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第4章 第10幕 その頃、公園では

 その頃。


 だっしゅは待合せ場所の公園で、ボールダンが爆発するのを見る事となった。

 空に舞ったダンボールは四方八方へ散り、この公園にも降ってきた。

 だっしゅはその光景に、戸惑いを感じていた。

「……どうしよう、待ち合わせの時間なのに。……ここは我慢だ、みんながいるんだ、きっと何とかなる」


 だっしゅはボールダンがいた場所から目を背け、ラブレターを広げた。

 飾り気のない黒い字で『公園で待つ』と書かれたラブレター。これまで何度もそれを読み返しては喜びを感じていたけれど、今はいつもの喜びが感じられないでいた。


 ポトッという背後の音に振り向くと、青森産りんごと書かれたダンボールが転がっていた。だっしゅが持ち上げたそのダンボールの中には、タミタモーターが5個取り付けられていた。

 起動部のリンゴ箱……。

 だっしゅはダンボールをじっと見つめていた。手にしていたラブレターは足元に落ちていたが、そのことに気付かないでいた。


 ボールダンが爆発したとの公園にいる家族連れや恋人達の声が耳に入る。

 僕には関係ないことだと、だっしゅは自分に言い聞かせた。


「これからどうするんだろうな」

 すれ違った人の言葉に、ダンボールを持つだっしゅの手に力が入った。


 公園中に散乱したダンボールに囲まれ、だっしゅはりんご箱を見つめたまま小さく呟いた。

「……ごめん。……用事が済んだらすぐに戻ってくるから。僕は……僕はボルレンジャーだから!」

 だっしゅは俯いていた顔をあげ、アパートに走り出した。


 待合せ場所の時計は16時。

 約束の時間を2時間過ぎていた。

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