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うさぎのお巡りさん⑪


 翌日、出勤した俺の顔はよっぽど酷かったのか、社員の女の子に心配された。

 結局片山さんから電話があった後、何度かかけたけど繋がらず、唯花も帰ってくることはなかった。

 とりあえず相手は片山さんだから心配はないが、どうして唯花が彼女の元にいるのかが分からない。

 もしかしたら唯花が帰ってくるんじゃないかと、ろくに眠ることも出来なかったせいで目の下にはくっきりとくまが刻まれていた。


「酷い顔。よっぽど堪えたのね?」


「片山さん……」


 いつの間にか傍らに立っていた片山さんを力なく見上げる。


「心配でしょうけど、まずは仕事をしてもらうわ。話はそれから。いいわね?」


 有無を言わさぬ物言いに俺はただはい、と答えるしかなかった。

 颯爽と去っていく上司を見送り、俺は頬をパチパチと叩くと今日の仕事に取りかかった。





「……下北くん、ちょっといらっしゃい」


「はい……」


 仕事開始から一時間、一向に仕事にならない俺に痺れを切らした片山さんに呼ばれた。

 颯爽と歩く片山さんに従って入ったのは、使われていない会議室だった。


「下北くん、彼女が心配なのは分かるわ。ただ仕事は仕事でしょ?」


「申し訳ありません……」


 新人と同じ注意にうなだれてしまう。そんな俺に片山さんはため息をつきながら、耳を疑うようなことを言った。


「そこまでなるなら浮気なんてしなければいいのよ」


「……え?」


 浮気という言葉に俺は驚いて顔を上げた。

 片山さんはそんな俺を見ながら、事の次第を話してくれた。


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