幸せの時間
今回、短めです。
「本当ですか?」
私は、聞き返す。
「ああ。今日は二人にも助けてもらったことだしな」
マネージャーが、笑顔で言う。
「ありがとうございます」
思わず頭を下げた。
「じゃあ、後でな」
そう言って、マネージャーは行ってしまった。
手には、ドレスの入った袋とじ自分の鞄。
横には、スーツ姿の護。
「よかったな」
護が、私の方を抱いてくる。
「うん。ありがとね」
私が、笑顔で言うと。
「いいよ。ところで、優基は?」
相違や、さっきから見ないけど……。
そこに。
turrr……turrr……。
携帯電話が鳴り出す。
「はい」
『よっ。いいPVが撮れてよかったな。やっぱり、俺じゃなくて護の方がよかっただろ。俺じゃあ、あんな自然な姿だせれないだろ』
って……。
もしかして、確信犯?
確かによく撮れてたけど……。
公に家族紹介って感じなんだけど……。
でも、これが撮れたのは、優兄が護に言ったからで、それがなかったら撮れていなかったものだ。
「ありがとね、優兄」
『いいよ。じゃあな』
電話を切ると。
「優基、何だって? 」
護が、聞いてきた。
「“いいPVが撮れてよかったな。”だって」
「ああ、オレもあんな形で携われたこと、感謝しなきゃな」
護が笑顔で言う。
「…で、その荷物、オレが持つよ」
護が、私が手にしてる荷物を取り上げる。
あっ……。
「後少ししか居られないが、見ていくか?」
「うん♪」
私の返事を聞いてから、護が手を差し伸べてくれる。
私は、その手をとって。
「今日は、ありがとう。それから、子供たちのこと、任せっきりでごめんね」
すまなそうに言う。
「何言ってるんだよ。当たり前だろ、自分の子供なんだから」
笑って答える護。
「ほら、早くしないと終わってしまう」
護のエスコートで、子供たちの教室に行くのだった。