憐れんだことがあるだろうか いや ないww 運営に苦情や罵声を浴びせたことは多々あるけど… 心からの愛情と声援を贈ります 南無…w
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