死のゲームって厨二病みたいだね
「死にたい。」
なんで僕は生きているのだろうか。
家族からは捨てられ、友達もいない。
僕にとって、生きることは苦痛でしかなかった。
だから僕は、自分の人生に終止符を打つことを決意した。
ビルの屋上から見るこの景色は好きだが、もうこの景色を見ることはないだろう。
光り輝く夕日を眺めながら僕はそこから飛び降りた。
これで楽になれる。少しの安堵を感じたまま僕は静かに目を閉じた。
人生がこれで終わったはずだった。
しかし、次に目を開けたとき、彼は見知らぬ場所にいた。彼は、白い光に包まれた大きな円形の部屋にいた。彼の周りには、他の人間がたくさんいた。彼は、何が起こったのか分からなかった。
「ようこそ、異世界へ」
突然、部屋の中央にある大きなスクリーンに、白い仮面をかぶった男の姿が映し出された。彼は、笑みを浮かべながら、こう言った。
「あなたたちは、この世界に召喚された者たちです。あなたたちは、この世界でゲームに参加してもらいます。ゲームとは、あなたたちが様々な試練に挑むことです。しかしただのゲームでは面白くないでしょう。なので死のゲームをご用意しました。試練に失敗すると、あなたたちは全員死にます。次のゲームまでに生き返ることができますが記憶を一部失います。試練に成功すると、あなたたちは報酬を得ます。報酬とは、あなたたちに初めに与えられたチート能力の強化です。チート能力とは、この世界ではありえないほど強力な特殊能力です。あなたたちは、チート能力を使って、死のゲームを乗り越えることができるでしょう。ですが、試練に成功してもそのゲームで死んでしまった人は記憶を失い、能力の強化もなしとなります。」
仮面の男は、ここで一旦言葉を切った。そして、再び言った。
「すべての試練が終わった時あなたたちは解放されますが、そこまでに自分の名前までも記憶を失ってしまった人は地獄のような世界で一生を生きてもらいます。きみたちがどのようにゲームを攻略するのか、私たちを楽しませてくださいね。」
僕は死のうとしたはずなのにどうしてこんな場所にいるのか、周りにいる人たちはどうやって集められたのか。そんな疑問を抱えながら僕は座り込むしかなかった。