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65話 テイム上限

 またリスを捕まえに行きたいんだが、場所を変えようか少し悩み中だ。西の森は戦闘が楽だけど、探索での実入りが少ない。


 南の森なら採取物も種類が多いし、出現する敵も多い。リスに出会える可能性も高いだろう。当然危険も多いが……。


「貢献度を稼ぐには、他の依頼もこなさないといけないし」


 始まりの町の周辺のモンスターの討伐依頼は大抵こなしてしまった。そもそも6種類しかいないしね。モンスター素材の納品依頼なども、あまり残っていない。ワイルドドッグ、牙ネズミ、灰色リス、ロックアントに関する依頼はあらかたこなしてしまったからな。


「残ってるのはスネークの牙、鱗の納品。ラビットの毛皮、肉の納品かな」


 スネーク、ラビットとは討伐依頼をこなすために戦ったけど、素材を納品できるほどは倒していない。


「となると東の平原だけど……」


 灰色リスは東の平原に出現しないのだ。リスもテイムできて、スネーク、ラビットの素材も入手できる場所となると――。


「うーん。北の平原に行ってみるかな」


 経験値も、入手できるアイテムも良いのは確かなわけだし。前みたいに調子に乗らず、入り口付近で戦えばいいだろう。


 俺はみんなと北の平原に向かった。町中を歩きながら、ステータスを確認する。テイムはもうレベル5か。上がったな~。


 歩きスマホならぬ歩きステータスだが、他のプレイヤーの邪魔になりそうになると、サクラとオルトが俺を押したり引っ張ったりしてくれて、ぶつからずに歩けている。


「ムッムッ!」


 うんしょうんしょと俺を押すオルトが可愛くて、わざと変な方向に歩いてみたりしたのは内緒だ。


 そうやって北の門に向かって通りを歩いていると、俺は重大な発見をしてしまっていた。


「ああっ!」

「ムム?」

「キュイ?」

「――!」

「クックマー?」


 俺が思わず上げた声のせいで、オルト達が驚いている。思わず足を止めて、俺を見上げているな。


「すまんすまん。大丈夫だ」

「ム?」

「ちょっと大事なことに気づいただけだから」


 心配そうなオルトの頭を撫でつつ、俺はステータスをもう一度見直す。


 使役モンスター(4/6):ノーム、樹精、灰色リス、ハニーベア


 そうだ。昨日、使役スキルが10に上がったんだった!


 今の俺は最大6体までモンスをテイムできる。連れて歩けるのは5体だけどね。パーティメンバーが満員でも、テイムは出来る。


 パーティに入れなかったテイムモンスターはその場で牧場という施設に転送されるのだ。牧場にいるモンスターは獣魔ギルドで自由に入れ替えが出来る。


「全然気付いてなかったぜ」


 まあ、今気づいてよかった。もっと遅かったら、相当時間を無駄にしちゃっただろうしね。



 2時間後。


「よっしゃ! テイム成功だ!」

「キュー」


 出現率が低いため少々時間が掛かってしまったが、なんとか2匹目のリスのテイムに成功していた。


 いつもと違い、テイムしたばかりのリスがキラキラと輝き出すと、輪郭が薄くなっていき、姿を消してしまう。牧場に送られたってことだろう。


『テイムしたモンスターの名前を決めてください』

「うーん、どうしようか」


 1匹目はリッスー、次はリスリスと名付けたが、そろそろネタが尽きてきた。手放すことが決定しているモンスに凝った名前を付けるのもな~。


「よし、リスイチで」


 次はリスニだ。これなら延々続けられるし。昔ポケ〇ンでヒデンとかナミノリっていう名前を付けたのを思い出したね。


「あとは水魔術がLv10になったか。新しい魔術を覚えたな」


 今までに覚えた水魔術は、アクア・ボールとアクア・ラングの2つだ。ラングの方は水中で息が長続きするという魔術なので、お試し以外ではほとんど使ったことはない。


 今回新しく覚えたのはアクア・シールドという術だった。一定時間防御力と水耐性が上昇する術みたいだな。


「さて、スネークの牙があと1つで依頼達成なんだよな」


 戻る前に、スネークを倒したい。そう思っていたら、スネークを含むモンスターの群れが出現した。ラッキー。とりあえず新呪文の効果を確認してみようかな。


「アクア・シールド!」


 水の幕が体を包む様なエフェクトの後、青い光が体を包む。なんか頼りない感じだが、これで防御力が上昇してるのか? 俺はあえてスネークの攻撃を何度か受けてみた。


「おお、ダメージがかなり減ったぞ。半減とまでは行かないけど、3割くらいは減ったかな?」


 これは強い敵などと戦う際も、役に立ってくれそうな術だ。オルトやサクラにかければ、盾役としてより強固になるだろう。


「よし、検証終了。みんな倒しちゃっていいぞ!」

「キュー!」

「クマー!」

「――!」

「シュ、シュ~……」


 検証の為に残されていたスネークはうちの子たちの集中攻撃を受け、哀れ瞬殺されたのだった。


 俺に何度も攻撃をしてたからか? うちのモンス達の攻撃がちょっと苛烈と言うか、きつめだった気がするな。敵に対するヘイトみたいなものがあるのだろうか?


 普段は指示を出してるけど、従魔たちはお任せで戦う事も出来る。俺たちはまだまだ弱いし、そこまでの余裕はないが、高レベルのテイマーは戦闘時全部お任せで済ませている人もいるんだとか。


 同種のモンスターでも性格や好悪の違いがあるらしいので、その辺も見極めないといけないからかなり面倒だと思うけどね。もしくは、適当に戦っても勝てるくらい、敵とのレベル差があれば有効な手立てだろう。


「えーっと、よし牙をドロップしたな」


 これで納品クエストも報告できるぞ。




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