378話 プライベートビーチ
毎回、誤字報告ありがとうございます。大変、助かっております。
そのことについて、ひとつお願いがあります。
これはその名の通り、誤字を報告していただくための機能です。明確な誤字脱字誤用のみ報告して下ると嬉しいです。
文章添削や、読点位置の修正の提案などはお控えください。
数日受け付けていなかった当作の誤字報告の受付を再開いたしましたので、今後ともよろしくお願いいたします<(_ _)>
釣りを終えた俺たちは、村での買い物を済ませ、漁村の北にあるという遊楽の浜へと向かっていた。
「人がほとんどいないけど……」
浜はもう目の前だ。
ここからでも綺麗な浜辺や、浜に生えるヤシの木が風に揺れる姿が見えている。だが、その浜には人の姿が全くない。
その手前には、浜に向かっていると思しきプレイヤーたちの姿があるんだけどな。
だが、その疑問の答えは、浜に近づけば分かった。
「えーっと、浜が2種類あるのか」
あと数メートルで砂浜というところで、ウィンドウが浮かび上がる。
そこには、オープンビーチとプライベートビーチ。どちらに入るかという問いかけが表示されていた。
オープンビーチは、選択したプレイヤー全員が一緒に入れるビーチである。こっちに入っているプレイヤーによって、大きさが変化するようなので、芋洗い状態は回避できるのではなかろうか?
プライべートビーチはその名前の通りで、自分たちのパーティのみが入れるビーチである。最大で、1チーム12名までしか入れないようだ。
多分、人混みが苦手だとか、人の目が気になる女性プレイヤーなどはプライベートビーチ。みんなでワイワイ遊ぶならオープンビーチという具合なんだろう。
「まずは――プライベートビーチだろ!」
リアルじゃ絶対に味わえない贅沢だ。それに一緒に遊ぶ約束をしてる友達もいないしね。
「おお、まじで誰もいないじゃんか」
左右百メートルはあろうかという白い砂浜が独り占めだ。そこらの海水浴場とは比べ物にならないほどの、リゾート地のような美しいビーチには、俺とオルトたちしかいなかった。
「ひゃっほう!」
「ムムー!」
「――!」
テンション上がりまくって、皆で波打ち際に駆け寄る。
「つめてー!」
「ム!」
「モグー!」
海水に浸かった足先からは、心地の良い冷たさが伝わってきた。
オルトたちも気持ち良さげだ。そして、そこで気付いた。
「そうだ。水着を買ったんだった」
俺はその場で外装などをセットしていく。俺は、青いトランクスタイプのシンプルな水着だ。ブーメランタイプとかもあったけど、さすがにあそこまで攻めた水着を着る勇気はない。
まあ、美形アバターだし、似合うのかもしれんけどね。そういう意味では、現実では着られないイケイケの水着も、ゲームの中ならありなのかもしれなかった。
「で、オルトたちはこれだ」
従魔用の水着は非常に親切設計だ。着せる時に、好きなタイプを選べるのである。
アイテム欄に6個入っている、従魔の水着を選択すると、どの従魔に使用するかの選択肢が現れる。そこで、従魔を選択すると、どのタイプや色にするかを自由に選べるのだ。
これは毎回設定し直せるので、いつでも違う水着を着せてやることができた。
そうして、着せ替えを続けること5分。なんとか全員分の水着を選ぶことができた。
「オルト、似合ってるぞ」
「ムム!」
「サクラも可愛いな」
「――♪」
オルトは青いトランクス。俺と同じタイプだな。
サクラは白いワンピースタイプだ。髪の毛と同じ桜色のパレオが可愛い。
「フムー!」
「ルフレも可愛いぞ~」
「ヒム!」
「ヒムカも似合ってる」
ルフレは紺のスク水である。これは俺の趣味じゃなくて、ルフレの好みだ。これがいいとせがまれたので、仕方なくスク水を着せておいた。いや、本当に俺の趣味じゃないからね? まあ、一番最初に見せたのは確かだけど……。
自動で名前が入るらしく、ひらがなで「るふれ」と書いてある。怒るなら運営の人を怒ってほしい。
ヒムカは、赤いブーメランタイプの水着だ。これが、引き締まった体のヒムカには非常に似合っている。もう少し成長したら、ワイルドなイケメンになるだろう。
「うーむ、ドリモたちもいい感じだな」
「モグ!」
「ペン!」
動物コンビは、赤と白のボーダータイプの全身水着だ。可愛さが倍増して、やばい。特にドリモの可愛い格好なんてなかなか見れないから、非常に嬉しいのだ。
「じゃあ、準備もバッチリできたってことで、改めて――海だー!」
「ムムー!」
「――!」
いやー、童心に帰るとはまさにこのことだね。テンション上がりまくって、従魔たちと水遊びを楽しんでしまった。
「うおおお! やったなこの!」
「ペペーン!」
「フムー!」
ビショビショになりながら波打ち際で水をかけあったり、追いかけっこをする。相手が美女でなくても、十分楽しい。
ヒムカは日差しを浴びながら、砂浜の上に寝っ転がっている。まるで日焼けをするチャラ男っぽい姿だ。
「ヒムム~♪」
意外と楽しんでいるようなので、よかった。
「じゃあ、次はビーチボールで遊ぶか!」
「ム!」
「フム!」




