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※0 コレがいわゆるプロローグ
――俺の青春を1つの「物語」にするのなら。
導入部分であるプロローグの最初を、こう綴るだろう。
――俺の青春は、傾いている。
***
地味でイマイチ目立たない。
そんなイメージを突きつけられた中学校までの俺。
そんな、中学までの目立たなかった自分を変えたい。今までの自分を全部捨てて、新しい自分として高校生活を楽しみたい。
人はそれを『高校デビュー』と呼ぶらしい。まさにその、高校デビューを図ろうと期待に胸膨らませて歩いた初めての通学路。
友達ができるかな……と不安になった下駄箱。まだ緊張が解けない、新しい自分のクラス。
こんなに広いのか、と移動する際に通った渡り廊下。何もかもが新鮮すぎて、俺は、すっかり我を忘れてしまっていたような気がする。
***
――俺の青春を1つの「物語」にするのなら。
まだ“残念な4人”が集まる前――俺の心を動かした「彼」と出会う、高校1年生の入学式から始まる。
タイトルの「※でぃ!」は、危険を表す「※」と「コメディ」を合わせたものです。残念ギャグでお送りします。