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370話 第二陣記念イベント開始


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「準備も万端。あとはイベント開始を待つだけだな」

「ムム!」

「――!」


 縁側でのんびりと待っていると、イベント開始が告知される。


『ただいまより、第二陣歓迎イベントを開始いたします』

「よし、きた!」


 参加を希望するかの問いかけにYesと答えた瞬間、俺やモンス達の体が光り輝き、見慣れない部屋に転送されていた。


 10畳くらいのワンルームだ。ベッドと6人掛けのテーブルだけが備え付けられている。床は板張りだった。まあ、プレイヤーは土足だから当然だけど。


 窓はないが、白い光を放つ大きなランプが天井から下がり、ほぼリアルと変わらない明るさを放っている。


 全体的に少し古ぼけているせいか、ファンタジー小説に登場する安宿って感じだ。これはこれで有りだろう。


「えーっと? フィールドじゃないのか?」

「フム!」

「モグ!」


 オルトたちモンスも、ちゃんと一緒に転送されている。


 パーティメンバーは戦闘と生産のバランスを考え、オルト、サクラ、ルフレ、ヒムカ、ドリモ、ペルカという構成だ。


 ペルカは少し迷ったけど、レベリングも行いたいので選んでおいた。それに、連れてきたのはただレベリング目的だけではない。


 これは掲示板での噂に過ぎないんだが、今回は水辺が舞台ではないかと言われているのだ。


 リアルの時期は真夏である。だが、今までにLJOで、それに絡めたイベントが開催されたことはない。


 他のゲームでは、真夏の水着10連ガチャとか、サマービーチイベントとか、色々と開催されているにも関わらず、である。


 LJOでもほぼ間違いなく、何かあるだろうと予想されていた。そこにこのイベントとくれば、予想することは難しくないのだ。


『イベントの説明を行います』

「お、メールが来たな」


 確認すると、前半はいつも通りの注意事項だった。画像の取り扱いとか、ハラスメントについての注意などである。


「で、内容は事前の告知通りに、巨大な都市とその都市がある島を舞台にした冒険か。ここで色々な行動でポイントを稼ぐと……」


 さらに読み込むと、新出の情報もいくつかあった。一つは、この部屋の扱いだ。


 俺たちがいるのは、イベント都市バザール。そして、ここはバザールの中にあるプレイヤー用の特殊ホームであるらしい。


 全プレイヤーには個別にこのホームが与えられ、ログアウトなどに利用できるそうだ。


 あと重要なのが、イベント中に使用する通貨に関してだろう。なんと、イベント内では今まで所持していた通貨は使用できず、イベトというそのまんまなネーミングの通貨が必要になるそうだ。


 第二陣のためのイベントだからな。第一陣との格差をなくすためだろう。


 一応、最初に100イベト配られているが、これがどれくらいの価値なのかは分からんね。


「とりあえず、外に出てみるか」

「ペン!」

「ヒム!」


 通常、部屋から外に出ると都市中央にある大広場が出現地点となるらしい。ただ、一番最初だけは混雑緩和のために、都市内にランダムで転移するそうだ。


 ホームへの出入りは、大広場からであればウィンドウ操作で簡単に行えるらしかった。


 特殊ホームの扉を開けて外に出る。転移先は住宅街の路地裏であるようだ。レンガ造りの家が立ち並び、雑然とした街並みである。


 スラムとまでは言わないが、どこかガラの悪いストリート系の雰囲気があった。まあ、NPCにカツアゲされるようなことはないと思うけど。


「とりあえず、お店を探そう。イベント通貨の価値を把握しておきたいし。みんなも探してくれ」

「ムム!」

「ヒム!」


 そのまま歩くこと数分。


 探すまでもなく、店はすぐに見付かった。路地を抜けて大通りに出れば、NPCの屋台がいくつも並んでいたのだ。


 ジュースやお菓子だけではなく、花束やアクセサリーを売る屋台もある。ああ、屋台と言っても、日本のお祭りで見られるような出店タイプではない。


 もう少し小型の、小さな箱に小さな車輪を付けたようなワゴンタイプであった。


 とりあえず、一番手近な屋台に近づいてみる。


 そこは小柄なお婆さんが店番をする、花屋さんであった。花が篭に入れられ、売られている。見た目はヒマワリだ。


 何か特殊なアイテムかと思ったが、何の効果もない雑草扱いのアイテムである。ああ、LJOの世界では、特殊効果のない植物は雑草、雑木扱いなのだ。


「この辺で採れた花を売ってるんですか?」

「これは私の家の裏庭で栽培しとる花です」

「へー」


 ヒマワリは全て1イベトである。初期配布が100イベトというのは少ないと思っていたが、貨幣価値がゴルドとは違うということなんだろう。


 俺は1つ購入してみることにした。


「じゃあ、これで」

「はいはい」


 売買は普通に行えるか。インベントリに、ヒマワリが入っている。


 実は、初見という以外に、もう1つこれを購入した理由があった。乾燥させたら種がとれないかと思ったのだ。リックが喜びそうだしね。


 取り出して、鑑定してみるが、やはりただのヒマワリ、種は取れそうも――。


『ヒマワリを鑑定しました。イベント図鑑に登録されます』

「うん?」


 なんかアナウンスがあったな。イベント図鑑?


 確認してみると、通常の図鑑の後に、イベント図鑑というページが追加されていた。植物、動物、昆虫、海洋の4種類だ。


 植物図鑑を確認してみると、すでに、5種類が登録済みだ。今鑑定したヒマワリ以外にも、アジサイ、ブナ、クヌギ、ミズナラが写真付きで掲載されている。


 これらは、イベント開始前に鑑定したことがある草木なのだろう。


「残り25種か」


 どうやら、各イベント図鑑は最終的に30種類が登録されるらしい。きっと、イベント中に色々な場所に行って、図鑑を埋めろっていうことなんだろう。


「イベント中に、これを埋めるのも面白いかもな」



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― 新着の感想 ―
バザール?つまりボスはお猿さんか(バザールでゴザール)
[気になる点] 仮想世界内の日付がよく分からないので、「ログインしました。」の後に「仮想世界の日付は×/×。」などの記載があると助かります。 検討をお願いします。 [一言] 自信がないのですが、作品内…
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