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第5章 第1幕 ホゲーンの謎

「ホゲーンはミスターが作ったものではありません。ミスターは偉大なるスーパーロボットを作るため苦心しています」

 ロボのバックアップデータからすべてが解明された。ミスターの目的、ロボが作られた経緯、そしてホゲーンちゃんとの関係の否定。

 ならホゲーンちゃんって一体? ひょっとして、本当に天使?

「天使がレーザーとか撃つかよ」

「テレビで言うとおり、地球外生命体、宇宙人なんじゃないか?」

 いくら話しても答えは出ない。

 何より一番の問題は、ボールダンは修理中なのに、ホゲーンちゃんが襲ってくる可能性があるということ。

「ホゲーン好きなキャンディには、ボールダンがないのはいいことじゃない?」

 そう言ったキャバクラの言葉を私は聞き流した。今の私にはホゲーンちゃんは天使よりむしろ悪魔にしか見えない。それを知っていてキャバクラ聞いているんだ。

「それならば安心だ。博士が新しいボールダンを作っている。な?」

 リーダーは自信満々に言ったけど、博士は作ってないと強く否定した。

「とうとう偉大なるロボットの私の出番ですか? カタカタカタ……ボン! カタカタカタ……ボン! ギギ、キキキキ。ボンボンボン」

 ポンコツとの境目のロボが、がんばって動いている。

「リーダー、俺を助けた時みたいに変身してくれよ! またさ、あのアフロラッガー見せてくれよ!」

 聞いたことがある、リーダーは昔、改造人間だったと。

「……それは出来んのだよ。お前を助けた日、私のアフロラッガーは空の彼方に消えたまま返ってこなかった。だからもうアフロラッガーは出来ないんだ」

「なら新しいアフロラッガーを!」

「私も新しいアフロラッガーを生やそうとした。しかし、もう掴むだけのアフロラッガーがないんだよ」

 リーダーのアフロが外れると、つるつるとなった頭が晒された。うっすらとは感づいていたけど、ここまでとは……。

「俺のせいで!」

「言うな、髪金! ……私は後悔してない。私のアイスラッガーで、一人の命が救われたんだ。後悔などしていない!」

「リーダー!」

 二人は熱い抱擁を交わしている。もともと暑苦しいキャラクター同士だったのに、ロボの件以来、よりその暑苦しさが増した。

「お前にアイスラッガー伝授したかったんだがな、その頭じゃ無理なんだよ……」

 と、髪金のまだ生えていない頭をさわる。

「うあー! いい話だー!」

 と、ロボは涙を流し、またショートした。いい話なのかもしれないけど、なんだか泣けない。

「結局、ホゲーンが来ても何も出来ないわけだ」

 クールが言った。

「ごめんなさい」

 トロ子が素直に謝る。

「謝る必要ないよ」

 私はトロ子に声をかけた。けど、キャバクラが意地悪く言う。

「謝って当然じゃないの? ロボとトロ子のせいで壊れたのは事実だし」

 全員がキャバクラを見る。最近のキャバクラの言葉に、みんな不快感を感じ始めている

「おかしいこと言ってるかしら? 二人のためにボカーンって壊したんでしょ? 残ってるのは、ダンボールの残骸とそれを掃除しろって言う上からの命令だけ。ホゲーンが来ても何も出来ないわ」

「今は責任の話をしている場合ではない。くそ、あの宇宙人どうすれば……」

「他にも宇宙人がいるんですか!?」

 声がした方を見ると、いつの間にか部屋の住人の彼女が、私達の輪の中に混じっていた。

 非常ベルは!?

 慌てて博士が機械の調子を見る。そして呆れ顔をして言う。

「電気が通ってない」

 どうやら度重なる赤字で、電気が止められていたみたいだ。

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