久しぶりの再開。そして売られた喧嘩………
あれ?
何でこうなった?
こんな展開じゃなかったハズなのに!?
読み返してみれば……情けない位にグダグダな内容……。
コレが私の限界なのか…orz
依頼を受けた俺は、街の門から出て南の街道を駆け抜ける。
(確か、普通の荷馬車の速度で半日位行った所だったな)
なら、俺の速度なら然程時間は掛からないだろう。
「………ここか」
程なくして、俺は目的地………魔獣の目撃現場に着いた。
そこは、街道の脇に鬱蒼と広がる森だった。
「この森の中かな?」
とりあえず、ジッとしてても仕方がないからの森の中へと進んでみる。
「うへぇ……。道なんてありゃしねぇ…。最悪だな」
生い茂る草に足をとられて足場は悪いし、こんな所で戦闘になったら最悪だ「グルルルルルルルルル…………」………最悪。
どうやら敵さんのお出ましの様だ。
目視出来るデモンズファングの数は、1…2…3………あれ?
見間違えかなぁ…7匹居るんですけど………?
確か、依頼書では4匹だったはず………増えた?
デモンズファングは唸りながら低い姿勢でゆっくりと、こちらに近付いて来る。
「やるしかないか……」
つーか、デカ過ぎるだろ………。
呆れ顔で見詰める先には、体長5メートル程の狼を巨大化させた様な大型魔獣。
「シッ!!」
跳躍し、一気にデモンズファングとの距離を詰める。
「ッセイ!!」
一気に距離を詰めたのに驚いたのか、反応が遅れた一匹の顔面に回し蹴りを浴びせる。
ゴキンッ!!と音を立てて首の骨を折ると、口と鼻から血を溢れさせて倒れた。
仲間が殺られた事に怒ったのか、二匹のデモンズファングが左右からその鋭い爪を光らせながら襲い掛かる。
ガァァァァァァァァァァァッ!!
「ッ!?……図体がデカい割には意外と俊敏だなぁ」
二回ほどバックステップをして、デモンズファングの爪を回避しながら距離を開ける。
唸りながらも、俺を中心に円を描きながらも様子を伺うデモンズファング。
「さて………、どうしたモンかな……」
闘気を放ちながらも距離を保っていると、今度は三匹同時に飛び掛かって来やがった。
「シャアッ!!」
一匹目の爪をかわして懐に飛び込み、そのまま飛び上がりながらハイキックを脇腹に、勢いを殺さないまま二匹目の脇腹に後ろ回し蹴りを叩き込む。
蹴り飛ばされた二匹は、そのまま木に叩き付けられたが三匹目の攻撃を捌ききれず、爪が頬を掠める。
「チィ!!やっぱり、空中じゃどうしても反応が遅れるなぁ」
頬から流れる血を拭いながら、デモンズファングを睨み付ける。
残り四匹……。
そんな時、茂みの中から何かが飛び出してきた。
(新手か!?これ以上増えると、厄介だ)
そんな事を思いながら、飛び出してきた正体を確かめると…
「助太刀するよ!!」
双剣を構えた猫耳娘が立っていた。
「………キッシャ?」
「……ツキヤ!?」
お互いが、お互いを確認。
俺は呆然として、キッシャは驚いていた。
「何でお前がココに?」
「依頼達成して街に戻る途中だったんだけど、森の中から魔獣の咆哮が聞こえたから……」
「助太刀に来たと?」
「うん」
なるほど……納得ですたい。
「てゆーか、ツキヤ!!たった一人で複数のデモンズファングと闘うなんて自殺行為だよ!?」
あ〜、お怒りはごもっともです。
「とりあえず落ち着いて。アイツ等どうにかしないと……」
こちらの様子を伺っていたデモンズファングが一斉に襲い掛かってきた。
「にゃぁぁぁっ!?」
「ヤバッ!?」
突然の事に、対応しきれなかったキッシャを抱き抱えて、飛び上がる。
「にゃぁぁ!!」
慌てるキッシャを無視して、木の枝に着地。
「黙ってねぇと舌噛むぞっ!!」
俺は一気にケリをつけるべく、スピードをトップギアへと入れる。
「サッサと終わらせる!!」
キッシャを抱き抱えたまま枝から飛び降り、一匹のデモンズファングへと向かう。
「一匹目ぇっ!!」
デモンズファングの顎を蹴り上げ、その頭部を踏み台にして更に二匹目へ襲い掛かる。
「二匹目ぇっ!!」
左右の側頭部に同時に回し蹴りを叩き込む。
一度、地に足を着けて再度舞い上がる。
「三匹目ぇっ!!」
流石に三匹目は俺の動きに対応しきれたのか、その顎を開き襲い掛かる………が、
その顎にアッパー気味に右拳を叩き込み、跳ね上がった顔面に三発拳を叩き込む。
「ラストォォォォッ!!」
顎をかわし、喉元に四連撃の蹴りを叩き込む。
攻撃を喰らったデモンズファング全てが血を吐きながら地に倒れ込む。
「!?!?!?」
「プフゥ〜……」
少々、強引ながらも全てのデモンズファングを討伐。
目を白黒させながら驚くキッシャを降ろし、俺は換金部位の牙を採取する。
「………っと、コレで全部だな」
全ての牙を採取した俺は、キッシャの傍まで近寄り、
「さて、依頼達成した事だし、帰るとするか」
キッシャの頭を撫でて、俺は森から出る為に歩き出す。
「あ!!ちょっと待ってよ〜!!」
俺の後を慌てて追い掛けてくるキッシャ。
さて……時間にも余裕があるし、街に戻ったらアメリアの所にでも顔を出すか。
街に戻った俺は、そのままギルドへと直行した。
「ただいま〜」
「あ、お帰りなさい」
「ほい。コレ、デモンズファングの換金部位」
そう言って、換金部位である牙が入った皮袋をマリーさんに差し出す。
「確認しますから、ちょっと待ってて下さいね」
皮袋を受け取ったマリーさんは、中身を確認。
「………あれ?7匹分の牙がある?」
「あぁ、依頼書よりも多かったけど討伐してきたんだ」
「え!?まさか、デモンズファングを7匹同時に相手にしたんじゃ……」
「相手にしたけど?」
「………ハァ〜。もうツキヤ君には驚かない事にします」
そう言いながら依頼書に達成済の印を押すマリーさん。
「はい、コレが依頼達成の報酬の金貨一枚と、換金部位の分銀貨七十枚」
「確かに受け取りました」
「も〜。今後、無茶しないで下さいね!!」
「……善処します」
無茶な依頼を振ってきたのはマリーさんなのに……。
「で、そちらの方は?」
俺の後ろに立っていたキッシャに視線を移す。
「にゃ!?依頼達成したから報告に来たんだけど……」
「そうでしたか。では、依頼達成の証明を此方に」
そう言われて、依頼達成後の事務処理をしていく二人。
「さて、依頼も終わったしアメリアの所にでも行くか」
俺がギルドを出ようとした時、
「ツキヤはこれからどこかに行くの?」
キッシャが声を掛けてきた。
「ん?あぁ、今から友達の所に行くんだけど……キッシャも来るか?」
「私も行っても良いの?」
「大丈夫だろ」
「なら、一緒に行く♪」
と、二人でアメリアの所に行く事にした。
「ども。アメリアに会いに来たんだけど」
城の衛兵に声を掛ける。
「これはツキヤ様。アメリア様でしたら城に居ますので、どうぞお通り下さい」
と、顔パス。
俺ってVIPだったの??
城に来た事に緊張と驚きで目を丸くしながらも歩いてくるキッシャ。
「ツ!!ツキヤ!!」
「なんだ?」
「友達って、城に勤めてるの?」
「いや、勤めてるって言うより、住んでる……?」
「ツキヤの友達って………」
「ガウィル王国第一王女、アメリア・フォン・ガウィルだよ」
「お!!王女様!?」
さらに驚くキッシャ。
そんな会話をしつつ城内を歩いていると……
「ツキヤ殿!!」
アメリアさん、ご登場♪
「よ♪アメリア。来たぞ」
「良く来てくれました。………そちらの方は?」
「あぁ、半獣人族のキッシャっていうんだ。俺の友達だ」
「は!?初めまして!!キッシャと申します!!」
緊張の為、声が裏返るキッシャの姿に俺は爆笑してしまった。
「ブフッ!!ブハハハハハハハッ!!……ハァ、ハァ…。キッシャ、そこまで緊張しなくて良いから」
「でも、王女様……」
「身分は気にしないで頂きたい。ツキヤ殿の前では身分など関係無いのだ。友……ただそれだけなれど、その絆は何よりも深い」
笑顔で俺を見るアメリア。
よせやい!!照れるじゃねぇか!!
「わ……分かりました」
とりあえず納得するキッシャ。
「さぁ、此方に…「アメリア様!!」……?」
突然、名を呼ばれてアメリアは声の主の方を向く。
そこには、俺より少し年上と思われる男性が立っていた。
「どうした?リオン殿」
「ハッ!!本日、漆黒の闘神であられるツキヤ殿がいらっしゃると聞き及び、是非手合わせをして頂きたいと……」
そう言いながら、俺を睨んでくるリオン。
「ツキヤ殿、彼は私が指揮する部隊の内の一つ『紅槍隊』の隊長、リオン殿だ」
「リオンと申します。ツキヤ殿のお噂はかねがね聞き及んでおります。是非、私と手合わせして欲しいのですが…」
え〜……さっき討伐任務こなしたばかりなのに……。
「どうだろう?ツキヤ殿」
「何卒、お願いいたします」
頭を下げるリオン。
しかし、その表情はニヤニヤとしており、まるで此方を舐めてる表情。
………かち〜ん
「そんな!!ツキヤはさっきデモンズファン「良いよ。やろう」アニャ!?」
キッシャの心配を他所に、俺はリオンの申し出を受ける。
「ありがたい!!」
顔が綻ぶリオン。
その余裕の表情は、何かしら俺の癇に触る。
「では、城の修練場へ……」
アメリアの案内で修練場へと向かう一同。
やってやんよ。
アメリアに見えない所で見え隠れするリオンのムカつく表情…。
バカにしやがって……男には退けない闘いがあるんだ。
今がその時!!!!
…………………多分。