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プロローグ

 


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殻を破り、密やかな暗闇から這い出たばかりの、一羽の青紫の蝶がいた。



蛹という名の窮屈な檻から解放されたばかりのその羽は、まだ濡れて、小さく縮こまっている。



けれど、そよぐ風にその身を委ねるうちに、湿った毒膜はゆっくりと乾き、息をのむほどに鮮やかな青紫の色彩を広げていった。



――まるで、最初から世界のすべてを知っていたかのように。



蝶は羽のはためかせ方を疑うこともなく、バタバタと力強く動かし、一気に空高くへと跳び立った。


どこまでも高く、光の射す方へ。


ただ純粋に、自由を謳歌するように。







――だが、その歓喜の飛翔は、一瞬にして蹂躙される。







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