村での平和な日
すみません、ちょっとバタバタとして、というのは言い訳になりますが
ちょっと続きのはなしが書けなくなっておりました。
読んでくださっていた方には申し訳ございませんでした。
勇者をとりあえず仲間にして2日、次の村へとやってきた。順調に王都より遠ざかり隣の国を目指している。
「ようこそいらっしゃいました。ちょうど村の皆も行商人の方を心待ちにしておりました」
馬車で宿へ向かい、泊まる準備をしていたところに村長がやってきた。
まだ中年に差し掛かったばかりといったところだろうか、まだ若いのだが酷く疲れがたまっているように見えるが笑顔で迎えてくれる。
「いや、俺たちは行商人ではないんだが」
「えぇ、えぇ、わかっておりますとも。うちの村へ今まで来ていた行商人がここのところ顔を見せてくれなくなりましてね。あなた様がここで商売なさってもとやかく言うものはおりません。余っている分だけで結構ですので売っていただけませんでしょうか」
商人じゃないんだが、馬車には盗賊から奪った邪魔な荷物が結構あるし、その中に欲しいものがあれば売ってもいいかな。
ドヤッキーとカルファを呼び寄せ、荷物の確認をしてこの村で不要なものを売ることについて相談してみる。
「さすが兄貴でやんす」
「ご主人様、素晴らしいお考えですわ。盗賊から取り返したものの中には衣服や食料、お酒なんかもございますし、村の方々の希望に沿うものもあるでしょう。ですが、売るにしてもその前に売るものと売らないものを決めておかなくてはなりませんわね」
うん、まぁもっともな意見だ。
価値があやふやなものについては片っ端から鑑定スキルをつかい調べまくっていく。おかげでMPがガリガリと減っていく。
おかげでいくつか価値の高いと思われるものも見つかったのはラッキーだった。
低級悪魔召喚の魔石、ジャイアントベア召喚の魔石、フェザーラビット召喚の魔石など、ただの宝石だと思っていたものの中に召喚の魔石がいくつも混じっていたのだ。
使い道はいまのところ思いつかないが、たぶん結構価値のあるものだとは思う。
他には麻痺効果のついたショートソードがあったのでドヤッキーに与えたところ大喜びだった。
大きな町のようなお金持ちがいるところでないと売れなさそうなものも選り分けていく。
助けた商人の娘がいればよかったかなと、チラッと頭をかすめたが、ほんとチラッとだ。思い出しただけでちょっとむかついてきた。
とりあえず売るものの準備が終わり、馬車で先ほど別れた村長の家へとむかう。
「お待たせいたしました。ご希望に沿うものがあればよろしいのですが、とりあえず販売可能なものを準備いたしましたので、ご確認ください」
村で勝手に商売を始めてもよかったのだが、やはりここは最初に村長に売り物の確認をしてもらうのが筋だろう、というわけで最初に見せに来た。
「ほう、着るものに雑貨などの小物、お酒ですか。干し肉などの食料はございませんでしょうか」
「少々お待ちください」
馬車の奥に行き、村長から見えないところでアイテムBOXから未解体のワイルドボアを取り出し、布をかける。
「こちらなどいかがでしょう。先ほどここに来る前に仕留めましたワイルドボアです。血抜きなどの処理はまだしておりませんが、新鮮です」
呼び寄せそれを見せると、村長の目がかわった。
「素晴らしいです、是非そちらを譲ってください。最近この村の近くに盗賊がでるようになってあまり狩にもいけず、狩人も苦労しております。それに盗賊を恐れた行商人や旅人もこなくなって、この村では最近あまり肉を口にすることができなくなってしまっているんです」
ここでも盗賊かよ、馬の世話と馬車のメンテナンスをしている二人の男をちらと見る。
「そこでなんですが、代金についてですが……村にもあまり現金の蓄えがなく、穀物など畑でとれたものを買っていただけないかと思いまして、はい」
「そうですか、ここで仕入れの予定はしておりませんでしたが、値段と品物によってはいくらかは買わせていただきます。おい、ドヤッキー、カルファ」
二人を呼び寄せサポートにつけさせる。
確かに一応前の世界ではコンビニバイトとはいえ商売に関わる仕事をしてたが、この世界の物の値段とか知らんし、俺にここでうまく取引する自信はない。
だけど、こいつらならなんとかやってくれる……はず、うん、そう思いたい。
村長と話をしている間に下働きのものが村中を回っていたらしい。
大きな袋に入った穀物らしきもの、獣の皮、自分たちで作ったと思われる木の弓と矢、うちの娘をとかいって幼子を前に出しているのはスルーしておこう。
村長の家の外には村中の人間が皆思い思いのものをもって集まっている。
「村の人間に言って買っていただきたいものを集めておきましたのでご覧ください」
「村長、言っておくが人身売買なんてする気はないからな。ドヤッキーもわかってるな、間違っても買うなよ」
「だめなんでやんすか?」
「もちろんだ、奴隷商になる気なんてないからな」
なんだかんだで、子供以外のほぼ全部を買い取っていた。
二人がいうには町で売れば倍以上にはなるでしょうとのことだった。
次いで今度はこちらの商品の販売となる。馬車から販売してもよい荷物をおろし、どんどん並べていく。
もちろんいまのところ無駄飯食らいのドンズルー、勇者、名前は知らんが盗賊の二人に運ばせる。
フィラには特に指示は出さなかったが、献身的に手伝ってくれている。
服など日常生活にそれほど重要性が高くないものはそれほど売れなかったが、酒や干し肉などの食料品は我先にと買われていき、自分達用の食料もだいぶ放出してしまった。
この村で買った小麦などの穀物もあるし、なくなれば山や森で狩でもさせればいいだろう。
馬車の荷は数時間のうちに随分と軽くなった。
そろそろ仕入れが必要だなという俺の呟きに、ドヤッキーがこちらを見てニヤリと笑う。
あぁ、そうだ、仕入れだ。




