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貞操逆転世界になっていたので、幼馴染を色仕掛けで落としたい  作者: 138ネコ


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第27話「誰よ徳川家康って

 休日の昼下がり。

 最近返ってきたテストの点数が悪かった栄太郎が、西原の部屋で勉強を教わっていた。

 数学や英語といった分野は良いとは言い難いものの、問題視されるほど悪くもない。

 ただ、ある一教科だけ、ものすごく成績が悪い。それが歴史である。


「えー君。歴史壊滅過ぎない? 大体誰よ徳川家康って」


「いや、江戸幕府を開いたおっさん……」


「はぁ!? 江戸幕府を開いたのは徳川姫政でしょ。そもそも性別から違うじゃない」


 栄太郎の答えに頭を抱える西原。

 その後、でかい溜息を吐く。


「それってあれ? 大倉さんが最近ハマってる歴史上の人物を男体化したゲーム?」


「いや、違うけど……」


「じゃ漫画かアニメ? まぁどっちでも良いわ」


 ぶつぶつと「大倉さんの悪影響でえー君がバカになっていく」と文句を言う西原。

 大倉さんの影響ではなく、貞操観念が逆転した世界だから歴史が変わってると言いたい栄太郎だが、そんな事を言えば余計白い目で見られるのは分かりきっている。

 それでも無理に説明を続けようものなら、精神に異常をきたしたと疑われかねない。なので黙るしかない。


「とりあえず、期末テストに向けて範囲を絞って教えるから、とにかく暗記していって」


「分かった」


 最初の頃は貞操観念が逆転した世界では、歴史上の人物もいろいろ変わっているのかと感心した栄太郎だが、その感心は長く続かなかった。

 いろいろ変わっているせいで、歴史上に人物の名前を覚えなおさないといけないので。

 幸いなことに、歴史上の人物名は変わっても、歴史の大まかな流れは変わらない。

 大まかな流れは変わらないが、栄太郎が知ってる歴史と年号が微妙に違うせいで、余計にこんがらがったりする。

 栄太郎にとって、今の状況は何年もかけて覚えてきたことを完全に覚えなおし状態である。中途半端に知識がある分、余計に覚えづらい状態で。


「ほら、また間違えてる」


「年号とか名前覚えるの苦手なんだよ」


「全く。もしかして私の誕生日も忘れてたりしない?」


「来週だろ。流石に忘れるわけないだろ」


「ふ、ふーん。覚えてるならいいけど」


 そして黙り込む2人。


(これって、京を誘ってどっか連れてったほうが良いのかな?)


(ちょっと、これじゃ私が栄太郎に誕生日プレゼントを催促してるみたいじゃない)


「あれ、京ちゃんここ間違えてない?」


「ほんとだ、ごめん」


 誕生日だからどこかに誘うべきか。

 誕生日だからと言って何か催促するべきか。

 お互い考えることは一緒である。もっと一緒に居たい。

 そんな事ばかり考えているせいで、勉強に身が入らないのは当然である。


 勉強が捗らず、この日はそのままお開きになった。

 そして翌日。

 いつもの西原の教室で、栄太郎が西原と大倉さんを交えてのいつもの雑談。


(今がチャンスだ!)


「そういえば、今週は京の誕生日だったなぁ」


 まるで思い出したように言う栄太郎。


「あっ、そうなんだ。それなら島田君、西原さん誘って一緒に誕生日プレゼント買いに行かない?」


「まぁ、祝ってもらえるなら……」


 素直に誘えない栄太郎と西原。

 いつものように大倉さんをダシにして、誕生日の予定を立てる2人。


(ふふっ、島田君ったら。西原さんをダシに、私を誘いたかったんでしょ)


 ダシにされた大倉さんが、勘違いを加速させる事になったが、全員が幸せなのでWIN-WINだろう。

読んで頂きありがとうございます!


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