うさぎのお巡りさん ⑦
家までの道すがら、携帯が壊れたことを説明すると真っ二つになった携帯を見て唯花は涙ぐんだ。
「痛そう……」
そう呟き、携帯を撫でている姿に若干吹き出しそうになったが当の本人は至って真面目。そんな唯花を宥めるように、明日携帯の買い換えに付いて来て、と言って終わった。
翌日、会社帰りに駅前のショップへ向かう。
連絡手段がないからショップで待ち合わせることにしたが、着いてから失敗したと思った。
ショップは駅からすぐではあるが、そんな距離でも迷うのが唯花だ。けれどここで行き違いになっても困る。
考えあぐねて唸っていると、店員の一人が声をかけてきた。
「お悩み中ですか?」
「あ、いえ……あれ? 君……」
振り返った先にいたのは昨日ぶつかったあの少女だった。
「昨日の……」
彼女も驚いた様子で口元に手を当てた。
昨日は私服だったため、幼い印象だったのだが、今はきちんと制服を着ていて印象がまるで違った。
「昨日は本当に申し訳ありませんでした」
「あ、いや。こちらこそ、ボーっとしてましたから」
ペコペコと二人揃って頭を下げ合う。そんな自分たちの様子が滑稽に思えて、笑いそうになった。
すると彼女も同じだったようで、目が合うと恥ずかしげに笑った。