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498話 特別な肥料


 果樹の苗木を報酬として提示されてやる気マックスの俺は、早速カプリの相談を詳しく聞くことにした。


「作物の品質が上がらないってことだったな?」

「うん」

「普通なら肥料を使うか、畑の品質を上昇させるアイテムを使うのがいいだろう。あとは、水を変えてみるとかかな?」

「水は、魔道具で生み出したやつを使ってるから、問題ないはずなんだ。畑の土壌を改善するアイテムは、高くて俺には手が出ないし」

「となると、やっぱり肥料系か」

「うん。それで、ここの作物に合うかもしれない肥料の作り方は分かったんだけど、俺じゃ作れなくって……」

「へぇ? 作り方は分かってるのか?」


 俺の言葉に、カプリは一枚のスクロールを取り出して広げて見せた。


「このレシピなんだけど、兄ちゃんなら作れるか?」

「どれどれ?」


 カプリが渡してくれた、肥料のレシピを確認する。そこに書かれているのは、調合のレシピだった。


 いくつかの材料を加工して、合成すればいいらしい。


「俺、調合ができないからさ~。どう? 兄ちゃん作れる?」

「ふむふむ」


 材料は、土と木材と水。あとは昆虫系素材に魚系素材だ。これらは簡単に揃うだろう。途中、調合レベル40で覚える濃縮のアーツが必要なようだが、それも持っている。


 さらに、作製するには育樹スキルか水耕スキルが必要とも書かれていた。特定のスキルを所持していないと、作製できないアイテムもあるんだな。


「それと、これも欲しいんだけど、兄ちゃん作れる?」

「こっちは錬金のレシピだな」

「うん」


 畑に使う、栄養剤のレシピである。これも、錬金レベル40で覚える液化のアーツが必要だった。


 つまり、農耕・上級に加え、育樹か水耕を所持してて、調合と錬金がレベル40以上であることがこのチェーンクエストの発生条件ってことかね?


 まあ、難しい工程はないし、多分作れるだろう。


「分かった。じゃあ、この2つを作ってみるよ。できたらここに持ってくればいいか?」

「うん! 俺、だいたいここにいるからさ!」


作製納品クエスト

内容:カプリのレシピで★7以上の特別肥料を5つ納品

報酬:500G、林檎の苗、桃色林檎の苗

期限:なし


作製納品クエスト

内容:カプリのレシピで★7以上の特別栄養剤を5つ納品

報酬:500G、蜜柑の苗、濃紺蜜柑の苗

期限:なし


 報酬が未知の苗木なうえ、肥料と栄養剤のレシピまでゲットできてしまった。なんて割のいいクエストなんだ!


 しかも、これだけではない。


「ユートさん。息子の話を聞いていただいてありがとうございました」

「いや、困ったときはお互い様だから」

「いえいえ。いずれお礼はさせていただきますので」


 多分、成功したら報酬があるよって意味だろう。よりやる気が出てきたぞ!


 トーラウス、カプリ親子と分かれた俺は、戻って調合をしようかと思ったのだが――。


「あ、ダメだ。蕎麦をゲットしてない」

「ユートさんは蕎麦をお求めですか?」

「そうなんだ。もしかして、いい店を知ってるか?」

「はい。私の祖父が育てた蕎麦の実を卸している蕎麦屋があるので、紹介しますよ」


 さすが植物一家! 蕎麦の実も関わっているらしい。トーラウスが紹介してくれた店は、調理した蕎麦を提供する店だったが、普通に麺つゆと蕎麦の麺を販売していた。


 品質も高く、これならルフレも満足するだろう。自分用にも大量購入してしまったぜ。


「よし、これで本当に畑に戻れるぞ」


 素材集めは終わったし、みんながオークションに出品するアイテムを作っている間は暇になる。その間に、カプリに頼まれたアイテムを作ればいいだろう。


「オークションにチェーンクエスト! 楽しくなってきたなぁ!」


 そうして意気揚々と畑に戻ると、ルフレが凄い勢いで駆け寄ってきた。その顔には満面の笑みだ。


「フムー!」

「おお、ルフレ。お出迎え――じゃなくて、素材が欲しいのね」

「フームー!」


 ルフレが、早く素材をよこせと言わんばかりに、俺の腕を引っ張る。


「ほれ、お土産だ」

「フム!」

「食材しか見てないね君」


 まあ、喜んでくれているみたいだからいいけどさ。俺の渡した魚と貝を両手でつかみ、高々と掲げている。手、臭くなるよ?


 俺は他の食材を全てテーブルの上に出すと、ルフレの頭を軽くなでてそのまま畑へと向かった。


 ホームの生産施設はみんなが使ってるだろうし、依頼品は普通に生産セットを使って行えばいいだろう。


 特別肥料の材料は土と木材と水。あとは昆虫系素材に魚系素材だ。


 特別栄養剤の素材は、水と回復系素材に毒系素材、植物系素材、動物系素材である。


「まずは肥料から作ろう。土は……腐葉土が使えるか」


 高品質の腐葉土に、神聖樹の枝。水も一番いいやつを使おう。虫系、魚系素材は、装備品を作る際にルインに渡したりしてそれほど量はないんだが、ボスの素材がまだ残っているのでそれでいい。


 ただ、先に低品質素材で様子見だけどね。


 土と水を混ぜた物に、始まりの町周辺で手に入る素材を砕いてさらに攪拌する。で、普段ならここで調合を行うのだが、今回は調合スキルのアーツである濃縮だ。


 普通に調合した場合よりもできあがる数が減ってしまう代わりに、品質が上昇するアーツだった。また、特定のアイテムの場合、違う物に変化することもある。


 そして、今回の特別肥料の場合、アイテム名そのものが変化するタイプだった。


 何度も実験をしてみたのだが、普通に調合した場合は多目的肥料。そして、濃縮した場合は魔化肥料というアイテムに変化した。


名称:魔化肥料 

レア度:5 品質:★2

効果:畑に撒くと、栽培効果を増加させる。効果は5日間続く。魔化栄養剤と合わせることで、一部の作物に特殊な進化を促す。


 気になる文面が書かれているな。一部の作物に特殊な進化? どれのことだろうか?


 オルトに聞けばわかるかな?

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― 新着の感想 ―
[良い点] つがるんに報告してやれ!!
[気になる点] 何だかんだ毎日生産やっているけれど、調合や錬金、料理とかまだカンストしていないんだね。あと従魔術や使役とかも。
[良い点] 毎回おらワクワクすっぞ展開!! 私もオレアに影響あるのかな?と期待しました。 また他の樹木など! 生産が捗るクエストですねー! 今後も本当に楽しみ。 いつも素敵なお話をありがとうございます…
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