第3章 5幕 ごはん DE 昼食
カチャとドアが開き、問題の彼女が戻ってきた。
「お腹すいてたでしょ? じゃーん! 地球名物、ほかほか弁当♪」
昼ごはん食べようって、ほか弁……。
「はい、だっしゅさんのごはん、キャンディーさんのごはん、これが私のごはん。で、おかずのごはん♪」
どーんとテーブルに並べられたほか弁は、見事なまでに白米のみだった。
「……あの、おかずもごはん?」
「……あ! ……うっかり」
うっかりって次元の話じゃない……。
ただそんなご飯三昧を、だっしゅは満面の笑顔で食べていた。さっきのテンションの低さはどこへやら。
「おいしいよ、このごはん、ほかほかだ! おかずのごはんもおいしい!」
だっしゅがおかしくなってしまった。決定的一打のせいで、吹っ切れてしまったのかもしれない。
……ただこのままにしておくわけにはいかないんだ。
「実は、大事なお知らせがあるの」
「大事なお知らせ?」
だっしゅは少し沈んだ顔をした。その顔を見ると心が痛む。
「前にも言ったとおり、UFOが壊れてここにいるって言ったけど……」
「UFOが直らないとか?」
彼女の言葉を聞いて、だっしゅは話に割り込んできた。
「そ、そうなんだ! だから仲間が迎えに来るまで、もう少しいさせてもらっていいかな?」
だっしゅの表情は輝いていた。
「私は構わないけど、お邪魔虫じゃない?」
「お邪魔虫?」
「だって、恋人同士でしょ?」
だっしゅをちらりと見ると、だっしゅも私を見ていた。頬がすごく熱くなるのを感じ、思わず目を背けた。
「そんなわけないよ、兄弟だから」
ショック&鈍感バカ野郎! よりにもよって兄弟とは……。
「そうなんだ。……でもあんまり似てないね」
「父親と母親が違うからね」
それじゃ兄弟じゃないでしょ!
「あ、そうなんだ!」
なんで納得する!
こんな異次元の話をしている二人だったけど、とても楽しそうに思えた。