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03. 背筋を伸ばして腹筋に力を入れてみよう

 にゃんこちゃん、いらっしゃい。待っていたわ。さっそくだけれど、前回のことを覚えていらっしゃるかしら。口角をあげてみた一週間はどうだったのか、わたくしに聞かせてちょうだい。


 そうね、わたくしもそうだったわ。最初は忘れてしまっていることが多くて、なんどもなんども「口角!口角!」と口角をあげていたわ。そのうち長時間できるようになると、頬がひきつってくるのね。そしていつか、口元をあげるのがくせになり、微笑みの顔がいつもの顔になる……。ふふふ、いい傾向ね。「口角をあげる」ことは、これからもずっと続けていてね。


 さぁ、今日のお話をしましょうか。実は、もう決めていたのよ。


 ねぇ、想像してみて。ある女性がホテルのロビーに座っているわ。髪はつやつや天使の輪が光り輝いていて、お肌もぷるぷる透明感にあふれている。ふくよかな胸、くびれたウエスト、セクシーなヒップと、なだらかで美しい曲線を描いている身体。きれいなワンピースに身を包んで、紅茶を飲みながら、誰かを待っているみたい。


 想像できたかしら。そのイメージを持ったまま、話を聞いていてね。美人の条件について、少し考えてみましょう。美人の条件ってたくさんあると思うの。生まれたときから死ぬときまで、ずっと美人って数えるほどしかいないわ。美人は「努力してなる」ものであって「最初からある」ものではない。これは重要よ。自分のことを不美人とか可愛くない、って思っているひとは多いけれど、生まれ持った「顔のつくり」という資産は、消費していくものなのよ。


 わたくしの愛読書のひとつにね、こういう一節があるの。



 「ちなみに私は、美人の三原則とは『顔』『スタイル』『若さ』ではなく、『フェロモン』『センス』『知性』だと思っています。前者はいずれ衰えるもの、後者は成熟によって磨かれるものです」

(三浦天紗子『20歳を過ぎたら、ブスはあなたのせい』インフォバーン、2005、11頁)



 わたくしもそのとおりだと思うわ。確かに顔も、スタイルも、若さも、すべては力であり、資産よ。ないよりはあったほうがいいし、たしかに「持てるもの」と「持たざるもの」の差は確実にあるのが現実ね。けれど、それには時間という消費がかならず存在する。だからこそ、わたくしたちは『フェロモン』『センス』『知性』を身につけていく努力をしつづけるの。いつまでもキレイでいたいから。


 さて、前置きはこのくらいにして、あなたが想像した女性を思い出して。ねぇ、ホテルのロビーに座っていた彼女は、どんな「姿勢」をしているかしら。


 ふふふ、わたくし、姿勢については一切触れていないの。女性については外見を言っただけなのよ。それでも、想像のなかの女性は、ピンと背筋を伸ばしていなかったかしら。膝頭をきちんとそろえて座っていたのではない? そこまではいかなくても、けっして猫背ではなかったはずよ。足をだらしなく開いて座っている様子ではなかったはずよ。つまりね、



 「姿勢の良さは、美人の条件のひとつ」なの。



 美人の条件はたくさんあるけれど「姿勢の良さ」は、もはや無意識のレベルよ。姿勢に関する描写が一切なくても「キレイな女性」は「姿勢が良い」ものだと思っているのね。だから、



 「背筋を伸ばす」ことを意識しましょう。



 姿勢よく仕事をする。姿勢よく授業を受ける。姿勢よく歩く。簡単なようでいて、これがとても難しいのよ。口角とおなじように、気づいたら猫背になってしまっているの。腹筋と背筋が弱い証拠なのね。ずっと猫背でいると、お腹にお肉がついて、骨盤がゆがんで、将来は腰が曲がってしまうわ。そんな未来はここで断ち切ってしまいましょうね。


 今日から背筋をピンと伸ばして1日を過ごしてちょうだい。あぁ、口角をあげることも忘れないで。何度もなんども「猫背になってしまっているわ!」と気づいては、スっと背筋を伸ばすのよ。気づくたびに「姿勢、姿勢!」これに加えて「口角、口角!」ただただ、これを繰り返していくの。


 注意事項がひとつ。正しい姿勢をまず身につけることがたいせつよ。これはとてもありきたりだけれど、壁を使うのがいちばんなの。踵と足の親指の付け根をくっつけて、そのままふくらはぎ、ヒップ、肩、後頭部を壁にくっつけて立つ……意外とたいへんよ。腰と壁はてのひらが1枚半入るくらいがちょうどいいの。あまりに空間が開きすぎるようであれば、お腹に力を入れてへこませてみて。肩甲骨を壁にくっつけたまま、手を上に伸ばしてみると内臓が持ち上がる感じがするわ。そのまま腕を下へ……この姿勢を保とうと思うと、とっても筋力が必要になるのよ!正しい姿勢は筋力を使うの。この姿勢を維持できるようになるだけで、ダイエットなんて必要なくなってしまうかもしれないわよ。


 けっして諦めないで、続けていてね。なんどもなんども、繰り返し挑戦してね。では、また。

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