うさぎのお巡りさん ④
今回少し短めです
ついでに執筆遅れ気味
申し訳ありません
のんびり次回をお待ちください
あれから弁償すると言って聞かない少女のおかげでまた一台、電車を乗り過ごしてしまった。
なんとか少女をなだめて、時間を空けずに来た次の電車に飛び乗ったのだが。
「いないし……」
まぁ遅くなった俺が悪いんだけど。にしても一人で行ったら迷子になるの分かり切ってるだろうに、唯花の姿はどこにもなかった。
「携帯に……って無理か」
使い物にならなくなった携帯が恨めしい。恨めしいけど、こうしてる間にも唯花は迷子になってるはずだ。
とりあえず、小道を覗きながらマンションへの道を辿る。
まさかとは思うけど、ちゃんと着いたのかもしれない。淡い期待を胸に、足早に道を進んだ。
けれど、やはり唯花の部屋は真っ暗で帰ってきた様子はまるでなかった。
「だよな……あいつが一人で帰れるはずないんだよ」
行き場のない焦りを壁に頭を打ちつけることでなんとかやり過ごす。
こんな時に携帯が使えないのはかなりの痛手だが仕方がない。
「あんまうろうろすんなよ……」
声が届くわけないと思いながらも、つい口に出していた。
彼女の身の安全を祈りながら、俺は駆け足でマンションを後にした。