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世の中は意外と魔術で何とかなる  作者: ものまねの実


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手紙~友よ~

ベスネー村で一夜を過ごし、翌朝になってからトマにラブレターの運搬を申し出てみたのだが、『大きなお世話』という言葉とともにしっかり断られた。

それはそれとして、せっかく村に来たことだし、今日は朝のうちからトマの解説付きで、田んぼの状況を見学して回ることになった。


手紙で稲作の状況についてはある程度知らされてはいたが、こうして実際に見て回るとベスネー村の米作りの進展具合がよく分かる。

かつては湿地帯が広がっていただけの村の周囲には、見渡す限りに田んぼが出来ており、その半分以上には青々とした苗が水の張られた水面から顔を覗かせていた。


「最近はこの辺りも少し寒くなってきてな。苗の育ち具合に影響が出るかと思って、お前の助言通りに水を深く張っているんだが、これぐらいでいいもんか?」

一枚の田んぼの前で、青い苗が浸かる水の深さの具合をトマが訪ねてくる。


「そうですね。これぐらいでも十分だと思いますけど、不安だったらもう少し深くしてもいいかもしれませんん。今ぐらいの苗だと寒さには気を使ったほうがいいでしょう」

田植えを終えたばかりの頃には、苗が寒さに負けないように深く水を張るようにすることは多い。

目の前の田んぼでは苗も一応しっかりと深水となっているが、比較的温暖な地域とは言え、今は冬だ。

夜の寒さに備えてもう少し田んぼに水を入れてもいいだろう。


ひと通り見て周り、概ね順調に米が作られている事がわかり、非常に満足できた。

今もある程度流通している米ではあるが、まだまだ簡単に手に入れることが出来るという状況ではないため、このまま米の生産量が増えていってくれると、気軽に米を食べれる日もそう遠くない。





田んぼの視察の他に、こっちの世界の農業に関する話なんかも村の老人たちから聞いたり、害獣避けの柵などもみてまわると、なんやかんやで四日ほどベスネー村に滞在してしまった。

有意義な時間を過ごした充実感とともに、五日めの朝には村を離れてヘスニル目指して空の旅へと出ることが出来た。

もちろんベスネー村では米をしっかりと買い付けているので、帰ったらパーラ達に何か作ってやろう。


ついでというわけではないが、ベスネー村から少し離れたところで、かつてアイリーン達と一緒に見つけたカーリピオ団地遺跡が今現在どうなっているのかがふと気になり、どうせ距離的にさほど離れてもいないことだし、少しだけ見てから帰ろうと思った。


ベスネー村から直線距離的にはそれほどではないが、間にある起伏の富んだ地形と入り組んだ山裾のおかげで、少し進むだけで眼下の景色は冬のものへと変わり始める。

これをみるとベスネー村の周囲だけが季節感から独立して存在しているというのがわかる。


しばらく飛び続けていると、鬱蒼とした森のなかにポツリと口を開けるようにして目立つ空き地が見えてきた。

位置的にカーリピオ団地遺跡のある場所なのだが、俺の知る頃よりも周囲の森林が切り開かれているようで、そうする必要があるほどに人と物が遺跡周辺に集まっているのだろう。

それはつまり、それだけあの遺跡が巨大なものであるうえに、多くの人と物資を投入してまで研究する何かがあるということだ。


俺もそう遺跡というものを知っているわけではないが、今のところ知っている遺跡で最大なものといえばやはりカーリピオ団地遺跡を挙げる。

飛空艇を見つけた84号遺跡もかなり巨大なものだったが、それと比べてもカーリピオ団地遺跡は遥かに大きい。


俺達が見つけたときはあまり詳しく調べることはしなかったが、もしかしたらあのあと何か研究者の琴線に触れるものが見つかったのかもしれない。

高度をかなりとった上空から見ている限りでも、多くの人が動いているのがわかるぐらいに賑わっている遺跡周辺に、流石に飛空艇を乗り付けるのは騒ぎになると思うし、発見者とは言え一冒険者である俺が遺跡を見せてほしいと言っても許可されるとは思えないので、とりあえず遠目に見るだけにして引き返した。





五日ほど留守にしていたことになるヘスニルだが、帰ってきたところで何か変わっているわけもなく、また同じ場所へと飛空艇を降ろした。

到着した時点で既にヘスニル周辺は暗闇に包まれており、パーラが昇格試験の依頼を終えていたとして、まだローキス達のところにいるはずなので、夜間の門の通行が出来ない現状では迎えに行くことも出来ず、とりあえず明日の朝一にでもローキス達のところに向かい、昇格試験のお祝いに米料理を振る舞おうと決めた。


パーラの実力は昇格試験に落ちていることを心配させるものではないので、合格祝いは豪勢にやりたい。

そうするとそろそろあれの出番かもしれない。

貨物室へと場所を移し、色んな荷物を積み上げていた一角に、ひっそりと隠していた樽を引っ張り出してくる。


丁度大人が一抱するほどの大きさの樽の蓋を持ち上げると、現れたのは目の細かい布だ。

この布を慎重にめくっていき、数枚が退けられた先から姿を表したのは茶色の粒がびっしりと詰まった物体、漂う匂いが日本人の郷愁の念を否応にも掻き立てるそれは俺お手製の味噌だった。


実はソーマルガにいる間に仕込んだものを飛空艇で更に熟成させていたのだ。

基本的に豆と塩で作られる味噌だが、この世界では入手先が不明な麹に発酵を頼るしかないため、ほとんど運任せのようなところがある。


何度か試してみては黒カビで駄目にした経緯はあったものの、偶然古くなったパンに発生した黒カビとは異なる菌類のコロニーを発見してからは、米を種麹にするやり方を自分なりに試行錯誤を繰り返し、こうして味噌としての形が出来上がりつつあった。


前世では自家製の味噌といえば種麹を買ってきて作っていたのだが、一から麹菌を探すところから始めるのはとにかく手間と時間がかかってしまった。

およそ三年の試行錯誤で出来上がった味噌だが、これをたった三年と取るかようやくの三年と取るかは個人の見解によるだろう。

しかし俺としてはいくつかの樽を並行して発酵させたり、種麹の繁殖に失敗して全滅させかけたりと、冒険者としての仕事以上に神経と魂をすり減らしたと思っている。


茶色く味噌らしくなったその表面には黒い液体が浮かび上がっており、これはたまり醤油として使えるのだが、今回は味噌を作ると決めているので、味噌に混ぜ込んで旨味としてしまう。

かき混ぜてみると若干の粒が残っているのは感じるものの、豆味噌としてみるとこれは十分料理に使えるものだ。


指先に少しだけ付けて口に含むと、まだかすかな豆の香ばしさが残る中に、味噌特有の甘さと塩気が同居した何とも言えない旨味が広がる。


前世でも時々自家製味噌は作っていたが、こっちの世界では豆と水がいいからか、中々複雑な味わいを感じる。

久々に味噌汁を飲みたくなるが、鰹節も昆布も無い今の状況では、出汁の作り方が限定されるため、異世界初の味噌汁はまた別の機会に取っておこう。


次の日の朝と昼の間頃、樽から幾らか分けた味噌を木皿に移し、それを手土産にローキス達の元を訪れる。

店では朝の忙しい時間も過ぎており、ローキスとミルタが若干暇を持て余しているようだった。

「邪魔するぞ」

「邪魔するんなら帰って~」

ミルタ、何故お前が異世界のお約束を知っている?


「何変なこと言ってるのさ、ミルタ。いらっしゃいアンディ。もしかしてパーラを迎えに来た?今はちょっと出てるけど、多分もう少ししたら戻ってくるよ」

「そうか。しばらくパーラが世話になったな。これ、お土産のベスネー村で買った米だ。店で使ってくれ。…なぁローキス、パーラなんだが昇格試験はちゃんと通ったよな?」

持参した米をローキスに手渡しつつ、ついつい気になっていたことが口をついて出てしまった。


「もちろん。僕達も白4級のギルドカードをしっかりと見たからね」

「二日前にここでお祝いもしたのよ」

信頼していたとはいえ、万が一ということもあるし、こうしてローキス達の口から聞けて、つい安堵の溜息が漏れる。

この時になって、自分でも思ったよりパーラを心配する気持ちが強かったことに気付く。


お祝いするつもりでこうして足を運んできたわけだが、心のどこかではパーラを慰めることを想像していなかったわけではない。

しかし、本人よりも一足先に別の人から試験の結果を聞くことができたため、この後パーラとも落ち着いて話が出来そうだ。


「そりゃあよかった。試験に受かったらお祝いをしてやろうかと思ってたけど、お前らが先に祝ってくれてたなら俺のは余計になるか」

「そんなことないわよ。パーラはやっぱりアンディにも祝ってもらいたいと思ってるって」

「そうそう。僕達とのお祝いでも喜んでくれたけど、アンディがいないことをどこか気にしてた風にも見えたしね」

「…なら、俺からのお祝いもしっかりとしてやらないといけないな」


ローキス達に断りを入れて厨房を借り、早速お土産とは別に持参した米を炊いていく。

米自体に水分が多めに含まれているようなので、やや水を少なくして固めで作る。

炊き上がった白米をおにぎりにし、その表面にこれまた持参していた自家製味噌を薄く塗り広げていき、油をサッと塗った金網に載せ、火にかける。


「アンディ、その茶色いのは何?」

おにぎりに塗られた味噌を見たローキスが、初めて見る調味料に興味を持ったようだ。

「味噌っていう調味料だ。大豆を発酵させて作った。見た目は少し悪いが、米との相性は抜群にいいぞ」

「発酵…って腐った豆を食べるの!?」

味噌の話を聞いていたミルタが驚いた声を上げる。


基本的に、腐ったものを食べるということをしないこの世界の人間からしてみたら、豆を腐らせて作る調味料と言うものに抵抗はあるのだろう。

そういった意味ではこのミルタの反応もごく普通のものだ。


「腐った豆じゃなくて、豆を発酵させたものだ」

「どう違うのよ?」

「まぁ基本的に同じだな。人間に有用なものを発酵、それ以外を腐敗って言うだけの違いだよ」

結局言葉というのは人間が作ったもので、発酵という自然の力には人間の事情など関係ない。

同じ腐るにしても、人間のためになるのなら新しく言葉を与えて分けただけのことだ。


金網の上で火に炙られる味噌はすぐに軽く焦げが入り始め、辺りに香ばしい匂いを漂わせ始める。

「うわっ、いい匂い。あんな見た目なのに!」

見た目でかなりマイナス側にイメージが偏っていたミルタだったが、漂う香りで印象が逆転したようで、口元に光る涎に気付かず悔し気に言う。


焼けた面を上にひっくり返し、おにぎりの両面に焦げを作る程度に火を通したところで網から皿へと移す。

とりあえずの試作として、俺とローキスとミルタの3人分として作った3つの味噌焼きおにぎりだが、俺以外の二人の目は焼きおにぎりに釘付けだ。


ローキスは真剣な目で焼きおにぎりを自分の手で再現しようとしているのに対し、ミルタは純粋に目の前で上がる香ばしい匂いにうずうずとしている。

時折チラチラと俺を見る目は早く食わせろと言っているようだ。


「まずはここにいる3人で試食してみよう。俺はこの味噌焼きおにぎりがどういうものか知っているから、二人の感想を聞かせて欲しい」

こっちの世界の人間に味噌が受け入れられるかどうかというのもあるが、それ以上に見た目でかなり損をすることになる味噌がもたらすインパクトを異世界人で試したいというのも秘かに企んでいたりする。


三者三様に伸ばす手がおにぎりを掴み、それぞれの口へと運ばれていった。

うん、しっかりとした紛う方なき味噌焼きおにぎりだ。

やや甘めの味噌が焼かれたことでさらに甘さを増し、香ばしさも加わったことでこれ一つが完成した一品料理と言っていいのではないだろうか。


「うぅんまぁ-い!アンディ、これすごく美味しいよ。香ばしくて、なんか甘いのとしょっぱいのがこう、うまい具合に混ざり合ってて。あんな見た目だったのに!」

キラキラと目を輝かせながらおにぎりを掲げるようにして持つミルタの様子から、どうやら気に入ってもらえたようだ。

しかしミルタはいい加減味噌の見た目を貶すのはやめてもらいたい。

日本人のソウルフードなのだから。


「アンディ、この味噌ってのはどこで手に入るのかな?もしかして遠くの国から買ってきたものだったりする?」

ローキスは純粋に味噌という新しい調味料に興味を持っているらしく、入手先を聞き出そうとしてきた。

「いや、これは俺が作ったものだ。興味があるなら後で作り方を教えてやるから、お前も作ってみろよ」

「難しくない?」

「材料は塩と豆だし、肝になる種麹ってのは俺のを分けてやるから難しくはならんさ」


仕込みの段階で手間がかかる味噌だが、醗酵を待つ間は放置することも可能なため、店をやりながらでも作ることはできるだろう。

流石に麹も無い状態からでは難しいので、俺が持っているものをいくつか分けようと思う。

これまで存在していなかった味噌という新しい調味料がどんな料理になるのか、それはこの世界の人間に委ねてみたい。


「なんかいい匂いがする~」

店の扉が開かれ、声が聞こえてきた方向へと俺達の視線が集まる。

そこには鼻を鳴らしながら歩いてくるパーラの姿があった。


「おかえり、パーラ」

「あれ?アンディ、来てたんだ。あ、そうだ!ねぇねぇ、見てよこれ!」

厨房から顔を出した俺に少し驚く仕草を見せると、一転して顔いっぱいに笑みを咲かせてこちらへと小走りで駆け寄ってきて、何かを俺の顔の前に突き出す。


「あぁ、ギルドカードか。白級に昇格したんだろ。さっきローキス達から聞いたよ。昇格おめでとう」

「…ちょっとローキス、何で先に言うのよ。私から教えて驚かせようと思ってたのに!」

「あははは…。ごめん、アンディに聞かれてつい」

「んもー!」


俺を驚かせるという目論見が潰された形となったパーラはローキスに軽く文句を言い、頬を膨らませて明後日の方角へと顔を向けてしまった。

「まぁまぁ。そうローキスを責めるなよ。聞いたのは俺からだったんだからさ。ところでパーラ、腹減ってないか?昇格のお祝いも兼ねて、うまいものを作ってやるぞ」

本気で怒ってはいないが、機嫌を悪くしたパーラを宥めるため、早速味噌焼きおにぎりを作り始める。


まだこちらに顔を向けはしないが、うまいものという言葉を聞いた時に反応があったし、時折こちらを窺うようにしているパーラの様子から、楽しみにはしているようだ。

再び香ばしい匂いがあたりに漂い始めるとパーラもより一層ソワソワとしはじめ、ついにはミルタと一緒になって涎を垂らしながら厨房を覗くようになった。


そんな様子についつい笑み漏れるというもので、期待に応えて多めに作った味噌焼きおにぎりを皿に載せてカウンター越しにパーラへと差し出す。

「へいお待ち。味噌焼きおにぎりだよ」

フワッと立ち上る湯気とともに、パーラの顔を覆った香りの奔流が向こう側に見えた笑みを更に深めさせていた。


匂いを楽しむかのように、皿へと顔を寄せているパーラとミルタだったが、どちらかが鳴らした喉の音を合図におにぎりへと手が伸ばされる。

既に一度口にしているミルタが迷いなく食べるのは分かるが、初見であるパーラが何の躊躇いもなく口にするのは俺の作る料理への信頼からだろうか。


「…ぉ、ぉおおおおおっ…。圧倒的美味っ…。至高のおにぎりはここにあったんだね…」

一口食べただけでクワッと目を見開いたパーラはその体を震わせ、妙に大袈裟な言葉を口走った。

米と味噌の組み合わせが異常に合うのは分かるが、その身を震わせるほどの感動を覚えるほどだったとは。


「…ンぐ。そういえばこのおにぎりについてる茶色いのって何?変わった匂いだけど、美味しいね」

一つ食べ、またすぐに二つ目へと手を伸ばしたパーラは、おにぎりに塗られている味噌の存在が気になったようだ。

「それは味噌って言って俺が作った調味料だ。…これがその味噌な」

おにぎりを食べているパーラに、皿に残っていた味噌を見せる。


「これがミソっての?…へぇ、結構いい匂いがするね。見た目はあれだけど」

「お前までミルタと同じことを言うのか」

もしかして味噌のビジュアルは女性に受け入れられないのだろうか。

まぁ味は問題ないようなので、人に出すときは見えないように料理へと使えばいい。


その後は請われるままに味噌焼きおにぎりを作っていたのだが、どうやら店の外まで匂いが漏れていたようで、昼前から訪れた客達がこぞって匂いの元である味噌焼きおにぎりを求めだしてしまい、元々持ってきていた味噌の量も少なかったことから、先着順で限定数を提供することとなってしまった。


本来ハンバーグを食べに来た客達だったが、偶然にも口にすることが出来た味噌焼きおにぎりは彼らにとてつもない衝撃を与えたようで、次の提供がいつになるのかを全員が血走った目で尋ねてきたほどだった。

味噌自体が安定供給に程遠いため、次に味噌焼きおにぎりが作れるのは未定とするしかない。


そんな様子の客と店内に残る香ばしい匂いが相まって、あとから来た客にも味噌焼きおにぎりの説明をすることとなったが、そのせいで裏メニュー的な感じで味噌焼きおにぎりが語られることなるのはもう少しあとの話だ。


何となく昼の忙しい時間帯を手伝うことにして、客足が落ち着いた頃になったとき、パーラがふと思い出したように話しかけてきた。

「そういえばさ、またアンディに手紙が来てたよ。はいこれ」

「またかよ。まさかベスネー村からじゃないだろうな」

つい先日までいた場所だけに、もしもベスネー村からのものだったらこれほど無駄なものはない。


封筒の外には差出人の名前はなく、宛先である俺の名前のみが書かれている。

そんなことを考えながら、パーラから受け取った封筒の中を見てみると、結構な枚数の紙が入っていた。

取り出してみると、最初の一枚に差出人の名前があった。


それは俺とパーラの知っている人物で、久しぶりに見るその名前に懐かしさを覚える。

「パーラ、珍しいヤツからの手紙だぞ」

「誰?…あ」

見やすいように顔の高さに持ち上げた手紙を見たパーラもまた、懐かしい名前に顔がほころび、俺と目が合うと笑いあった。


差出人の名前はシペア。

かつてジネアの街で出会い、父親の形見である厩舎を取り戻すために俺が手を貸し、その父親の非業の死の真相までも解き明かした。

共に遺跡を見つけ出し、俺の手で魔術に目覚めた最初の友だ。

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[気になる点] 魔術に目覚めた最初の友…ってマクシムは? ビジネスライク? それとも魔術に目覚めさせてからカウントした友達?
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