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76話 養蜂箱設置

 タゴサックに植物知識の情報を教えてハーブ祭りから解放された気になっていたけど、今日は無理だった。


 そりゃあ1日じゃ無理だよな。なので今日も雑草をハーブティーの茶葉にして、無人販売所に補充したのだった。


 女性客の大半は、買った後に何故か畑をじっと見ている。もしかしてハーブの情報を調べようとしているのかと思ったが、妙に笑顔なんだよな。まあ、害はないしいいけど。


 というか、雑草を錬金で乾燥させる方法も広めないと、この騒ぎは収まらないんじゃないか? うーん、この話もタゴサックに教えちゃおうかな? で、掲示板に載せてもらっちゃおう。


 だって、第3エリアの町に向かいたいのに、ここで毎日ハーブティーを売らなきゃならないんじゃ、その時間も取れんし。


 いや、ハーブティーの茶葉を販売する義務なんかないけど、今の状態で急に止めたら、何言われるか分からないからね。きっと分かってくれる人も多いだろうけど、怒る奴もいるだろう。そういう奴に限って声が大きいんだよな。


 なので、現状では第3エリアに向かえないのだ。いや、自分で掲示板に書き込めばいいんだけどさ。正直、よくわからないし。


 という事で、俺はタゴサックに相談してみた。すると、掲示板に直ぐに載せると快諾してくれたのだった。アシハナも掲示板に書き込んでくれるらしい。


 これでファーマーの間にハーブティーの茶葉の製法が広まれば、あっと言う間に騒ぎも沈静化するだろう。


「あと数日もすれば、何とかなるだろ」


 その間に常設依頼をこなしまくって、従魔ギルドのランクを上げてしまうのだ。第3エリアの常設依頼は、俺たちにこなせるレベルか分からんしね。


「とりあえず、養蜂箱を設置しますか」

「クックマ!」


 クママが踏み台を抱えたまま、えっちらおっちら俺の後を付いてくる。どこに設置するか。畑に置けばいいのか?


「なあ、クママ。養蜂箱を設置するのに一番良いところって、どこか分かるか?」

「クマッ!」


 こういうのは、スキルを持った専門家に聞いてみるべきだよな。

 

 クママが大きく頷いて、俺の前に立って歩き出す。やはり良い場所悪い場所があるみたいだった。


 クママにとってはそこそこ大きな踏み台を抱えているため、あまり速く歩けない。一歩踏み出すごとに短い尻尾の付いたお尻がプリプリと左右に振られ、めちゃんこ可愛かった。


 クママが選んだ場所は、最近果樹園と呼んでいる、緑桃や胡桃、水臨樹の木が生える一角だ。その中央の空いている場所に、養蜂箱を置くように俺を見返してくる。


「ここか?」

「クックマッ!」


 俺はクママに指示された場所に、養蜂箱を設置した。すると、箱が軽く輝き、ウィンドウが浮かび上がる。


 それは管理者を指定する画面だった。選べるのは俺か、クママだけだな。まあ、ここはクママ一択だけど。


「じゃあ、クママを責任者にっと――」


 クママを選ぶと早速養蜂箱に変化があった。


「む? 蜂か?」


 小さい蜂が数匹、箱の周りを飛び回り始めたのだ。これが増えて、最終的には巣を作るってことか? それは良いんだけど、刺さないよな? まあ、変に刺激するのは止めておこう。逃げちゃったりしても嫌だし。


 蜂が飛んで行ったのは、緑桃の木の方だ。もしかして、花の蜜を採りに行ったのか? だとすると、確かに果樹園は緑桃や胡桃の花があるし、良い蜜が取れるかもな。


 リアルみたいに味が変わったりはしないと思うけど、どんなハチミツが取れるのか楽しみだ。


「じゃあ、頼むぞクママ」

「クーマー」


 腕を上げてやる気のクママに養蜂箱を任せて、俺は一旦出かけることにした。


「第3エリアを目指すなら、装備を整えないといけないからな」


 ハーブティーを売ったお金で、色々と買い揃えよう。杖は良い物だが、ローブやアクセサリ類はそろそろ変えても良い頃だ。腕力、体力もちょっとだけ上昇して、装備できる物も増えたしね。


 実は今の所持金は10万を超えている。これなら相当良い装備が入手できるはずだ。


 因みに、現段階の装備はこんな感じだ。総重量は6。腕力と体力の合計が9なので、あと3は余裕がある計算だ。


名称:水樹の杖

レア度:3 品質:★6 耐久:130

効果:攻撃力+3、魔法力+21、水系魔術消費軽減・小、火系魔術消費上昇・中

重量:1


名称:アズライトのローブ

レア度:2 品質:★4 耐久:100

効果:防御力+9、水耐性(小)

装備条件:腕力2以上

重量:1


名称:硬革の靴

レア度:1 品質:★4 耐久:120

効果:防御力+5、毒耐性(小) 

装備条件:体力3以上

重量:1


名称:ブロンズネックレス

レア度:1 品質:★2 耐久:100

効果:防御力+1

重量:1


名称:獣使いの腕輪

レア度:3 品質:★8 耐久:100

効果:防御力+1、従魔術、使役にボーナス

重量:1


名称:ドッグシャツ

レア度:2 品質:★4 耐久:150

効果:防御力+5

装備条件:体力2以上

重量:1


 まだリックと遊んでいたアシハナに声をかける。


「俺は出かけるけど、まだ遊んでいくか?」

「どこ行くの?」

「装備を少し整えようと思ってな」

「へえー。じゃあ、杖とかも買う?」

「いや、杖はこれがあるからな。一番欲しいのはローブ、次いでアクセサリだな」

「なるほど……。ねえ、この杖、強化できるよ?」

「強化?」

「うん」


 アシハナが杖を持ったまま、何やらウィンドウを開いて項目を確認している。


「この杖に付けられる効果でユートさんに良さそうなのは……水系魔術威力上昇・小か、MP上昇・小かな?」

「見ただけでそんなことが分かるのか?」

「まあ、木製の物だったらね。これでも木工職人だから」


 さすがトップ木工職人だな。


「幾らくらいかかる?」

「どっちも20000Gでいいよ」


 必要な素材などを揃える費用も込みでの代金らしい。せっかくだし、俺は20000G支払って、水系魔術威力上昇・小を付けてもらう事にした。


「時間はどれくらいかかる?」

「そっちなら材料揃ってるし、1時間もあればできるよ」

「早いな? だったら、とりあえず杖を預けておいていいか? その間に防具を買ってきちゃうからさ」

「うん。わかった」

「頼む」


 という事で、俺は杖をアシハナに預け、防具を買いに出かけることにした。お供はリックだ。他の子達は仕事があるからな。


 まず向かったのはルインの店である。


「どうも。お久しぶりです」

「おう、ユートじゃねーか。防具の更新か?」

「そうです。ローブを見せてもらえます?」


 そうして幾つかのローブを見せてもらったんだが、いまいちピンと来ない。防御力などはともかく、効果がイマイチなのだ。


「うーん、この辺でも納得できないとなると、うちにはお前さんに合いそうな装備はないな」

「そうですか……」


 アクセサリは良い物が一つ見つかったんだけどね。


名称:風と土の首飾り

レア度:3 品質:★6 耐久:160

効果:防御力+3、風耐性・微、土耐性・微

重量:1


 今までのブロンズのネックレスが弱すぎたというのもあるが、属性2つへの耐性があるのは有り難い。俺がダメージを食らう場合、敵の魔術などの場合が多いだろうしな。


 さて、ローブはどうするか……。他の店を探すか?


 俺が悩んでいたら、ルインがある店を紹介してくれた。彼の知り合いの裁縫職人の店らしい。早耳猫のメンバーではないものの、βテスターなんだとか。


「商売敵を紹介しちゃっていいんですか?」

「まあ、知人だからな。それに、俺の店で満足してもらえなかったのは、俺の腕が足りんからだ。客をガッカリさせたままで帰せんからな」

「ありがとうございます。行ってみますね」

「おう。奴らによろしくな」


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