第3章 最終幕 フルエ
今日も彼女といる。
相変わらずニワトリ星人として、だっしゅと彼女の会話に付き合っている。
だっしゅのうれしそうな顔を見ていると胸が苦しくなり……そして体が震えた。
――なんでこんなに臆病になったんだろう。
最初に比べて、だっしゅは彼女とまともな会話が出来るようになっていて、私はただのお邪魔虫でしかなかった。つらい分、私はここからいなくなりたかった。
ただその気持ちとは反対に、二人だけにはさせたくないという気持ちもあった。
いつからこんなイヤな女になったのか。
彼女も楽しげに話す。学校のこと、宇宙人のこと、そして好きな人のこと。
好きな人の話を聞いて、私が作った擬似体験モードのモノだと改めて確信した。それをだっしゅはあたかも自分のことのように勘違いして聞いている。
うれしそうに話を聞くだっしゅ、そしてうれしそうに好きな人の話をする彼女。
彼女が浮かべている笑顔を、私は浮かべることは出来ない。
――ナンデワタシハクルシンデルノニ、アナタハウレシソウナノ?
彼女のその笑顔は、より私を惨めにさせた。だっしゅも彼女も、私をつらくさせるものでしかない。二人楽しそうに話しているのに、なんで私だけ。
震える体は、ある事を考えると自然と落ち着くようになっていた。そう、その想いを強く想うほど、震えが落ち着いていく。だから私は強く想う事にした。強く強く想う事にした。
――フラレテシマエバイイノニ。