表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/871

25話 ランクアップ

 やってきました農業ギルド。お金を持っているせいか、気が大きくなってしまっているな。途中で串焼きを3本も買い食いしてしまったぞ……。これがまたゲームの中なのに美味いんだ。


 地図作成の依頼を報告すると、予定通りランクが2にアップした。これで、ギルドショップで買えるものが増えたぞ。リストを見ると、色々増えている。


「まずは、原木をください」

「おう、4500Gだな」


 ここまで長かった。ようやく買えたよ。これで赤テング茸を育てることができる。


「あと、畑もください」


 ついでに畑も買ってやろう。


「また6000の……。いや、待てよ。今なら、10000Gの畑にも手が出るな」


 確か、納屋が付くとか言ってたか?


「10000Gの畑について、詳しく知りたいんですが」

「おう、何でも聞いてくれ」


 おっさんに色々質問してみた。


 まず、納屋は6畳の小さい小屋みたいなものらしい。木製の物置小屋って感じか。中には一応小さい机と椅子があり、一切リフォームの出来ない簡易ホームとしても利用可能らしい。さらに地味に嬉しいのが、肥料を自動で生み出してくれる肥料庫が備え付けられるということだ。肥料は30Gと安いが、長い目で見ればお得だろう。


 そして、最も重要なのが、小型の道具箱が付いていることだ。これは、モンスも利用可能なインベントリ機能の付いた箱のことである。例えば、俺が遠出している間、オルトが自動で収穫したアイテムなどを時間経過による変質なく保管しておくことが可能なのだ。


 ただマイナス面もあり、納屋の分畑の面積が狭く、作物を植えることが可能な場所が10ヶ所に減ってしまうらしい。それでも納屋は魅力的だ。


「よし、10000Gの畑を買っちゃおう。6000の畑も追加で1つ」


 お金がある時に買っておくことにした。肥料と道具箱は貴重だしな。ホームもその内有難味が分かるに違いない。


 さらに、2000Gの畑も一つ追加だ。これは雑草育成用である。効果なしだから品質は関係ないし、畑は最低レベルで構わないだろう。


「毎度あり」


 俺はさらにギルドショップのラインナップを確認する。買い物ズハイだ。なんか、お金を使わずにはいられないテンションである。大金を得て調子に乗ってしまうという、庶民の悲しき性なのだ。


 種などは、万屋と一緒のラインナップだな。そんな時に目を引いたのはとある肥料だった。それは2000Gもする高級肥料である。畑全体に撒くのではなく、1マスにしか使えない代わりに、普通の肥料の10倍も効果があるらしい。


 これだけ購入可能な数に制限があった。3つまでしか買えないようになっている。どうやら1週間に一度入荷するという設定らしい。それだけレアなアイテムってことか。


 現在の所持金は21220G。買えちゃうんだよな。


「よし、高級肥料を買おう! しかも全部! あと、青ニンジンと橙カボチャの種も!」


 高級肥料があったら、成長が遅い苗木を早く育てたり、低レベルの草を一気に★5とかにできるかもしれないしね。緑桃に使うのは決定だが。


 ただ、さすがにこれ以上の散財は控えようかな。他の物が欲しくなる前に退散するとしよう。


 俺は畑を確認しに行ってみた。見慣れた畑の横に、新たな畑と、小汚い小屋が出現している。一瞬で建つんだな。数日待つかと思ったが。まあ、魔法がある世界観だし、これくらいは簡単なんだろう。


「納屋だな」


 どこからどう見ても納屋だった。しかし、中に入ってみると、思ったよりもきれいだ。そして、念願の保管庫もある。


「おお! いいね。外には肥料箱もあるし」


 新しい畑はどうしようか。それに買った高級肥料を使うかどうか、迷ってしまう。この辺の作物に使うべきなのか? もっと良い作物を手に入れた時にとっておくべきなんじゃ? 買い物テンションが落ち着いた今、生来の貧乏性が顔をのぞかせているのだ。


「とりあえず緑桃に使っておこうかな。あとはどうするか少し考えよう」

「ム?」

「オルト、これを使ってくれ。原木と高級肥料だ。肥料は緑桃に頼む」

「ム!」

「これで、赤テング茸が栽培できるだろ?」

「ムーム」


 目の前で、オルトが赤テング茸を株分した。見た目は赤い粉にしか見えない。ちょっと不安になる光景だ。オルトはその粉を原木に振りかけると、井戸から汲んできた水を上から掛け、畑に原木を置く。


「これでいいのか?」

「ムム」

「オルトが大丈夫っていうなら、信用するけど」


 オルトは自信満々の顔だ。これなら平気だろう。新しい畑には買ってきた野菜の種と、とりあえず手持ちの草類、雑草類を株分してもらって植えておいた。

 

「しかし畑の充実ぶりが凄いな。テイマーなのかファーマーなのか分からなくなりそうだ」


 テイマーとしてのアイデンティティを取り戻すため獣魔ギルドに行こう。クエストを達成して、貢献度をゲットするのだ。


「じゃ、また行ってくるな」

「ムムー」


 獣魔ギルドに向かう。考えてみたら達成したクエストはゴミ拾いなんだよな。全然テイマーっぽくなかった。


「バーバラさんこんばんはー」

「こんばんは」


 クエスト掲示板で達成報告をすると受付に呼ばれた。


「拾ってきたゴミをこちらに」

「はい」


 背負子型アイテムボックスごとバーバラさんにゴミを渡す。


「えーと、これとこれとこれは、ゴミじゃないですよ? 差し上げますね」


 ゴミじゃないと言われて一瞬冷や汗をかいたが、クエストは達成扱いになったらしい。ふう、焦った。で、バーバラさんがゴミの中から選り分けて渡してくれたアイテムを見る。


「水軽石か。しかし、拾ったゴミに入ってなかったと思うけど、どっから出てきた?」


 この辺はRPGのイベントっぽいな。もう一つは小さな小袋だった。中を開けると植物の種だ。


「カモミーレの種ね」


 以前なら全然嬉しくなかっただろうが、今はかなり嬉しい。カモミーレ――カモミールなら色々使い道がありそうだからな。これもオルトに育ててもらおう。


 だが、メインは最後の1つだ。何せ、鍵みたいな形をしているのだ。名前も謎の鍵となっている。どこで使うんだ?


 俺が鍵を見ながら鍵の使い道を考えていると、バーバラさんがギルドランクが上がったことを祝福してくれた。


「おめでとうございます。ギルドランクが2に上がりました。新たに従魔の売買が行えます」

「おお! ついに!」


 従魔の売買とはその名の通り、ギルドで従魔を買ったり売ったりできるシステムだ。


 テイムしたモンスを売ってお金を稼いだり、自分では入手しづらいモンスターを買ったりもできるらしい。


「早速リストをご覧になりますか?」

「ぜひ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
「新たに従魔のバイバイが行えます」 ・・・(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ