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550話 早耳猫からの支払い

 無事、ボス周回を終えた後。


 俺は夜のホームで寛いでいた。今日は縁側ではなく、恐竜たちの闊歩する古代区画だ。


 古代の池の畔にデッキチェアを設置して寝そべりながら、月に照らされる古代の世界を眺める。池を気持ちよさそうに泳いでいるスピノサウルスの背びれが、中々乙だよね。


 一緒にいるのは妖怪マスコットたちと、ミニ恐竜マスコットたちだ。


「カパー」

「テフー」


 微風を受けて気持ちよさそうに笑う妖怪マスコットたちを膝に乗せ、茶をすする。モンスたちのモフモフもいいけど、マスコットの不思議な手触りもいいよね。


「ずずず……。はぁ、おいしい」

「モフ」

「はいはい。ここがいいのか?」

「バケ!」

「リンネを忘れてるわけじゃないぞー」


 取り合いをされる俺の手。いやー、愛されてるねー。


 デッキチェアの周りにはミニ恐竜たちが寝そべり、鼻提灯を出している。ゲーム表現なんだけど、実際に見ると超可愛いな。


 ミニ恐竜たちの頭を撫でてみると、スベスベしていたりゴツゴツしていたりと結構感触が違うのだ。


「あー、癒されるー」


 こういう時間もいいものである。昼間は戦いっぱなしだったし、残りの時間はのんびりとしようと思う。


 だからって、ただ月光浴をしているわけじゃないよ?


「報酬はどれにしようかな~」


 分かれる前に、アリッサさんから報酬のことでいくつか相談を受けていた。


 1つが、報酬の支払いを明日の昼まで待って欲しいということ。土下座しそうな勢いだったし、待たせる分色を付けてくれるらしいので、即了承しておいた。


 情報料と、午後の周回で2つもゲットした大渦獣の盾鱗を1つ譲ることで、合計3200万も提示されている。


 大規模クランにもなると、色々と支払いがあるのだろう。すぐに支払うのが厳しいようだ。というか、ボス周回の爆弾のせいかもしれん。


 あともう1つが、お金以外での支払いを受けるかどうかという話だった。早耳猫が保有している素材やアイテムで欲しいものがあったら、そちらでの支払いも可能だというのだ。


 ぶっちゃけ、お金は十分にあるし、レアアイテムがあるならそれでもいいと思うんだよね。一応、アイテムの名前と効果と価値の書かれた目録を貰ってきたので、それからいくつか選ぼうと思っている。


 それにしても、準備いいよね。もしかしたら、他のプレイヤーにも同じ提案をしているのかもしれない。


 だとすると、欲しいアイテムが取られてしまう可能性もある。早く決めないといけないだろう。


 明日の午後のお金の受け渡し前にはメールを送って、お金と一緒にアイテムを受け取るのがいいかもしれない。


「全部アイテムでもいいけど……」


 金よりも貴重なアイテムの方が嬉しい。


「武具はいらんなぁ」


 リストの大半は、俺には使い道のない武器や防具だ。アクセサリーはちょっと気になるが、どうしようかな。


「スロット多めのアクセサリーをここでゲットするのもありだな」


 そうやって確認していると、凄いのを見つけた。現在アクセサリー作成系のトッププレイヤーがレア素材を使いまくって作ったという、アクセサリー3点セットだ。


 黒魔のイヤーカフ、黒魔のリング、黒魔のチェーンである。それぞれに空きスロットが3つずつ。3点セットで身に着けると防御力+50され、MPの自動回復速度、魔術威力が上昇するという破格の性能である。


 3つで800万もするけど、ゲットしておくことにした。


 あと気になるのは、色々なアイテムや魔道具たち。


 高性能の爆弾や、ポーション、逃走用アイテムなどの消耗品から、インテリアなどの工芸品もある。


 ワクワクしながら目録を確認していると、下の方に素晴らしいアイテムたちが掲載されていた。なんと、スキルスクロールの名前があったのだ。


「まじか!」


 研究用としてゲットしていたらしい。クラン員が使うよりも、取引等のために残してあったのだろう。そのため、得られるスキル自体は下位のスキルばかりだ。


 しかし、お金でボーナスポイントを節約できるなら、俺的には非常にありがたい。まあ、ボーナスポイントも余ってるけど、いざとなったらステータスに振ってもいいからね。


「知識系のスクロールが結構あるな」


 鉱物知識、動物知識、水生知識、骨董知識の4種類があった。最後の骨董知識は初めて見たな。こんなスキルもあったらしい。


「うーん、知識スキルは自力取得できるしなぁ」


 後回しにしてきたけど、そろそろ知識スキルをゲットしようかな? とりあえず、未見である骨董知識スキルのスクロールは貰っておこうかな?


 200万もするけど、あって損するもんじゃないし。


 さらにさらに、凄いものを見つけてしまった。なんと、水魔術強化のスキルスクロールだ。


 その名前の通り、水魔術の威力をアップさせるスキルである。これを俺が取得しようと思ったら、スキルの解放条件を達成したうえで、ボーナスポイントを支払わなければならない。


 それが一瞬でゲットできるなんて……。価値が2500万となっているけど、安すぎないか? それぐらい凄いアイテムだぞ。


 これで3500万……。残念だが、骨董知識を諦めよう。それでも100万オーバーだが、そこは差額を払ってアイテムを貰えないか相談だな。


「これで、俺の攻撃力が爆上がりだ!」


 俺みたいな雑魚の攻撃力が1割くらい増したところで、意味ないって? それでもいいのだ! 俺だって、ちょっとは強くなった実感が欲しいのである。


「よし、アリッサさんに送信だ!」


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― 新着の感想 ―
[一言] コミカライズから入って最新話まで追い付きました。 従魔はみんな可愛いけど今のところオルト・ヒムカ・サクラが推しです!笑 これからはリアルタイムでサスシロできるのが楽しみです。応援してます!
[一言] コミック新刊が出るのですね、待ってました。 次でお気に入りのふーかさんに会えるのかな? 次の次になるのかしら? コミックのキャラ絵はかわいいので待ち遠しいです。 先生の作品はとても気に入…
[一言] 何だかんだで骨董知識はゲット出来そう
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