準備
園に着くと、保護者とスタッフで、ごった返していた。
保護者の方々には、前以て連絡していた。
「おはようございます」
私が言うと。
「おはようございます」
返事は、返して貰えるんだけどなぁ…。
「shioriおはよう」
マネージャーが、声を掛けてきた。
「おはようございます」
「響くんにかなでちゃんもおはよう」
マネージャーが、二人の目線に会わせて声を掛ける。
「「おはようございます、マネージャーさん。今日は、ママをよろしくお願いします」」
二人が、馬鹿丁寧に挨拶するから。
「こちらこそ、お願いします」
って、恐縮するマネージャー。
これじゃあ、どっちが親かわかんないよ。
私が苦笑してると。
「詩織。オレ、こいつら連れてくな」
護が、二人を促し教室に連れて行ってくれた。
「詩織、おはよ」
少し遅れて、声が掛かる。
「あっ、優兄。おはよう。今日は、ゴメンね」
私が言うと。
「いいよ。で、二人は?」
優兄は、にこやかに言う。
「護が、教室に連れて行ったよ」
って言うと。
「なら、俺も見てくるな」
優兄は二人の教室の方に歩いていく。
「shiori衣装に着替えて、メイクと髪も整えるから…」
「はーい」
私は、近くに止めてあるバンに乗り込む。
そして、用意されていた真っ白なワンピースに着替える。
スカート丈は、膝ぐらいになる。
短くないかな?
「詩織。着替え終わったか?」
外から、優兄の声。
「う…うん」
そう答えて、バンから出る。
「見事に白だな」
って……。
「アハハ…。まぁ、しかたないんじゃない。曲が曲だからね」
「確かに…。俺も、着替えないと…。ほれ、交代」
優兄が、中に入っていく。
「shioriこっちに座って」
メイクさんに呼ばれる。
「はい」
私は、言われるがまま座る。
「相変わらず、スタイルいいよね。なにか秘訣あるの?」
「ないかな。私、運動苦手だしね。太ったかなって思ったら、走ってることぐらいで…」
私は、何気に答えてる。
「肌もきれいだよね」
「ありがとうございます」
「さー、できたよ」
「ありがとうございます」
メイクさんにお礼を言う。
「shiori。まだ少し時間があるから、子供たちのところに行ってもいいぞ」
マネージャーに声を掛けられて。
「じゃあ、少しだけ見てきます」
私は、二人の教室に向かった。