第59話「なんで紐パンがここに居るの?」
「えっ、どういうこと?」
「あっ、島田君……じゃなかった、ご主人様だけに文化祭の出し物をやらせるのは申し訳ないなって事で、お礼にメイドでご奉仕しようって話になったんですよ」
「私達のメイド姿なんかで喜ぶか分からないけど、大倉がどうしてもって言うから」
「ご主人様ばかり恥ずかしい格好させたのだから、こっちもそれなりに恥ずかしい格好しないとフェアじゃないしな」
恥ずかしい格好、確かにスカート丈は少し短く、パンツが見えそうなほどだ。素晴らしいね。
ちなみに貞操観念が逆転した世界で女子のパンツを男子に見せるのはセクハラにあたる。一部例外を除いて。
そう、一部例外があるのだ。
「なぁ、もしかしてスカート短いけど、その下って」
「あっ、うん。ちゃんと紐パンだよ」
そう言って、曇り一つない眼で笑顔を見せ、大倉さんがスカートをたくし上げる。
そこには布面積ギリギリの紐パンがあった。なぜパンツを見せるのはアウトで紐パンならセーフなのかは理解出来ないが、紐パンが素晴らしいという事実は理解出来る。
同じように、ちょっとだけ照れた様子で四谷先輩と浜口先輩もスカートをたくし上げ、紐パンを見せてくれた。その照れ顔、イエスだね!
そして、京も同じようにスカートをたくし上げ紐パンを見せてくれている。
いや、冷静に考えたらなんで京まで居るんだ!?
「なんで紐パンがここに居るの?」
「はぁ!?」
「あ、ごめん。なんで京もここにいるの?」
「誰が紐パンよ誰が!」
「誤解だ! 驚きのあまり言い間違えただけだから!!」
急にスカートをたくし上げて紐パンを見せて来たんだぞ? 間違えるのは仕方がないだろ!?
顔を真っ赤にして「私居なかった方が良かったかしらご主人様?」という京に対し、平謝りしたのは言うまでもない。
京も紐パンもここに居て欲しい。居なくてはならない存在だから。
今クソゲー研究部は、俺専用ミニスカ紐パンドスケベメイドカフェとなっている。
テーブルの上には、文化祭で売られていた食べ物や飲み物が置かれている。
だが、箸がない。何故か箸がない。この後の展開は予想がつく。だから箸がない事は喜ばしい。
える、知ってるか? この世界では、豊臣秀吉は……女!
「あっご主人様。箸を温めておきました」
予想通り、胸元に箸を入れて、俺の隣で跪く大倉さん。
お手元を取るためのお手元がくるってしまい、胸元にお手元を突っ込んでもよろしいでしょうか?
貞操観念が逆転した世界なのだから、全然OKです。
大倉さんのおっぱいに俺の手を、そう、手元がくるっただけだからセーフだよね? ね?
しかし、だからといって触れるほど俺はまだこの世界に順応できていない。
この程度で気にせずおっぱい触れるなら、俺は今頃この世界でおっぱいソムリエになれるくらいおっぱい触ってるわ。
「ったく、興味あるなら触れば良いじゃない」
「えっ?」
言うが早いか、京が俺の手を掴むと、大倉さんの胸にズボっとそのまま突っ込む。
2度目のおっぱい童貞喪失である。セカンドインパクトともいう。
1度目は服の上から、ブラジャー越しだった。
それが今はどうだ? 生だ! しかもブラなんて無粋な物はない!
前に触った時とやわらかさも、弾力も何もかもが違う。これぞ真のおっぱい!
「なになに、ご主人様女の子の胸なんかに興味あるの?」
浜口先輩が、からかうように俺に言う。
「ほら、男にはないから気になって!」
「ふぅん。じゃあ次私の触ってみる?」
なん……だと……!?
「それより私の胸とかどう? 鍛えてるからこいつらの胸と全然違うよ」
それは、今俺が触ってる大倉さんの胸とおっぱい比べをして良いという事ですか?
良いという事ですよね!?
「あっ、鍛えてるだったら、西原さんとかも凄そうだよね」
おいおい、冗談はやめてくれ。
京が胸を触って良いよなんて言うわけないだろ?
「まぁ、栄た、じゃなくてご主人様が触りたいなら別に構わないけど」
言った!
なんかすっげークールな表情で触って良いって言った!
クソゲー研究部が俺以外文化祭の出し物をしてないというやつがいたら、俺は胸を張って言えるね。クソゲー研究部はちゃんと出し物をしていたと。
出し物はそう。ドスケベメイドのおっぱいメリーゴーラウンド!
一生分のすね毛を顔に当てられた事とか、恥ずかしい格好の応援団とか、もうどうでも良い。
これでチャラだチャラ!
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