466話 第二陣イベント順位
『イベントが終了いたしました。これよりイベトの精算を行い、順位を発表いたします』
ようやく終わったか。飼育ケースなどでかなり散財してしまったから、手持は20万イベトくらいなんだよね。
順位の事なんか気にせずに、アイテム買いまくっちゃおうかとも思ったんだよ? でも、さすがに第二陣の人たちよりも低い順位なのは恥ずかしいからね。恥ずかしくない程度にイベトを残しておいた。
これに、称号所持で貰えるはずのイベトが加算されるはずなんだけど……。
何位になるかね? 今回は数万人の参加者がいるらしいし、せめて賞品がもらえる順位だといいんだけど。
「オルトは何位だと思う?」
「ム?」
「はは、分からないよなー」
「ムー」
俺が今いるのは、簡易ホームの中である。ここならうちの子たち全員と結果発表を迎えられるからね。
ベッドに腰かけて、皆と一緒にウィンドウを覗き込んでいる。
「――!」
「フム!」
「そうだな、きっと良い順位だよな?」
「フマ!」
「ヒム!」
俺はヒザの上であおむけになっているリックをモフリながら、発表を待った。
「それにしてもリック、モフモフ度が上がったなぁ」
「キュー」
「いい手触りだ」
「クマー!」
「ペペーン!」
「なんだ? お前らもか? ほれほれ」
自分も撫でろと寄ってくるクママたちをモフっていると、他の子たちも自分の頭をグイグイとこちらに寄せてくる。
「あー、分かった分かった」
いつの間にか全員を順番に撫でる変な儀式が始まってしまったぜ。この輪に加わっていないのは、俺の頭に腰かけて演奏中のファウと、ヤレヤレって感じで皆を見守っているドリモだけである。
「ラランラ~♪」
「モグ」
ピッポーン。
「お、発表されるみたいだぞ!」
「ム!」
「えーっと、俺はおよそ45万イベト? 称号だけで25万イベトも入ったんだけど……。まじか」
称号スゲーな! いや、恐竜系の結構入手できた人が少ないっぽいし、俺の想像よりもボーナスが多かったのだろう。
「恐竜を周回するようなプレイヤーには負けているだろうが、これなら結構上位かも?」
『集計が終了いたしました。ユートさんの最終獲得イベトは、45万2317イベト。最終順位は11位でした』
「ええ? まじ?」
これは凄すぎないか?
一位の人が48万だと考えると結構接戦だったみたいだし。
ブラキオ20周ランニングとかした人はいないのだろうか? それとも、俺以上に散財した? それはあり得るな。
飼育ケースに香水。アンモライトや化石に琥珀。面白い物が大量にあるのだ。そりゃぁ、買っちゃうよね。
「ムムー!」
「――♪」
「おお、ありがとうな」
モンスたちも順位を祝福してくれている。
「えーっと、賞金20万とボーナスポイントが10? 結構もらえたな! あとはイベント引換券が4枚か」
これはかなりいい報酬だったぞ。
しかも、また引換券だ。今回の報酬を足すと、イベント引換券×12枚、恐竜飼育セット引換券×4、巨大水槽引換券×3となった。
「順位ポイントが100ね」
この順位ポイントを使うことで、色々な景品を取得可能であるらしい。
1位から100位までは100ポイントで、101~1000位までが90ポイント。あとは1000位ごとに10ポイントずつ下がっていくようだ。
そして、最低でも10ポイントは入手できるみたいだな。
「お、リキューたちも上位にいるじゃん」
他にも100位以内には知り合いの名前が結構ある。みんな頑張ったらしい。
『これで、イベントは終了となります。現在、インベントリに収納中のアイテムに関しましては、一部のイベント専用アイテム以外は、所持品として持ち出しが可能です』
「やっぱ、一部は持ち出せないアイテムもあるのか……」
飼育ケースや鉱物は持ち出し可能だよな? メチャクチャ集めまくったんだぞ? これで全部消滅したら、立ち直れないんだけど。
アンモライトは微妙? 一応、5つは確保してあるんだけど。
『イベント内からの送還を開始します』
アナウンスの後、モンスたちと一緒にホームへと転送される。いつもの日本家屋だ。
「ただいまー」
「あいー!」
座敷童のマモリが出迎えてくれる。久しぶりの気がするけど、彼女にとったら数時間ぶりなんだよね。
「さて、アイテムは……。お! 飼育ケースも生き物も、持ち出せたぞ! アンモライトも恐竜の素材も問題なしだ」
全てのアイテムがインベントリに残されていた。
飼育ケースはホームオブジェクトの扱いになるらしい。全部は置けないかもな。特に巨大な飼育ケースになると、大分スペースを取るのだ。
無くなっているのは、海賊船内のイベントで使用した鍵だけだった。
「後は……なんか新しい機能が解放されたみたいだな」
データを確認してみる。俺に関係ありそうなのは、マスコット関係かな。最大所持数を増やすことが可能になったらしい。
「これは即課金案件だな!」
マスコットなんて、いればいるだけいいですからね!
「おっと、ポイントの交換物と、引換券のリストも確認しないと。あー、忙し過ぎて笑っちゃうな!」