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あの~、やっぱり辞めませんか?何だか面倒事の匂いがプンプンと……

どうも、黒龍妃です。


今回の話は、イクシィードS様からのアイディアを使わせていただきました♪


作者的には、この展開は考えていなかったので上手く話が出来ているか不安です。


が!!

意外にも伏線的な感じになったので満足しております。


いや~、読者様からのご意見、ご感想はホント、励みになります♪



「準備出来たぁ?」

「おぅ♪ちょっと待ってくれ」


目が覚めてから二日……俺はようやく退院出来る様になった。

全治一ヶ月半のケガだったのだが、この五日間で見事に完治。

医者もビックリしてたよ。

チートな身体に感謝♪感謝♪





で、戻って来ました。我が家(?)

まぁ、ギルドの宿舎なんだけどね…。


「あ〜、やっぱり、コッチの方が落ち着くなぁ」

「フフ……ツキヤらしいね」


ベッドに横になっていると………


ダダダダダダダッ……バンッ!!


「ツキヤ君、退院したんだって!?」


マリーさんが駆け込んで来た。

あ〜あ……髪を振り乱して…………美人が台無しだよ。


「ご心配お掛けしました」

「うぅん…。ツキヤ君が元気なら私は……」

「ウォッフォンッ!!」


顔を赤く染めて、モジモジしていたマリーさんの後ろには、一人の男性が立っていた。


「…………誰?」

「これは自己紹介が遅れました。私、このギルドの長を勤めさせて頂いておりますモリアと申します」

「はぁ……ご丁寧にどうも」

「今回、こうしてツキヤ殿の元にお伺いしたのは、前回の魔獣の群を討伐した件でございます」

「………んで?」

「ご確認致しますが、あのドラゴンをたった一人で討伐したのは、間違いございませんか?」

「……間違いないけど」

「まぁ、これに関しては国王様達が証人ですから、間違いはないでしょう………。で、ドラゴンを討伐…しかも御一人で………という事ですから、ギルド側と致しましてもツキヤ殿のランクを上げなければなりません」

「なるほど」

「本来ならば、色々と条件をクリアしたり試験を受けたりとしなければならないのですが、今回は特例としてそれらを免除してのランクアップになります」


ふむふむ……


「で、俺のランクはどこまで上がるんだ?」

「ドラゴン種というのは、本来パーティーを組んで複数の人数での討伐が当たり前。国によっては、一個師団を使っての討伐が定石なのですが、今回は御一人での討伐なので………自然と最高ランクのSSになります」

「……………え?」


あり得ないだろ!?

だってギルドに登録してから一ヶ月も経ってないぞ!?


「ツキヤ、すご〜い♪」

「おめでとうございます♪ツキヤ君」


パチパチと手を叩くディエナとマリーさん。


「では、ギルドの登録証をこちらに……」


俺は首に提げていた、ギルドの登録証をモリア氏に渡す。


「では、書き換えをしてきますので、少々お待ちください」


そう言って部屋を出ていくモリア氏とマリーさん。


あ〜……目立つ事、したくなかったのになぁ……。


うんざりした顔で居ると、モリア氏が戻ってきた。


「書き換えが終わりましたので、登録証はお返しいたします」

「早っ!!」




さて、今日は何して過ごそうかねぇ………。

ベッドの上でゴロゴロしていたら………。


バンッ!!


「ツキヤは居るか!?」


第二王女シャイナ様ごと〜じょ〜。

シャイナにしろ、マリーさんにしろこの部屋の扉を壊すつもりか?


「居るぞ〜。どうした?シャイナ」


ゴロゴロ〜


「先日、姉様が凱旋したのは知っておろう」

「姉様?………あぁ、沢山の兵士を引き連れた、あの紅い髪の人?」


ゴロゴロ〜


「そうじゃ。姉様の凱旋を記念してパーティーを……」


ゴロゴロ〜


「えぇいっ!!良い加減、ゴロゴロするのを止めんか!!」


ゴロゴ………ピタ。


「で?そのパーティーと俺は何の関係があるんだ?」

「王家の友人として、パーティーに出席して欲しいのじゃ。無論、ディエナにも……な」

「え!?私も?」

「当たり前じゃ。ディエナも既に王家の友人じゃ」

「ツキヤ!!パーティーだって♪パーティー♪」


嬉しそうにするディエナ。


「シャイナ、パーティーは良いけど、俺…正装とか持ってないぞ?」


俺の言葉にキョトンとするシャイナ。


「何を言うておる。ツキヤにはあの漆黒の闘衣があるではないか」

「いや、アレは正装じゃないっしょ」

「い〜や。既にあの闘衣はツキヤの代名詞となりつつある。衣装はあれで良い」


マジか……あんな目立つモンでパーティー出席………ダメだ。イヤでも目立つ。


「しかと伝えたからな。パーティーは今日の夕刻からじゃ!!ディエナの衣装は此方で用意しておくから、心配しなくて良いぞ」


そう言い残して、シャイナは帰って行った。


「パーティー……………かぁ」







で、俺達はパーティー出席の為に城まで来たのだが…。


「皆、綺麗だね〜」


まぁ、ディエナが呟くのも分かる。

パーティーに出席する方々なのだろう。

それは素晴らしく着飾っているのだ…。


「そんな中に、俺はコレか?」


自分の闘衣を見詰めて溜め息一つ。


「まぁまぁ。似合ってるから良いじゃない♪」

「似合ってるからって、場違いじゃないか?」

「大丈夫だよ♪」


そんな会話をしていると、俺達の傍に一人の侍女さんが近付いて来た。


「ツキヤ様にディエナ様ですね?会場まで御案内致します。ディエナ様は此方で衣装を……」


と、俺達を城内へと案内してくれる。


「じゃあ、また後でね♪」

「おう。目一杯、お洒落してこいよ」

「さ………ディエナ様。こちらでございます」


ディエナはドレスアップの為に別室へ。

俺はパーティー会場へと向かった。


「ツキヤ!!」

「「ツキヤ殿」」


会場の入口で、シャイナと王様、王妃様と遭遇。


「ども。今日はお招きありがとうございます」

「ハハ……。我々の間に堅苦しい挨拶は無しだ」

「そうですよ、ツキヤ殿」

「ツキヤ………やはりお主には、その闘衣が良く似合うのぅ」


ウットリとするシャイナ。

あれ?フラグ立てた覚えは無いんだけど……?



「さて、パーティーを楽しみますかね」


俺が会場に入ろうとしたら、執事さんみたいな人が……


「先の魔獣討伐の英雄……漆黒の闘神、ツキヤ様のご入場!!」


などと高らかに言いやがりました。

漆黒の闘神?

イィィィィヤァァァァァァッ!!


何?ナニ?そのイタい二つ名は!?

会場に入ると、「おぉ、アレが…」とか「あの方が漆黒の闘神……」とか、視線が痛い痛い。


あぁ……胃に穴が開きそうだよ………。


俺は会場の隅で、壁に背を預け果実ジュースをチビチビと飲んでいた。


「ツキヤ」

「ん?シャイナか……どうした?」

「どうした?ではあるまい。…………どうじゃ、このドレス」


俺の前で、クルッと回るシャイナ。


「馬子にも衣装とは、良く言ったモノだな」

「むがぁぁぁぁぁっ!!」


ニヤニヤと笑う俺と地団駄を踏むシャイナ。

その時……


「漆黒の闘神の傍に常に佇むは銀髪の女神。ディエナ嬢のご入場!!」


その声に顔を上げた俺は………ディエナの姿に目を奪われた。


綺麗にドレスアップしたディエナは、その銀髪を靡かせて優雅に歩く。

その姿は、正に幻想的で……。


「ツキヤ……どうかな?」


顔を真っ赤にして尋ねるディエナ。


「あ……あぁ。綺麗だよ、ディエナ」

「フフ……ありがとう♪」

「………な〜んか、妾の時と対応が違うのじゃ」


まぁまぁ、拗ねるなよ。


三人で談笑していると、そこに一人の女性が近付いて来た。


「ん?」

「あ…姉様」


姉様?つー事は、第一王女か?


「貴公がツキヤ殿か?」

「あぁ。そうだが……アンタは?」

「私の名はアメリア・フォン・ガウィル。第一王女だ」

「そ……よろしく」


素っ気ない対応をした俺を、品定めするかの様に睨み付けてくるアメリア。


「………なんだよ」

「たった一人でドラゴンを討伐したと聞いていたが………どうやら眉唾物みたいだな。

「あん?」

「どう見ても、素手でドラゴンを倒せる程の力量があるとは思えん」

「姉様!!」

「ちょっと!!失礼じゃない!?」



シャイナとディエナがアメリアに喰って掛かるが、俺としてはどうでも良い。


「ディエナ、シャイナ。二人とも落ち着け」


二人の頭をポンっと叩く。


「まぁ、俺の事をどう評価するかは勝手だけど……」


不意にアメリアの背後を通り過ぎようとした男が、ナイフを懐から取り出しアメリアとシャイナに襲い掛かる。

が………

俺は男が振り上げた腕を掴み、そのまま捻りあげて腕を背に回し、足を払って倒すと同時に……


ゴキンッ!!


「ギッ!?」


男の肩を外し、手からナイフを取り上げ、そのナイフを投擲。

主賓席にいた王様と王妃様の後ろにいた侍女の肩にナイフは刺さる。


「グゥゥッ!?」


侍女の手からは寸鉄にも似た暗器。

会場は一気に騒然とする。


「………自分の身と、身内位は護れる力量を身に付ける事だな」

「…………」


アメリアの額には汗が一筋。


「シャイナ、王様、王妃様。怪我はない?」

「あ…あぁ」

「だ、大丈夫じゃ」


暫し呆然とする三人。


「ま、こんなパーティーだ。暗殺を企てて、こういう輩を潜ませて機会があれば、王族の誰かを亡き者にしようとしたんだろ。地位のある人間ってのは大変だな………。ディエナ」

「なに?」

「ちょっと風に当たってくる」

「ちゃんと戻って来てよ?」

「分かってるって」


俺はそう言って、パーティー会場を出る。



ちょっと外の空気でも吸いに行くか………。




「ツキヤ殿!!」


会場を出た俺の後を追ってきたアメリアに呼び止められる。


「…………何?」

「あの………その………」

「?」

「先程は………ありがとう…………。お陰で家族が傷付かずに済んだ」

「どういたしまして」


俺はテラスに着くと、空を見上げる。

今夜も月が綺麗だ……。


「あの!!」


ん?何だ?


「また………逢っていただけますか?」

「もちろん」


俺は月を眺めながら、そう答えた。




…………あれ?

やっぱり何か変なフラグメイカーになってない??

でも、『不幸だぁぁぁぁっ!!』とか叫ばないんだから!!!





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