落下…そして始まりの出会い
やっと更新…
もう何だかグダグダ…
「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
みんな、元気?俺は今、絶賛自由落下中だよ♪
あんのバカ女神がぁぁぁぁ!!いきなり落とすなっつ~の!!
さて、かなりの速度で落下してるから、グングン地面……いや、真下は湖みたいだから水面か。が近付いてるワケなんだけど……
「いくらチートでも、このままじゃ死ぬだろうなぁ…」
ひゅるるるるるるるるる…………………だっぱ~~~んっっっっ!!
盛大な水柱をあげて、見事に湖へとダイブ!!
………ゴボゴボゴボゴボ…………………ザバァ。
「ゲフッ!!ガハッ!!……あ~、いってぇ…。ったく、無茶も程々にしてもらわねぇと、身体がもたねぇな」
とにかく俺は泳いで岸までたどり着いた。
「これから、どうし「キャァァァッ!!」ん?」
どこのどなた様ですか?コノヤロウ!!
ヒトの台詞に被りやがって!!
俺はキョロキョロと周りを見渡してみると、木の影に人影が複数…
どれどれ?
目を凝らして見てみると、女の子が男数人に囲まれてるねぇ…
いやはや…これはベタ過ぎる展開だろ……
俺はとりあえず、女の子達の所へと向かった
「良いから、大人しく来いっつってんだろうが!!」
一人の男が女の子の腕を掴んで連れて行こうとしているが、女の子は抵抗していた
「ヤだ!!!!離してよ!!!!!!!」
「ガキが!!」
パンッと乾いた音が響く。どうやら男は女の子の頬を叩いたみたいだ。
女の子は綺麗な銀髪をしていて、年齢は…見た目12、3歳位かな?
叩かれた事にショックを受けているのか、目の焦点が合っておらずガタガタと震えだしていた。
「ケッ…ガキが、大人しくしてりゃ良いんだよ」
女の子を叩いた男は唾を吐きながら、女の子を睨み付ける。
他の男共はニヤニヤと笑っているだけだった。
チッ…胸くそワリィ…
ざっと数えて男の数は……八人か…
とりあえず…
ドコォッ!!
「ゲフッ!!」
女の子を叩いた男の背中に蹴りを入れてみた。
「な~にやってんの?おたくら」
俺の登場で他の男共が目を見開く。
蹴りを喰らった男は咳き込みながらも立ち上がり、俺を睨み付けてきた。
「な…んだぁ?オメェは」
そう言う男を完全無視して、俺は女の子の前に片膝を付いて顔を覗き込む。
「大丈夫か?」
俺の言葉にビクッと身体を震わせたが、俺の目をじっと見詰めてコクンと首を縦に振る
「そか…良かっ「テメェ!!無視してんじゃねぇよ!!」…チッ」
俺に蹴り倒された男が怒鳴りながら、肩を掴んできた。
ったく、俺と女の子の会話を邪魔しくさりやがって…
俺は立ち上がりながら男の腕を掴み、振り返りながら殴り飛ばす。
ドコォッ!!
「ギャンッ!!」
殴られた男は数メートル吹っ飛び、盛大な水しぶきをあげて、湖に突っ込んだ
「た~まや~♪」
周りの男達は唖然として、その光景を見ていた
「さて……」
俺は男達を見回して
「どうする?このまま立ち去るのか…それとも……俺とやるか?」
俺の一言に男達は武器を取り出して構える
剣とナイフ…刃物かよ…
「テメェ…タダで済むと思うなよ」
男の中の一人が俺を睨みながら呟く
俺は自然体で立ちながらも、脚に力を溜めて不意に動く
「「「「「「「!?」」」」」」」
男達が驚くが、遅い!!
瞬歩を使い、一瞬で男達の脇腹や側頭部、鳩尾に拳を叩き込む
男達は何が起きたか解らなかっただろう…。
ほぼ同時に男達は後方に吹き飛び、湖へとダイブ♪
さて、邪魔者達は消えた事だし♪
俺は振り返り、女の子の前にしゃがみ込む
「大丈夫か?」
「う……ん……」
どうやら女の子は驚いてる様だ
「あ~…とりあえず自己紹介しとくな。俺は月夜。榊 月夜だ。」
「ツキ……ヤ?」
「おぅ♪」
首を傾げて聞き返して来る女の子
「私は…ディエナ……」
「ディエナか…よろしくな、ディエナ♪」
笑顔で俺はディエナの頭を撫でる
すると、顔を真っ赤にして俯いてしまった
照れてるのか?
「あの……」
「ん?なんだ?」
「ツキヤは私の事…怖くない……の?」
ん?何だ?突然…
「何で、俺がディエナの事を怖がらなきゃいけないんだ?むしろ、男達を一瞬でぶっ飛ばした俺の事を怖がるだろ?」
「確かに、さっきのは驚いたけど…そうじゃなくて………これ」
そう言って、耳元の髪をかきあげるディエナ
そこには……
「尖った長い耳…エルフ……か?」
俺は目を見開いた
すると、ディエナは
「黙ってるつもりは無かったんだ…。でも、ツキヤは全然気付かないし、後で分かって怖がられるのがイヤだし……」
そう言って、また俯くディエナ。
俺はディエナの脇に手を入れて、抱き上げた
「!?!?!?!?」
驚くディエナに笑いながら俺は
「すっげぇ♪すっげぇよ♪ディエナの事、綺麗だとは思ってたけど、まさかエルフだったなんて♪マジですげぇよ♪」
異世界にきて、いきなりの生エルフ♪最高じゃねぇか♪
「ツキ…ヤ?私の事、怖くない…の?」
「何で?エルフだったら、恐怖の対象になんのか?」
良くわかんねぇな?
「だって、エルフは人間とは違って、精霊魔法を使えるし、長寿だし…」
「ソレだけだろ?」
「!?」
「人間と違う力を持ってて、長生きするってだけだろ?どこが恐怖の対象になるんだ?」
そんなモンで恐怖の対象になるなら、俺は魔王だな♪
なんたってチートだもんね♪
「怖く…ないの?」
「うん」
「ホントに?」
「ホントに」
「ホントのホントに?」「ホントのホントに」
「ホントのホントのホントに?」
「だぁぁぁぁっ!!しつこい!!俺はディエナの事、綺麗な女の子としか見てないぞ!!」
俺の言葉を聞いて、目を見開くディエナ
すると、その綺麗な薄緑の瞳から、ポロポロと大粒の涙が零れ落ちだした
「お!?おい!?」
「ゴメンね…でも、私の事を怖いって思わない人に初めて会ったから……」
ん?
「初めて?」
「うん…私が居た国…エルフの国では、銀色の髪を持つエルフは特別視されてるの…エルフっていうのは、金色の髪しか持って産まれない…私みたいに銀色の髪を持つエルフは『忌子』として…災いをもたらす者として一族から隔離される…私も幽閉されてたんだけど、それが嫌で国を飛び出して来たんだ…」
なるほど…しかし親はどうした!!親は!!
「ディエナの両親…家族は?」
俺が静かに聞くとディエナは悲しそうな、寂しそうな瞳で
「私の父様も母様も、私の事を怖がってた……」
むぅ…何か納得できねぇな…親までも怖がるって…いっその事、国ごと潰すか?
そんな事を考えていると、ディエナは笑顔で俺の首に腕を回し、顔を寄せてくる
「お!?おい!?」
「私の事を怖いって思わない人はツキヤが初めて♪スッゴく嬉しいんだよ♪だから…」
「だから?」
「結婚して!!」
ブハァッ!!
な…なんですと!?
「ダメ…かな?」
「いやいやいやいや…ダメとか、そういう事じゃなくて、俺達、知り合ったばかりだろ?それがいきなり結こ「ツキヤは私の事…嫌い?」!?!?」
グホォッ!!
涙目で上目遣いとは…しかも美少女!!
最強コンボじゃねぇか…
「ディエナ…」
「はい…」
「とりあえず、お友達から始めないか?」
う~んと悩んだ後、ディエナは笑顔で
「とりあえず、それで納得するよ♪あまりしつこくして、ツキヤに嫌われるのはイヤだもん」
どうやら納得していただけた様で…
「さて、これからどうしようか?」
俺は抱き抱えていたディエナを下ろし、ディエナに問い掛ける
「町…に行こうか?」
「だな。とにかく…」
グゥ~と俺の腹の虫が鳴き出した
「腹減った…」
さて、俺達は出会った場所から歩いて移動中。
かれこれ二時間位は歩いただろうか?
俺とディエナはたわいのない会話をしながら、街に向かっている。
「あ!!見えてきた♪」
そう言ってディエナが指差す方を見ると、街が見えた。
「やっと飯にありつける~」
「ツキヤ、さっきから『お腹すいた』しか言わないもんね♪」
クスクスと笑うディエナ。
「しょ~がね~だろ?」
「はいはい♪でも、ツキヤお金持ってるの?」
……ナンデスト?
オゥ!!すっかり忘れていましたわ!!
お金!!そぅ!!マネーですたい!!
お金がなけりゃ、飯も喰えなきゃ寝床も確保出来ねぇじゃねぇか!!
「どうしたの?」
「ディエナサン…ボク、オカネナイヨー」
無表情で答える俺の顔を見て、少し後ずさるディエナ
「私も…余りないよ…」
さて、どうしようか?
街に着いて仕事を探すにも、当面の資金が必要だ。
こんな事なら、さっきの奴らから、何か巻き上げときゃ良かった…
さすがに俺の能力じゃお金を創り出すのは無理だし……
ん?ちょっと待てよ?
創り出す?
俺はニヤリと笑う
「…ディエナ。今から見る事は他言無用で頼むぞ」
「う…うん」
俺はディエナから少し離れてしゃがみ込む。
不思議に思ったのか、ディエナがそばまでやって来た。
いやいや…君がそばに来たら、離れた意味ないやん…
ま、いっか…
俺は両手を叩き、その両手を地面に叩きつける
青白い放電と光が発生して、バチバチと音を立てる。
そう…俺が使った能力は某鋼のが使う術である。
土煙がはれると、そこには二つの………壺
ちょっと古めかしい…それでいて造りはしっかりしてて、細かい細工も施されている。
「ツキヤ…?」
「ん?」
目を丸くして壺を凝視するディエナ
「コレ…どこから出てきたの?」
「今、俺が創り出した」
サラッと言う俺に、さらに目を丸くするディエナ。
これこれ…女の子がそんな顔するんじゃありません。
「売ったら幾らになるかな~♪」
そんな感じで壺を風呂敷に包む俺。
え?風呂敷なんて、どこから出したのかって?
そんな野暮な事聞くなよ♪
「さぁ♪街へ向けてレッツゴー♪」
笑顔で歩き出す俺の後ろをディエナは溜め息をつきながら
「ツキヤは規格外…」
と言う言葉が聞こえた様な、聞こえなかった様な……