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家庭内コントは他所でやってくれ!!コレだからアフォな親子は困るんだ…

やっと出来上がった………orz





空がうっすらと白みがかる早朝。

ギルドの修練場に俺は立っていた。


「……………」


皮鎧を着込んだ案山子を見据えて、集中…。


「!!」


一気に案山子との距離を詰めて、


「ッラァッ!!」


一瞬で足技で四連撃を放つ。


ベキッと攻撃の衝撃を受け止めきれなかった案山子の支柱がへし折れてしまった。


「あ〜あ……やっちゃった」


頭を掻きながら呟く。


「いつ見ても凄いの一言だな……ツキヤ殿の鍛錬は」


背後から声を掛けてくるのは隊長さん。


「いやいや。俺なんてまだまださ………」

「ツキヤ殿ほどの技量で『まだまだ』などと言われたら、我々の立つ瀬がないではないか」

「あ〜……すまん」


クスクスと笑う隊長さん。


「今日も一人で早朝鍛錬かい?」

「あぁ、やはり隊舎の修練場は落ち着かないからな」

「大変だねぇ……さて、俺はもう行くよ。隊長さんもほどほどにな」

「あぁ。………それと、ツキヤ殿」

「ん?」

「いい加減、私の名前を呼んではくれないか?いつまでも『隊長さん』と言うの「またな、シェラ」!!………………ひ、卑怯だ///」


真っ赤になった隊長さん……シェラと別れ、俺は部屋に戻る。

朝食……何にしよっかなぁ………………。




部屋に戻った俺は、ディエナと朝食を摂っていた。

ちなみに、トーストとサラダ、目玉焼きにコーヒーである。

いやはや、この世界にもコーヒーがあった事に驚いたが、コーヒー好きな俺としては嬉しい限りである。


んで、二人でのんびり朝食を摂っていたのだが……


「ツキヤ、今日はなにして過ごすの?」

「ん〜、どうしょっかなぁ」

「依頼は?」

「………後で見に行ってみる「ツキヤは居るかぁぁぁぁぁぁっ!!」ブフゥゥゥゥッ!!」


突然、シャイナが部屋に乱入。

俺は口に含んでいたコーヒーを盛大に噴出してしまった。


「「きたなっ!!」」

「ゲホッ……ゲホッ……やかましいわ!!朝っぱらから大声出して何用だ!!じゃじゃ馬姫!!」

「誰がじゃじゃ馬じゃ!!」

「お前じゃい!!……………ったく、で?どうした?」

「うむ!!退屈じゃ!!妾と遊べ」

「くたばれバカヤロウ」

「ヒドイッ!!」


酷くないわ。


「ディエナ……ツキヤが妾を苛めるのじゃ」

「可哀想なシャイナ姫…」


よよよ……と泣き真似をするシャイナの頭を撫でるディエナ。


「ディエナ、甘やかすな。バカがつけあが「ツキヤ殿ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」次は誰だぁっ!!」


バンッと扉を開けて入ってきたのは………ガウィル王。


「………一応、用件を聞こう。どうしたんだ?」

「シゼルに追われている!!匿って「くたばれ、バカ王」ヒドイ!?」

何やらショックを受けているバカ王。

あ、ちなみにシゼルって言うのは、王妃様の名前。

「ヒドくないわ!!アンタが王妃様に追われてるのは、またロクでもない事しでかしたんだろっ!!」

「失敬な。ただ、侍女達の着替えを覗き「やっぱりくたばれ。それがこの国の為だ」何気にヒドイッ!?」


賢王とは名ばかり……実態は、単なるアフォなオッサンだった。


そんな感じでギャーギャーやっていると……


「こんな所に居たのですか……。父上、シャイナ…城に戻りますよ」


アメリア登場。

さっさと、このバカ二人を連れていってくれ……。


「イヤじゃぁぁぁ!!妾はツキヤと遊ぶのじゃぁぁぁ!!」

「ツキヤ殿ぉぉぉぉ!!匿ってくれぇぇぇぇ!!」

「これ以上ワガママを言って、ツキヤ殿とディエナ殿に迷惑を掛けないでください」

「私は、見てて楽しいかも♪」

「俺は迷惑だから、さっさと帰りやがれかも♪」


早く連れて帰ってく…………


キィィィィィィィ…………


「…………アナタ………こんな所に居たのですか……」


扉の隙間から、笑顔の王妃様。

ヒィィィィィィッ!?ホラーじゃっ!!

笑顔の王妃様なのに……目が笑ってねぇ!!

恐すぎだよ!!


「さ………帰りますよ………」


むんずと王様の耳を掴む王妃様。


「ヒッ!!ヒィィィィィィッ!!」

「シャイナも………帰りますよ?」

「う…………うむ」


王様を引き摺る王妃様の後ろを、とぼとぼとついていくシャイナ。

う〜ん、シュールな光景だ。


「騒がせて、すみません」

「ん?気にするな。お前も大変だな、アメリア」

「ハハ………まぁ…」


そんな会話をしていると、


「ツキヤ、そろそろ時間だから……私、行くよ?」


と、ディエナが言い出した。

最近、ディエナはギルドの向かいにある食堂『風車小屋』の手伝いをしている。

俺が依頼をしている間、退屈だからとマリーさんの口利きで始めたのだが、コレが意外と評判が良く、ちょくちょく手伝いに行っているのだ。


「もうそんな時間か?今日も頑張れよ」

「ツキヤもね♪」


俺はディエナの頭を撫でる。


「ん♪色んな女の子にちょっかい出しちゃダメなんだからね!!」


そう言って、部屋を出ていくディエナ。

俺、そんなイメージあるの?

ショックなんですけど……。


「あの……ツキヤ殿?」

「ん?」


そういや、アメリア…まだ居たんだっけ。


「今日………お忙しいでしょうか?」

「あ〜……まだ予定はないけど、依頼を受けようかと思ってる」

「そ………そうですか」

「どした?」

「あの……もし、お時間が空けば……その……」

「?」


俯いて、モジモジしだすアメリア。


「お城まで来て頂け……ないでしょうか?」

「ん〜〜〜…。了解」

「あ…お!!お待ちしてます!!」


パァァッと笑顔になり、ペコペコと頭を下げながら部屋を出ていくアメリア。

そんなに喜ぶ事か?





朝のドタバタを経て、ギルドのロビーへとやってきた俺は目ぼしい依頼がないか物色中。


「何かないかなぁ………」

「あ、ツキヤ君♪」

「おはよう、マリーさん」

「おはよう♪何?依頼探し?」

「うん。あまり時間が掛からなそうなヤツ探してんだけど…」


そう言うと、マリーさんが一枚の依頼書をヒラヒラと掲げる。


「ねぇ、ツキヤ君。この依頼なんだけど…」

「?……どれどれ?…………………魔獣の討伐依頼か」

「うん。最近、南の街道沿いに出没するみたいなんだけど、相手はBランクの大型魔獣」

「大型魔獣……」

「しかも、複数確認されてるから対象冒険者ランクはA以上でパーティ対象」

「……………そんな討伐依頼を俺一人でやれと?」


鬼ですか?マリーさん…。


「うん。丁度Aランク以上のパーティは他の依頼で街に居ないし、どんなに早く戻ってくるパーティでも、後三日は掛かるんだよ」

「で、それまでに被害が出たら目もあてられないから、俺に………と」

「うん………無理かな?」


首を傾げるマリーさん。

いや~、美人さんがやると破壊力抜群な仕草です(爆)


……まぁ、マリーさんの言う事も解らないくは無い。

街の住人からしてみれば、街道の安全は早めに確保したいしギルド側の意見としては、早急に対応したいワケだ。

「う〜ん………良いよ」

「え!?良いの!?」

「うん。その依頼、引き受けた。で、対象の魔獣なんだけど…」

「ちょっと待って!!……えっと………」


魔獣の図鑑らしき物を引っ張り出して調べ始めるマリーさん。


「う〜〜………あった!!対象の魔獣はデモンズファング。体長5〜6メートルの狼に似た大型魔獣です。換金部位は口に生えた二本の長い牙だね」

「なるほど。確認されてる数は?」

「一応、依頼書で四匹だよ」


そのサイズで四匹か……問題無いな。


「了解。早速、向かうよ」

「え!?もう行くの!?」

「うん。さっさと済ませたいからね」

「でも……」

「大丈夫。昼頃には戻ってくるさ」


そう言ってギルドを出ていく俺。





さて、久しぶりの討伐依頼。

時間を掛けるのもアレだし、サッサと終わらせちゃいますかねぇ。

でも…………な〜んか起きそうな予感がするんだよなぁ。

俺の第六感的な何かが、テキーンッと来ちゃった訳ですよ。ニュー〇イプ的なテキーンッてヤツが………。





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