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669話 四鬼集結

「4体揃ったな!」

「ムー」

「……♪」


 俺たちの前には、仲間にしたばかりの4体の鬼が並んでいた。


 隠形鬼を仲間にした後、俺は浜風たちと一緒に各エリアを巡り、鬼たちと友誼を結んでいた。


 水の体を持つ水鬼、緑色の風の塊で構成された不定形の風鬼、金属製ピカピカボディの金鬼に、影の体を持つ隠形鬼を加えて四鬼というらしい。


 どれも強くはあったけど、慎重に戦えば何とかなったね。


 俺はキャロに騎乗しつつ、オルトにも守ってもらうという鉄壁の構えで挑んだよ? そのおかげで、全体攻撃によるダメージしか食らわなかったのだ。


 それに、浜風とロクロネックは隠形鬼を手に入れて、戦闘力も上がっていたからな。


 水鬼は、全身が水の不思議な鬼だった。こちらの物理攻撃を透過させることもあり、かなり防御寄りの能力である。


 狂化すると水魔術のような遠距離攻撃を使ってくるようになり、遠近両方で強い万能型の印象だ。


 風鬼は、緑のガスのようなもので構成された鬼だった。普通に立っていればマッチョな鬼の姿だが、動くと途端に形が崩れる。名前が風鬼じゃなければ、鬼だとは分からなかっただろう。


 水鬼以上に物理が効きにくく、魔術がないと苦労する相手である。まあ、陰陽師は術士扱いなので、問題ないけど。


 狂化すると、全身に竜巻を纏ってこちらの攻撃を弾くようになり、一番時間がかかっただろう。攻撃も不可視で、俺の被弾も大きかったのだ。ヒヤヒヤさせられたね。


 で、最後の金鬼は、風鬼とは真逆の魔術殺しであった。魔術はほぼ反射され、物理じゃないとまったくダメージが入らないのだ。それも防御力が高いので、苦労させられたが。


 まあ、動きは鈍かったので、一番安全には戦えたかな?


 ただ、狂化すると巨大なハンマーをぶん回すようになり、一撃でオルトが死に戻りかけるほどの攻撃力を発揮するようになっていた。


 キャロの月魔術が無かったら、死んでいたね。


 そうやって苦労した甲斐があり、俺も4体の鬼をゲットしたのである。


 問題は、なぜかうちの鬼たちがちびキャラみたいな三頭身サイズであるってことだろう。浜風たちの鬼さんは、みんな細マッチョな普通体型だった。


 敵だった時よりはサイズダウンしているが、うちの四鬼よりはだいぶデカいのだ。浜風もロクロネックも、同じ大きさなのに、なぜうちの鬼だけ?


 しばらくその謎を皆で考察していたんだが、すぐに理由が判明した。考えていても理由が分からんかったので、リザルトの確認をし始めたんだが……。


 浜風とロクロネックは、四鬼全てと友誼を結んだ時点で藤原千方から秘伝書を手に入れていた。これは、陰陽師でなくては入手できないらしく、俺には『四鬼の主』という称号が付いただけである。


 秘伝書の職業は、鬼道陰陽師というメッチャカッコいい名前の職業だ。


 浜風は、早速この職業に転職していた。自ら検証していくその姿勢、さすがだぜ。


 結果、鬼たちに変化があったのだ。敵として戦った時と、全く同じ姿になったのである。どうやら、プレイヤーの陰陽師度で姿が変わってしまうらしい。


 ああ、陰陽師度というのは、俺たちが勝手に作った言葉だ。妖怪召喚だけを持っている俺が、陰陽師度1。職業が中級陰陽師のロクロネックが陰陽師度2。鬼道陰陽師になった浜風が陰陽師度3である。


 一定以上の陰陽師度がないと、力を完全に発揮できない妖怪もいるのだと思われた。もしくは、こちらを認めておらず、本気を出してくれないか。


 どちらにしても、陰陽師度を上げないと、うちの鬼の力は完全には発揮されないだろう。


「でも、陰陽師にはなれんしなぁ」


 陰陽師系、妖怪系のスキルをもっと取得したら、変化しないだろうか? 陰陽師度2のロクロネックの鬼たちでも、メチャクチャ強かったし。


 正直、ちびキャラ状態では強いって言えるほどじゃないんだよね。


「それに、陰陽師じゃないとあのダンジョンに入れんしな」


 浜風とロクロネックは、俺が入手できなかった称号もゲットしていた。


 名前は、『鬼ごっこ参加許可』。職業が陰陽師で、鬼と友誼を結ぶのが入手条件かな?


 効果は、地獄の鬼ごっこに参加できるという、あやふやなものだった。


 鬼ごっこが開催されるのは、陰陽師専用ラウンジから入ることが可能なインスタンスダンジョンである。


 浜風とロクロネックはすでに突入済みだった。そして、その地獄の内容を教えてもらい、俺にはまだ早いということだけは分かっている。


 まず、ラウンジに設置された転移門をくぐると、薄暗い洞窟のような場所に跳ばされるらしい。四方を囲む黒い鍾乳石に、滴り落ちる赤い水。宙を漂う青い鬼火に仄暗く照らされた、不気味な洞窟だ。


 そんな洞窟には、何種類もの鬼が徘徊し、こちらに襲いかかってくる。最初は鬼ごっこの名前通り逃げていた浜風たちだが、すぐに前後を囲まれて逃げ場を失ってしまう。


 そこで戦いを挑んだらしいのだが……。赤鬼、青鬼、黄鬼、白鬼、緑鬼、黒鬼の6種は、全部が超絶強かった。


 明らかに洞窟を徘徊するMOBなのに、浜風たちが全滅を覚悟するレベルの敵だったのだ。


 その後はなんとか逃げ回って生き延びた浜風たちだったが、30分が過ぎた時点で時間切れのアナウンスが聞こえ、洞窟から追い出されてしまったという。


 再突入にはゲーム内時間で24時間かかるということだったので、1日1回しか挑戦できない仕様であるようだった。


 しかも、戦利品はなしだ。なんと、鬼たちを倒しても経験値は入らないし、アイテムも落とさなかったのである。


 俺だったら何もできずに瞬殺されて終わりだろう。


「採取とかできないのかは気になるけどね」


 でも、絶対に死ぬと分かっているとこに、採取できるか確認するために突っ込めなんて頼めないしなぁ。


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― 新着の感想 ―
[一言] 鬼道かー……どっちかと言うと召喚・妖術寄りの攻撃的なタイプになるのかな? それとは別に結界張ったりとかの所謂「陰陽師」タイプの転職ルートがありそう
[一言] 鬼道陰陽師とはかっこいい名前だなあ。別系統として式符メインの六芒陰陽師とか術寄りの五行陰陽師とかいるんだろうか?
[気になる点] ある意味、陰陽師には手に入らない妖怪なんじゃ…
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