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一緒に登園

気が付けば、あっという間に参観日。

私は、朝から慌ただしく動いていた。

「ママー。髪やってー!」

かなでが、私の袖を引っ張る。

「はいはい」

私は、櫛でかなでの髪をとくとお団子頭に…。

「ママー。僕も」

響まで、私のところに来る。

響の髪をとかしてると。

「詩織。オレ、スーツでいいよな?」

って、護までもが、私に聞いてくる。

「護は、参観が終わったら仕事でしょうが。そのまま行ける方がいいでしょ」

さぁって、私はどうしようかな…。

どうせ、送ってからそのまま待機だろうし…。

かといって、普段着すぎるのもなぁ……。

動きやすいパンツスーツでいいか…。

私が、着替えを終えたところに。

「ママ。準備できた?」

子供たちが覗きに来た。

「出来たよ。行こうか…」

私が、部屋から出ると。

「普段着だな」

護が、ボソッと言う。

「うん。どうせ、向こうで着替える羽目になるしね」

私が、答えると。

「そうだな」

「それより、行こう」

私は、いつもの鞄を掴んで、家族揃って家を出る。

「入園式以来だね。皆で幼稚園に行くの」

私が言うと。

「そうだね。ママ、手を繋いでいい?」

「いいよ」

両手に子供たちの手が繋がる。

「ママ、僕ね。いろんな事をママに見せたいんだ」

響が、嬉しそうに言う。

「私も、ママに見て欲しいのがあるんだ」

かなでも同じように言う。

「じゃあ、ママも楽しみにしていようかなぁ」

「おい、パパには?」

護が、寂しそうに聞いてる。

「だって、パパは何時も見てるでしょ」

かなでが、どっちでもいいよって顔をしてる。

「かなで。パパが寂しがってるよ」

って言うと。

「パパ、屈んで…」

響が言う。

護が、言われたように屈むと。

「パパ。いい子、いい子」

って、響が護の頭を撫でた。

「響は、優しいな」

護が、響の頭をお返しだって言わんばかりに撫でる。

キャッキャと喜ぶ響。

「響。前見て歩かないと危ない…」

って、言ってる側から、ズタッ……。

派手に転んだ。

けど、ケロッと起き上がって。

「痛く…なんか…ないも…ん……」

なんて、目に涙を溜めながら我慢する響。

そんな姿が意地らしくて、可愛い。

「おっ。響、偉いな。流石お兄ちゃんだ」

護が、響に言葉を掛ける。

「うん。僕、お兄ちゃんだから、泣かない」

って、服の袖で、涙を拭いている。


本当は、凄い痛い筈なのに心配かけさせないように悔い縛る我が子が、とても頼もしいとおもった。



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